更新日: 2024.11.13
ウェブサイトを運営していると、「パンくずリスト」という言葉をよく耳にします。このパンくずリストは、サイトの使いやすさとSEO対策の両面で重要な要素となっています。今回は、パンくずリストについて初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
パンくずリストとは、ウェブサイト内でユーザーが現在いる位置を示すナビゲーション要素のことです。
名前の由来は童話「ヘンゼルとグレーテル」から来ています。
物語の中で、二人の子どもが森の中で道に迷わないように、パンくずを落としながら進んでいったことにちなんでいます。ウェブサイトでも同じように、ユーザーが「道に迷わない」ための道標として機能しているのです。
パンくずリストがウェブサイトにもたらす価値は大きく分けて二つあります。
一つ目は、ユーザビリティ(使いやすさ)の向上です。
ユーザーは現在閲覧しているページが、サイト全体のどの位置にあるのかを一目で理解することができます。
例えば、「ホーム > 商品カテゴリ > 衣類 > Tシャツ」というように表示されることで、自分がどの階層にいるのかが明確になります。
参考:ZOZOTOWN
また、パンくずリストにはリンクが設定されているため、上位階層のページへ簡単に移動することができます。これにより、ユーザーはストレスなくサイト内を回遊することが可能になります。
二つ目は、SEO(検索エンジン最適化)への効果です。パンくずリストは、サイトの構造を検索エンジンに明確に伝えることができます。さらに、適切な構造化データを実装することで、検索結果にパンくずリストが表示され、クリック率の向上にもつながります。
パンくずリストは主に3つのタイプに分類されます。
まず「ロケーションベース(階層型)」は、最も一般的なタイプで、サイトの階層構造をそのまま表示します。
次に「パスベース(履歴型)」は、ユーザーがたどってきた実際の経路を表示します。
最後に「アトリビュートベース(属性型)」は、商品の属性などに基づいて表示する方式です。
多くのサイトではロケーションベースのパンくずリストが採用されています。これは、サイト構造が明確で、ユーザーにとって理解しやすいためです。
パンくずリストの実装には、HTMLとCSSの基本的な知識が必要です。一般的な実装では、nav要素とol要素を組み合わせて使用します。以下は基本的なマークアップの例です:
“`html
<nav aria-label=”パンくずリスト”>
<ol>
<li><a href=”/”>ホーム</a></li>
<li><a href=”/category/”>カテゴリ</a></li>
<li>現在のページ</li>
</ol>
</nav>
“`
さらに、検索エンジンにサイト構造をより正確に伝えるために、JSON-LDという形式の構造化データを実装することをお勧めします。これにより、検索結果でパンくずリストが表示される可能性が高まります。
パンくずリストを実装する際は、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、区切り文字の選択です。一般的には「>」や「/」が使用されますが、デザインや可読性を考慮して選択します。
次に、リンクテキストは簡潔で分かりやすいものにしましょう。長すぎるテキストは見栄えが悪くなるだけでなく、モバイル表示時に問題を引き起こす可能性があります。また、現在表示しているページはリンクにしないようにします。これはユーザビリティの基本です。
モバイル対応も重要なポイントです。スマートフォンでの表示を考慮し、長いパンくずリストは適切に折り返されるようCSSで調整を行います。
パンくずリスト実装でよく見られる失敗として、階層が深すぎる構造があります。これは、パンくずリストが長くなりすぎて表示が崩れる原因となります。サイト設計の段階で、階層は3〜4段階程度に抑えることをお勧めします。
また、スマートフォン表示での文字サイズやスペースの調整が不適切なケースも多く見られます。レスポンシブデザインの実装時には、様々な画面サイズでの表示確認が必要です。
パンくずリストは、ユーザビリティの向上とSEO対策の両面で効果的なナビゲーション要素です。実装にあたっては、適切なマークアップと構造化データの設定、そしてモバイル対応に注意を払うことが重要です。また、サイト構造自体を分かりやすく設計することで、より効果的なパンくずリストを実現することができます。
初めは複雑に感じるかもしれませんが、基本的な実装方法を理解し、ユーザーの視点に立って改善を重ねていくことで、より使いやすいサイトを作ることができます。パンくずリストは、そのための重要な要素の一つなのです。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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