公開日: 2025.01.31
最近、プログラミングの知識がなくてもWebサイトが作れる「ノーコードツール」が人気です。特に、WixやSTUDIOといったサービスは、美しいデザインのサイトを簡単に作れることから、多くの方に利用されています。
しかし、サイトが簡単に作れる反面、「SEO(検索エンジン最適化)」への対応が難しいという問題があります。今回は、なぜノーコードツールで作ったサイトがSEOに不向きとされているのか、詳しく見ていきましょう。
目次
ノーコードツールを使ってWebサイトを作成する際、最も大きな課題の一つがサイトの表示速度です。せっかく見た目の良いデザインのサイトを作っても、表示に時間がかかってしまっては、訪問ユーザーは離れてしまうかもしれません。
ノーコードツールでは、見た目の良さを重視するあまり、多くの装飾用のコードが自動的に追加されてしまうことがあります。これは、見た目はきれいなのに、重くて燃費の悪い車に乗っているようなものです。
また、画像をドラッグ&ドロップで簡単に配置できる反面、自動的な画像の最適化が不十分なことが多く、ファイルサイズの大きい画像がそのまま使われることで、読み込みに時間がかかってしまうのです。
特に、スマートフォンでの表示速度が遅くなりがちなのは要注意です。Googleの検索順位では、モバイルでの表示速度が重要視されているため、これは見過ごせない問題と言えるでしょう。
ノーコードツールでは、HTMLコードが自動的に生成されます。自動的に生成される、というところだけ見れば便利そうに思えるものの、例えば必要以上のコードが自動生成されることで、ページの重さが増してしまったり、不要なdivタグやスタイルが大量に含まれてしまったりすることがあります。
また、コードを直接編集できないため、SEOに最適な構造に変更することが難しいという側面もあります。
SEOでは、コンテンツの構造化も重要な要素の一つです。
しかし、ノーコードツールではこの点でも制限が多いのが現状です。
例えば、SEOに適したURLを自由に設定できないことがあります。検索エンジンが理解しやすいURL構造にするのが難しいのです。
また、サイト内のページ同士を効果的にリンクさせる「内部リンク」の戦略が立てにくくなるのも、SEO上の大きな課題と言えるでしょう。
より専門的なSEO対策となると、ノーコードツールでは対応が難しくなってきます。
例えば、検索エンジンのクローラーに指示を出すrobots.txtファイルの詳細な設定ができないことが多いですし、Googleの検索結果で見やすく表示されるための「構造化データ」の追加も、ノーコードツールでは実装が難しいことがあります。
こうした点を踏まえると、本格的にSEOに取り組みたい場合は、ノーコードツールだけでは限界があると言わざるを得ません。しかし、ノーコードツールでできる工夫を積み重ねることで、ある程度はSEO対策ができるはずです。サイトの目的や規模に合わせて、適切なツールを選ぶことが大切だと言えるでしょう。
Wixは、初心者でも簡単にWebサイトを作成できる人気のツールです。
ドラッグ&ドロップでデザインを調整できたり、豊富なテンプレートが用意されていたりと、使いやすさが魅力です。
Wixは独自のシステムを使用しているため、一般的なSEO対策の手法が適用できないことがあります。例えば、URLの構造を自由に設定できなかったり、HTMLの構造を最適化しにくかったりします。
また、Wixで作られたサイトの多くの部分がJavaScriptで動作しているのも、SEOの観点からは注意が必要です。JavaScriptで動的に生成されるコンテンツは、検索エンジンが正しく理解できない可能性があります。
せっかく良いコンテンツを用意しても、検索結果に表示されにくくなってしまうかもしれません。
でも、だからといってWixが全くSEOに向いていないというわけではありません。Wixも年々SEO対策の機能を強化してきていますし、基本的なSEOの設定はできるようになっています。サイトの目的や規模に合わせて、Wixの長所を活かしつつ、SEOにも配慮していくことが大切ですね。
STUDIOは、クリエイティブなデザインを簡単に実現できるノーコードツールとして人気を集めています。ビジュアルエディタを使って、自由にレイアウトを組み立てられるのが魅力です。
STUDIOの弱みとしては、デザインテンプレートが固定的で、SEOに最適な構造に変更することが難しい場合があります。例えば、見出しタグの階層構造を適切に設定できなかったり、アクセシビリティに配慮したHTMLが生成されなかったりすることがあります。
STUDIOでコンテンツを更新する際には、エディタ上での操作が必要になります。これが、コンテンツの更新頻度に影響を与えることがあります。サイトの鮮度を維持するためには、定期的にコンテンツを更新することが重要ですが、更新作業に手間がかかると、なかなか頻繁に更新できないんですよね。
とはいえ、STUDIOにもSEO対策の機能はあります。例えば、各ページのタイトルやメタデータを設定したり、alt属性を追加したりすることができます。また、サイトマップの生成機能もあるので、検索エンジンにサイトの構造を伝えやすくなります。STUDIOの持つデザイン力を活かしつつ、SEOに必要な要素を適切に組み込んでいくことが大切だと言えるでしょう。
まず、各ページのタイトルとメタディスクリプションを適切に設定することが大切です。ページタイトルは、検索結果に表示される重要な要素。キーワードを含んだ、分かりやすいタイトルを付けましょう。
また、メタディスクリプションは、ページの概要を説明する文章です。検索結果ページで、タイトルの下に表示されるのがメタディスクリプション。ここにも、ページの内容を的確に表現する文章を書くことが大切です。
ほとんどのノーコードツールには、ページタイトルとメタディスクリプションを設定する機能があります。この機会を利用して、魅力的なタイトルと説明文を考えてみてください。
次に、画像にalt属性を付けることも忘れないようにしましょう。alt属性は、画像の代替テキストのことです。画像が表示されない環境でも、alt属性のテキストが表示されるので、ユーザーに画像の内容を伝えることができます。
でも、alt属性は、ユーザーだけでなく、検索エンジンにとっても重要な要素です。検索エンジンは、alt属性のテキストを読み取ることで、画像の内容を理解しようとします。だからこそ、画像の内容を的確に表現するalt属性を付けることが大切なのです。
ノーコードツールの中には、画像アップロード時にalt属性を設定できるものもあります。画像を追加する際は、必ずalt属性を設定する習慣を付けましょう。
サイト内の関連ページ同士を、リンクで結びつけることも大切です。これを内部リンクと呼びます。内部リンクを効果的に使うことで、ユーザーのサイト内回遊率を高めることができます。
また、内部リンクは、検索エンジンにとっても重要なシグナルになります。関連性の高いページ同士がリンクで結ばれていることで、検索エンジンはサイトの構造を理解しやすくなるのです。
ノーコードツールでも、テキストにリンクを追加する機能は基本的に備わっています。関連するページへのリンクを適切に張ることを心がけましょう。
サイトのコンテンツを定期的に更新することも、SEO対策には欠かせません。新しい情報を発信し続けることで、ユーザーに新鮮な印象を与えられるだけでなく、検索エンジンからの評価も高まります。
ブログ機能を備えたノーコードツールなら、記事を定期的に投稿することが可能です。お知らせやコラムなど、ユーザーが興味を持ちそうな情報を発信してみてください。
コンテンツ更新は、ノーコードツールに限らず、どんなサイトでも重要なSEO対策の一つ。サイトの鮮度を保つために、こまめな更新を心がけましょう。
WordPressは、世界中で最も人気のあるCMSの一つです。初心者でも比較的簡単に扱えるうえ、SEOに強い構造が最初から整っているのが大きな魅力です。
例えば、タイトルタグや見出しタグ、メタデータなどを適切に設定するためのフィールドが用意されています。また、ブログ記事を書く際には、URLを自由に設定できますし、被リンクを効率良く獲得する仕組みも備わっています。
さらに、WordPressには豊富なプラグインが用意されているので、SEOのための機能を後から追加することも簡単です。サイトの表示速度を最適化するためのプラグインもあるので、高速化対策も自由自在です。
ノーコードツールとWordPress、どちらを使うか迷う場合、二つを組み合わせるという方法あります。
例えば、メインのサイトはWordPressでしっかり作り込んで、SEO対策もバッチリ行います。 そして、ちょっと雰囲気を変えたいなとか、新しいキャンペーンを始めたいなという時には、ノーコードツールでランディングページを作ります。
こうすることで、メインサイトのSEO効果はそのままに、ノーコードツールの得意なデザイン性や使いやすさを最大限に活かすことができます。 特に、キャンペーンサイトのように頻繁に内容を変えたいページでは、この方法がとっても便利なのです。
サイトの規模や目的によっては、ノーコードツールでも十分にSEO対策ができる場合があります。例えば、個人のポートフォリオサイトや、小規模なビジネスのサイトなどです。
一方で、本格的なビジネスサイトを構築する場合は、WordPressなどのCMSを使うことをおすすめします。サイトの成長に合わせて、SEO対策を柔軟に強化していく必要があるからです。
また、ECサイトを作る場合は、ShopifyやMakeShopなどの専用プラットフォームの利用も検討してみましょう。これらのプラットフォームは、ECサイトに特化したSEO対策の機能を備えているので、効率的にサイトを最適化できます。
ノーコードツールは、プログラミングの知識がなくても、誰でも簡単にWebサイトを作成できるすばらしいサービスです。直感的な操作で、素敵なデザインのサイトを短時間で作り上げられるのは、魅力的です。
しかし、SEOを重視してWebサイトを運営していきたいのなら、ノーコードツールにはいくつかの課題があることを理解しておく必要があります。
本格的にSEOに取り組みたいのであれば、WordPressなどの代替案を検討することをおすすめします。WordPressは、SEOに強い構造が最初から整っていますし、プラグインを使ってさらに機能を拡張することもできます。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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