本当に意味のあるアクセス解析の方法

更新日: 2024.03.07

本当に意味のあるアクセス解析の方法

自社サイトを運営する上で、Googleアナリティクスなどを利用してアクセス数やCV率を見ることができるということはご存知かと思います。ですが、レポートに表示される数字を見ても、なぜそのような数字になるのか、どうすればサイト改善に活かせるのか、いまいちよく分からないといった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「Googleアナリティクスのどこを見たら良いか分からない」「何となく数字を見ているだけで、どう改善に活かせばよいかわからない」といった方に向けて、得られた数字をどのようにサイトの改善につなげていくのか、本当に意味のあるアクセス解析の方法をお伝えします。

なぜアクセス解析をするのか?

アクセス解析とは、サイトの来訪者などの数字を解析することを指します。似た言葉に「分析」がありますが、分析と解析は異なります。
分析は、どのような要素があるか細かく調べ、現状のデータを明確にするのに対し、解析は、なぜそのデータ(数字)になっているのか、その原因を探ることを言います。ただ漫然とアナリティクス数字の変遷やCV数を追っているのはアクセス「解析」とは言えません。

その前提の上で、本当に意味のある解析とは、数字の原因を探るだけでなく、原因から仮説を立て、結果を導き、実際の成果の改善に繋げることと考えています。

ビジネスである以上、サイトの改善、ひいてはビジネスの改善に繋げないと、どんなに解析をしても最終的には意味がない作業になってしまいます。
アクセス解析に使用されるツールはいくつかありますが、今回は、代表的なGoogleアナリティクスを使った事例をベースにお話ししていきます。

Googleアナリティクスを使った改善方法

では、アクセス解析をどのように成果の改善に繋げていくのでしょうか?
一つとして、「ゴールデンルートを見つけること」が挙げられます。

ゴールデンルートとは、CVユーザーがCVに至るまでに辿る道筋(接触するコンテンツ)のことを言います。いわゆるサイト内のカスタマージャーニーのようなものです。これを見つけることで、サイト内の導線改善に活用し、CV率向上を図ります。

例えば、あるサイトにおいて、セグメントを「CVした新規ユーザー」にして、ユーザーの行動フローを見てみましょう。


まず上図のように、TOPページに訪れたユーザーの中で、そのままお問合せを完了しているルートが存在しているとすると、既に申込を決めているユーザーが流入しているということが考えられます。
一方で、TOPページの次に、「料金シミュレーションページ」や「サービスページA」へ遷移しているルートも見受けられます。その場合は、お問合せを行う前に「料金シミュレーションページ」や「サービスページA」が閲覧されている確率が高いと言えます。
このことから、「料金シミュレーションページ」と「サービスページA」はユーザーのお問い合わせ率に寄与しているページであるということが考えられます。
そこで、サイトの様々なページから上記のページへと遷移できる導線を設置することでCV数向上につなげていく、といった案が考えられます。

アクセス解析は、このような導線改善のみならず、集客数の増加、リード育成等において必要な要素になります。 穴や伸び代がどこにあるのかを明確にすることで、各施策の優先順位を付けることができます。

また、サイトの目的により、成果が異なるため、ただ網羅的に数字を見るのではなく、サイト目的に沿って見るべき項目を決めましょう。

■コーポレート・サービスサイトなど、CV目的の場合
・全体のユーザーサマリーの数字
・(全体の数字と比較して)CVユーザーの数字を比較して、CVに寄与しているコンテンツを明確化する。
■ブランドサイトなど、認知・理解促進目的の場合
・全体のユーザーサマリーの数字
・特に「ページ/セッション」「滞在時間」で商品理解を把握する
■メディアサイトなど、PV目的の場合
・全体のユーザーサマリーの数字
・特に、 「訪問数」「PV」「新規/リピーターの割合」「ページ/セッション」でメディアとしての集客力を見る。

次に、CVユーザーとその他のユーザーでどれほど数字が違うのか見てみましょう。上図は、とあるサイトを全体ユーザーとCVユーザーセグメントで比較してみた場合の数字です。上段がCVユーザー、下段が全体ユーザーの数字を示しています。

この例だと、ユーザーのサイト上の行動を示す指標がCVしたユーザーはすべてのユーザーでは大きく異なっています。特に、CVしたユーザーはすべてのユーザーと比較してページ/セッションが約2.5倍多く、平均セッション時間が約3.6倍長いことが分かります。

このことから、CVしたユーザーはすべてのユーザーと比べて多くのページを閲覧しており、サイトに長時間滞在しているということが読み取れます。

レポートを見る際の注意点

実際に自社サイトのGoogleアナリティクスレポートを見ていく際に、特に注意したいのが「この数字だから良い/悪いと決めつけないこと」です。
例えば、下図はLPのユーザー概要データです。

上図の数字を見ると、「ページ/セッション」「平均セッション時間」「直帰率」の数値が極端に低く出ています。
しかし、LPは1枚ページのため、ユーザーのサイト上の行動を示す指標が低くなりがちであるため、この数字が一概に悪いとは言えません。

また、サイト種別によりサイトの目標が異なるため、数字の良し悪しの判断も異なってきます。例えば某携帯電話FAQサイトの場合、目標はいち早く、ユーザーの疑問を解決し離脱してもらうことなので、平均PV(ページ/セッション)が低い方が良いといえます。

他にも、サイトリニューアルで「ページ/セッション」が下がることがしばしばあります。ですが、これはユーザーが目的の情報に辿り着きやすくなった可能性が十分あるため、数字が下がったことは一概に悪いとはいえません。

競合調査について

ここまで自社サイトの数字や改善のお話しをして参りました。では、競合他社のサイトパフォーマンスは把握できないのでしょうか?
結論として、Googleアナリティクスではほとんど見ることはできませんが、「Dockpit」など、他のツールを使って把握することは可能です。
Googleアナリティクス以外にもツールやサービスを利用し、自社の現状把握だけでなく、競合他社の現状も見ることで、より効果的なサイトの成果改善に繋げていきましょう。

まとめ

アクセス解析は、サイト改善に繋げないと意味を持ちません。サイト改善の最終的な目標にはCV率アップやユーザビリティの向上等があり 、さらにそのためにGoogleアナリティクスで見るべき指標・数字感などは、自社サイトの種別・目的により異なります。

それを踏まえたうえで、なぜその数字になっているのかを深掘りし、施策の前後で数字が良くなっているか、確認しましょう。また、自社だけでなく競合調査ツールも駆使してライバルに差を付けることで、よりCV率向上に効果的なサイト改善を行っていきましょう。

いかがでしたでしょうか?皆さんにとって有用なコンテンツとなっていれば嬉しいです。

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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