更新日: 2024.11.21
WEBサイトをユーザーが気持ちよく閲覧するためには、見た目の良さや使いやすさ(UI/UX)と、検索エンジンでの表示順位(SEO)の両方が欠かせません。これは車の運転に例えると、UI/UXはハンドルやアクセルの操作性、SEOは目的地までの最適な道順選びのようなものです。どちらが欠けても、効果的なWEBサイト運営は難しくなってしまいます。
この記事では、普段からWEBマーケティングに携わっているマーケター向けに、UI/UXとSEOの関係性について、できるだけ分かりやすく解説していきます。
目次
UI/UXとSEOについて、それぞれの基本的な意味から見ていきましょう。
UIとは「ユーザーインターフェース」の略で、WEBサイトの見た目や操作性のことを指します。例えば、ボタンの配置や文字の大きさ、色使いなどが該当します。
UXは「ユーザーエクスペリエンス」の略で、WEBサイトを使用したときの体験全般を意味します。
一方、SEOは「検索エンジン最適化」の略で、Googleなどの検索エンジンで上位に表示されるようにWEBサイトを改善する取り組みです。
これらは一見別々のものに見えますが、実は密接に関連しています。
例えば、見やすく使いやすいサイト(良いUI/UX)では、訪問者は長時間滞在し、様々なページを閲覧する傾向があります。この行動は、Googleにとって「このサイトは価値のある情報を提供している」という指針となり、検索順位の向上(SEOの改善)につながるのです。
Googleは、以前はキーワードの出現頻度や被リンク数など、技術的な要素を中心に評価していました。しかし、現在では実際のユーザーの行動データを重視するようになっています。これは、「人間にとって価値のあるサイトを上位表示したい」というGoogleの方針によるものです。
具体的には、ユーザーが検索結果からサイトをクリックし、すぐに「戻る」ボタンを押さずに長時間閲覧していれば、それは「良質なコンテンツを提供しているサイト」として評価されます。反対に、すぐに離脱してしまうサイトは、ユーザーの期待に応えられていないと判断され、順位が下がる可能性があります。
スマートフォンの普及により、ユーザーはより速いレスポンスを求めるようになっています。Googleの調査によると、ページの読み込みが3秒を超えると、53%のモバイルユーザーがサイトを離脱するとされています。
このため、画像の最適化やコードの軽量化など、表示速度を改善する取り組みは、UI/UXとSEOの両方にとって重要です。特に、モバイルでの表示速度は、2018年7月からGoogleの検索ランキング要因の一つとして正式に採用されています。
現在、インターネットトラフィックの過半数はモバイルデバイスからのアクセスです。そのため、スマートフォンでの閲覧に適したデザインは必須となっています。
モバイルフレンドリーなデザインとは、単にページが小さな画面で表示できるということではありません。文字サイズが読みやすい、ボタンが指で押しやすい、メニューが使いやすいなど、モバイルならではの操作性を考慮する必要があります。
WEBサイトのUI/UXを改善することで、SEO効果を高めることができます。ここでは、具体的な改善方法について説明していきます。
まず重要なのは、ユーザーの目的を理解することです。例えば、オンラインショップであれば、商品を見つけやすく、購入までの手順がシンプルであることが求められます。ニュースサイトであれば、記事を読みやすく、関連記事への導線が適切に配置されていることが重要です。
コンテンツの構造化は、人間とロボット(検索エンジン)の両方にとって重要です。見出しの適切な使用(h1、h2、h3など)は、文章の階層構造を明確にし、ユーザーが求める情報を素早く見つけられるようにします。
また、パンくずリストの実装も効果的です。これにより、ユーザーは現在地を把握しやすくなり、サイト内の回遊性が向上します。同時に、検索エンジンもサイトの構造を理解しやすくなります。
画像や動画は、ユーザーの理解を助け、滞在時間を延ばす効果があります。ただし、大きすぎるファイルサイズは読み込み速度を低下させ、逆効果となる可能性があります。
画像の最適化では、以下のような点に注意が必要です:
・適切なファイル形式の選択(JPG、PNG、WebPなど)
・画質と容量のバランス
・alt属性による適切な説明文の設定
・レスポンシブ対応(異なる画面サイズへの対応)
WEBサイトの改善を行う際は、UI/UXとSEOを別々の課題として考えるのではなく、総合的に捉えることが重要です。例えば、商品ページの改善を行う場合、「検索エンジン向けの対策」と「ユーザー向けの改善」を同時に考える必要があります。
具体的には、商品の詳細な説明文を追加する際、SEOの観点からは適切なキーワードを含める必要がありますが、同時にユーザーが読みやすい文章構成にすることも大切です。両者のバランスを取ることで、検索順位の向上と購買率の上昇という相乗効果が期待できます。
効果的な改善を行うためには、データに基づいた意思決定が欠かせません。Google アナリティクスなどのツールを使用することで、以下のような指標を確認できます。
・平均セッション時間:ユーザーがサイトに滞在する時間
・直帰率:1ページだけ見て離脱する割合
・ページビュー数:閲覧されたページの数
・コンバージョン率:目標達成(購入や問い合わせなど)の割合
これらの数値を継続的に監視し、改善を重ねることで、より効果的なウェブサイトを作ることができます。例えば、特定のページの直帰率が高い場合、そのページのデザインや内容を見直すことで、ユーザー満足度とSEO効果の両方を向上させることができます。
良質なコンテンツは、UI/UXとSEOの両方にとって重要な要素です。以下のポイントを意識してコンテンツを作成することをお勧めします。
・ユーザーの課題解決に焦点を当てた内容
・読みやすい文章構成とデザイン
・適切な情報量の提供
・信頼性の高い情報源の引用
・定期的な更新と改善
例えば、よくある質問(FAQ)ページを作成する場合、単に質問と回答を羅列するのではなく、カテゴリー分けを行い、検索機能を追加することで、ユーザビリティが向上します。同時に、これはGoogleの「ユーザーの意図に応える」という評価基準にも合致します。
UI/UXとSEOの関係性を理解し、両者を統合的に改善することは、現代のウェブマーケティングにおいて非常に重要です。以下のポイントを覚えておきましょう。
・良好なUI/UXは、結果としてSEO効果を高める
・ユーザーファーストの考え方が、両者の改善につながる
・データに基づいた継続的な改善が重要
・モバイルフレンドリーなデザインは必須
・質の高いコンテンツが基盤となる
これらの要素を総合的に考慮し、バランスの取れた改善を行うことで、持続的なWEBサイトの成長が期待できます。
現在デジタルマーケティングにおいてお悩みがある方や、
課題を感じているがどうしていいかわからない方向けに
無料でご相談会を実施しております。
まずは自社の現状を知り、可能な改善施策はどういったものがあるのか、
スケジュール、予算感はどのようなものなのか等も含めて
ご説明しますので、お気軽にご相談ください。
監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
セミナー
さらに学びたい方や、弊社のサービスについて知りたい方向けに通常セミナーや、時間を限定しないオンデマンドセミナーを用意しています。
開催セミナー一覧資料ダウンロード
デジタルマーケティングに関するお役立ち資料や、弊社サービス資料をダウンロードいただけます。
サービスの
お問い合わせ
センタードのサービスに関するご質問やお見積もり、ご発注など様々なお問い合わせはこちらからお気軽にお願いします。
お問い合わせフォーム