公開日: 2025.06.20
検索結果に表示されるページ、つまりSERPs(Search Engine Results Pages)は、日々進化し続けています。しかし、「SERPsとはそもそも何か」「どのような仕組みで順位が決まるのか」「SEO対策として何を意識すべきか」を正しく理解できている方は多くありません。検索順位の変動やクリック率の低下に悩んでいる方も少なくないでしょう。
特に近年は、Googleの検索結果が多様化し、リッチリザルトやスニペット、広告表示などが複雑に絡み合うようになっています。この背景には、検索ユーザーの意図に即座に応える検索体験の向上というGoogleの戦略があります。
本記事では、SERPsの基礎知識から最新の構成要素、SEOで上位表示を目指す具体策までを網羅的に解説します。
目次
SERPs(サープス)とは「Search Engine Results Pages」の略で、GoogleやBingなどの検索エンジンでキーワードを入力した際に表示される検索結果ページのことを指します。検索した際に私たちが目にする情報は、このSERPsに含まれます。
SERPsは単なる結果の羅列ではなく、検索ユーザーの意図に応える情報が集約された重要なページです。SEO対策を行う上で、まずはこのSERPsの仕組みを理解することが不可欠です。実際、Googleも「検索エンジンのためではなく、ユーザーの役に立つ、信頼性のあるコンテンツを作成することが重要」と強調しています(参考:Google公式)。
SERPsの最大の役割は、検索ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるようにすることです。そのため、単純なテキストリンクだけでなく、リッチリザルトやスニペット、画像、動画、地図など多様なコンテンツが表示されます。これにより、ユーザーは検索意図に合った情報を即座に確認できます。
SEOにおいてSERPsの理解が重要なのは、検索結果の上位に表示されるか否かがサイトの集客や売上に直結するからです。たとえば、検索結果の1ページ目に表示されるサイトと2ページ目以降に表示されるサイトでは、クリック率に大きな差があります。
さらに、最近では単なる順位だけでなく、どのように表示されるか(例:リッチリザルトの有無、スニペット表示)もCTR(クリック率)に影響を与えています。
そのため、単に上位表示を目指すだけでなく、SERPs上でいかに目立ち、ユーザーに選ばれるかが現代のSEOの課題となっています。本記事では、その具体的な方法についても解説していきます。
かつてのSERPsは、青色リンクと簡素な説明文のみで構成されていました。
しかし現在では、AI技術の進化により、検索結果のパーソナライズやリッチリザルトの多様化、インタラクティブな情報パネルの表示など、大きな変革が起きています。
GoogleのAI Overview(旧SGE)もその一例で、検索意図をより正確に汲み取り、複数の情報源を統合した回答が提示されるようになっています。この進化により、SEO対策も単なるキーワード最適化に留まらず、構造化データやユーザー体験の向上、信頼性の強化といった総合的な取り組みが求められています。
関連記事:Googleの「AI Overview」とは?SGEとの違いやSEOへの影響、使い方を解説
検索結果ページ(SERPs)は、複数の要素で構成されており、それぞれが検索ユーザーの利便性を高める役割を担っています。ここでは、主な構成要素を詳しく解説します。
オーガニック検索結果は、広告枠以外で自然にランク付けされたWebページのリストです。Googleのアルゴリズムに基づき、検索意図に最適なページが表示されます。SEOの主戦場であり、クリック率が高く、集客効果も大きい部分です。
検索結果の上部や下部に表示される広告枠です。入札単価や品質スコアによって表示位置が決まり、費用をかけることで即効性のある集客が可能です。
関連記事:【初心者向け】リスティング広告とは?基本の仕組みや費用・やり方まで解説
レビュー評価、FAQ、パンくずリスト、動画、商品情報などが強調表示される形式です。視覚的に目立つことで、クリック率向上や離脱防止に大きく寄与します。特にFAQスキーマやHow-toスキーマ、レビューの構造化データを正確にマークアップすることで表示対象になります。
リッチリザルトやスニペットはクリック率向上に大きく貢献するため、近年のSEOでは特に重視されています。Googleでは、リッチリザルトの対象となるためには「構造化データが正確かつ完全であり、可視コンテンツを正しく反映し、スパムポリシーに準拠している必要がある」とガイドしています(参考:Google公式構造化データポリシー)。
著名人、企業、場所、イベントなどに関する信頼性の高い情報を集約し、右側や上部にパネル表示する要素です。WikipediaやGoogleの公式パートナー、信頼できる第三者データベースが情報源であり、SEO施策で直接操作することはできませんが、企業や団体の情報管理、プレゼンス向上には重要です。
ナレッジパネルは、ナレッジグラフに存在する対象(人、場所、組織、物事など)を検索したときに Google に表示される情報ボックスです。あるトピックに関する概要を簡単に確認できるようにするためのものであり、ウェブ上で利用可能なコンテンツについて Google が把握している内容に基づいています。
引用:ナレッジパネルについて – Google公式
特定地域に関連する店舗、サービス、施設情報が地図と共に表示される枠です。
Googleマップと連携しており、住所、営業時間、口コミ評価、ルート案内が表示されます。ローカルSEOの対象であり、Googleビジネスプロフィールの最適化、口コミ管理、NAP(Name, Address, Phone)の一貫性確保が成果に直結します。
検索ページ下部や特定枠内に表示され、検索ユーザーに追加の検索候補を提示します。
検索意図の補足や、関連トピックへの誘導役を果たし、ユーザーの行動を多様化させる要素です。SEO施策では、これらキーワード群の分析・反映がコンテンツ強化に有効です。
検索クエリに応じて、画像、YouTube動画、ニュース記事がカルーセルやボックスで表示されます。
特に「速報性の高い話題」「ビジュアル要素の強いテーマ」ではCTRや流入経路として大きな役割を持ちます。画像SEO、動画SEO、ニュースフィード登録などの施策が重要です。
ECサイトの商品情報がカルーセル形式で表示されます。価格や評価が一目でわかり、購買行動を促進します。広告と連動していることが多いのも特徴です。
Googleの生成AIが複数情報源を統合し、質問に対して要約的に回答する枠です。従来の青色リンク中心の結果から、AIがまとめた情報提供型へと進化しています。SEO施策もこの枠の出現を意識する必要があります。
関連記事:Googleの「AI Overview」とは?SGEとの違いやSEOへの影響、使い方を解説
関連記事:SGE とは?Google の新検索体験、Search Generative Experience(SGE)について解説!
SERPs(検索結果ページ)は、検索ユーザーの意図やデバイスに応じてさまざまな種類・表示形式を持っています。ここでは代表的な種類と、モバイルとPCでの表示の違いについて解説します。
モバイルとPCでは検索結果の表示形式に違いがあります。
モバイルは画面が縦長であるため、リッチリザルトや広告、ローカルパックが上部に大きく表示されやすく、スクロール量も多くなります。一方PCは横幅が広く、ナレッジパネルや広告が画面右側に表示されるなど、情報の視認性に違いが出ます。この特性を意識したSEO対策が重要です。
パーソナライズド検索は、検索履歴や位置情報、言語設定などユーザー固有の情報を基に表示が調整される検索結果です。
これに対しユニバーサル検索は、ニュース、画像、動画、ローカル情報など多様なコンテンツを統合的に提示する仕組みです。現代のSERPsではこの両者が組み合わさり、より精度の高い結果が表示されます。
バーティカル検索は特定ジャンルに特化した検索です。例としてGoogleニュース、Googleショッピング、Google画像検索などがあります。
これらは特定の意図に応じた情報を効率よく届ける役割を担っています。SEOにおいても、対象となるバーティカル検索への最適化を意識する必要があります。
リッチリザルトには、レビュー評価、FAQ、イベント、レシピ、求人情報など多様な種類があります。これらは視覚的に目立つだけでなく、検索結果のクリック率向上に貢献します。
特にFAQやレビューは構造化データを適切にマークアップすることで表示されやすくなり、競合との差別化ポイントとなります。
SERPsの主な種類は以下の通りです。
これらの表示形式は、検索意図に応じて柔軟に組み合わされます。SEOでは、自サイトのページがどの種類の結果に対応できるかを意識し、適切な対策を施すことが大切です。
WebサイトがSERPsに表示されるまでには、検索エンジンの複雑な処理が関わっています。ここではその流れを解説します。
クローリングとは、検索エンジンのロボット(クローラー)がインターネット上のWebページを巡回し、情報を収集する工程です。
クローラーはリンクをたどり、新しいページや更新されたページを発見します。適切な内部リンク設計やサイトマップの用意は、この工程を円滑に進めるために不可欠です。
クローラーが収集したページは、検索エンジンのデータベースに保存され、インデックス登録されます。
インデックス登録されることで、該当ページは検索結果の候補となります。インデックス登録の障害となるのは、robots.txtでのブロックやnoindexタグの設定、クロールエラーなどです。Google Search Consoleを活用し、インデックス状況の定期確認が重要です。
インデックス登録されたページは、ユーザーの検索クエリに対してアルゴリズムによりランキングが決定されます。
評価基準はコンテンツの品質、ユーザー体験、モバイル対応、ページ速度、外部リンクの質など多岐にわたります。また、近年ではE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)やAIによる意図把握も大きな要素です。このため、単なるキーワード詰め込みではなく、総合的なSEO対策が求められます。
関連記事:SEOにおけるE-E-A-T(旧E-A-T) とは?Googleが重視する指標の詳細を解説
SERPsで上位に表示されるためには、多面的なSEO施策が必要です。ここでは具体的な対策を解説します。
上位表示の基本は、検索ユーザーの意図を正確に捉えたコンテンツです。単にキーワードを含めるだけでなく、質問に対する明確な答え、具体例、図解や表などを盛り込み、わかりやすさと信頼性を高めることが重要です。また、最新情報や独自の見解を加えることで、他サイトとの差別化が図れます。
Googleも「役立つ、信頼できる、人中心のコンテンツ」が検索ランキングの基準になると述べており(参考:Google公式)、単なるキーワード詰め込みではなく、検索意図に応える高品質なコンテンツが求められています。
技術的な側面もSEOに大きく影響します。ページの表示速度は、ユーザー体験だけでなくGoogleの評価基準でも重要です。
モバイルファーストインデックスに対応し、スマートフォンでの見やすさを確保する必要があります。さらに、構造化データを活用してリッチリザルトの獲得を狙うことで、検索結果上での視認性が高まります。
リッチリザルトや強調スニペットを獲得するには、FAQページの作成、定義や手順を簡潔にまとめたコンテンツ作成、表やリストの活用が有効です。
これにより、検索結果上で目立つ表示形式を実現でき、クリック率の向上が期待できます。
検索結果はAI技術の進化に伴い日々変化しています。
AI Overviewのような生成AI型検索にも対応するため、複数ソースの信頼できる情報を整理したコンテンツ作りが求められます。また、E-E-A-Tの観点から、著者情報の明示、運営者の信頼性、一次情報の提供なども上位表示の鍵となります。
検索結果ページ(SERPs)は年々進化しており、2025年も新たなトレンドが見られます。ここでは、特に注目すべき最新の動向を紹介します。
2025年のSERPsでは、リッチリザルトがさらに多様化しています。
従来の星評価や価格情報だけでなく、音声解説や簡易動画、インタラクティブなFAQなどが新たに採用されています。これにより、ユーザーは検索結果ページ上で必要な情報を素早く得ることが可能になりました。
また、生成AIの進化により、GoogleはAIが作成する要約スニペットの表示を一部のクエリで導入しています。
たとえば、複雑な質問クエリに対しては、複数のページ情報を統合したスニペットが提供され、検索結果上で完結するケースが増えています。この動向は、SEO施策として「クエリに即答する情報の提供」や「複数視点での記述」がますます重要になることを意味します。
モバイルファーストインデックスの影響はさらに強まり、モバイル版SERPsでの見え方が検索順位に与える影響が大きくなっています。モバイル環境での表示速度、操作性、視認性が不十分なページは、上位表示が難しくなっています。
2025年は特にモバイル向けのリッチリザルト表示、地図情報連携、位置情報に基づくパーソナライズ表示の強化が進んでいます。Search Engine Journalの調査によれば、AIによる要約スニペットやGoogle Discoverの影響が拡大し、モバイル検索での視認性確保はさらに重要になっています(参考:Search Engine Journal)。
このようなトレンドを意識し、モバイル端末での最適な表示やローカルSEOの強化を行うことが、今後のSERPs対策のカギとなります。
関連記事:検索順位の低下に繋がるモバイルファーストインデックス(MFI)強制移行とは?
自社サイトがSERPsに表示されない場合、原因の特定と適切な対処が必要です。ここでは確認すべきポイントと対応策を解説します。
まずGoogle Search ConsoleのURL検査ツールを活用しましょう。
このツールでは、該当ページがインデックス登録されているか、クロールに問題がないかを確認できます。
インデックス未登録の場合は「インデックス登録をリクエスト」ボタンから再申請が可能です。また、モバイルユーザビリティやカバレッジのエラーも併せて確認することが重要です。
Google Analyticsを使えば、特定ページへの流入状況やキーワード経由の訪問数を把握できます。
流入が極端に少ない場合は、タイトルやディスクリプション、コンテンツの見直しが必要です。
さらに、直帰率や平均滞在時間などユーザー行動を分析し、改善ポイントを特定しましょう。
インデックス未登録の原因として、robots.txtやnoindexタグによるブロックが考えられます。また、過剰なキーワード詰め込みやコピーコンテンツにより、Googleのペナルティを受けている可能性もあります。
Search Consoleの手動対策レポートを確認し、ペナルティがある場合はガイドラインに基づいて修正を行い、再審査リクエストを提出することが必要です。
まずは検索意図に合致した高品質なコンテンツを作成することが重要です。さらに、ページ速度の改善、モバイル対応、構造化データのマークアップといった技術的SEOを実施しましょう。Google Search Consoleでインデックス状況の確認やエラー修正も欠かせません。
SERPs対策を行うことで、検索結果上の視認性が高まり、クリック率やサイト流入が向上します。また、ブランド認知の強化やリード獲得、売上向上など事業全体への貢献も期待できます。特にリッチリザルトやスニペットを獲得すれば、競合サイトとの差別化が可能です。
一度表示されたからといって安心は禁物です。検索順位は競合やGoogleアルゴリズムの変動により変わるため、継続的なSEO施策が必要です。特にコンテンツの更新、リンク獲得、ユーザー体験の改善は継続的に取り組むべき課題です。
基本的なSEOの知識を身につければ、初心者でもSERPs対策は可能です。まずはキーワード選定、タイトルや見出しの工夫、コンテンツの充実から始め、徐々に構造化データや技術的SEOに挑戦するとよいでしょう。Google公式のガイドラインやSearch Consoleを活用することも効果的です。
SERPsは検索ユーザーに最適な情報を届ける場として日々進化を続けています。かつての青色リンク主体のシンプルな構造から、リッチリザルトやAIによる回答提示など、多様で高度な情報提供の場へと変化しました。この変化に対応するためには、従来のSEO対策に加えて、より総合的かつ戦略的な取り組みが求められます。
これからのSERPs対策では、単なるキーワード最適化ではなく、ユーザーの課題解決に直結する高品質なコンテンツの提供が必要です。また、E-E-A-Tの強化や構造化データの活用、モバイル対応、ページ速度改善といった技術的側面の最適化も重要です。さらにAI Overviewなどの新しい検索結果枠への対応として、信頼性の高い情報源を引用し、正確で網羅的な情報を提供する姿勢が求められます。
今後も検索環境は進化し続けるため、SEO対策は「一度やれば終わり」ではなく、定期的な見直しと改善が不可欠です。本記事で解説した内容を実践し、変化するSERPsの中で持続的に成果を上げるSEO戦略を構築していきましょう。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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