【初心者向け】リスティング広告とは?基本の仕組みや費用・やり方まで解説

更新日: 2024.04.25

【初心者向け】リスティング広告とは?基礎知識から成果を出すポイントまで解説
「リスティング広告でWEBサイトへの集客を行いたいけど、そもそもどんな広告か分からない…」
「リスティング広告の特徴を知りたい!」

上記に挙げたお悩みを抱えている方は少なく無いと思います。

そこで本記事では上記のお悩みを解決するべく、リスティング広告の基本事項から利用するメリット・デメリットなど詳しく解説していきます。リスティング広告の利用を検討している方、理解を深めたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

目次

リスティング広告とは?

リスティング広告とは?

リスティング広告とは、Google・Yahoo!などの検索結果画面に表示されるテキスト広告です。PPC(Pay Per Click)や検索連動型広告とも呼ばれています。

表示された広告が1回クリックされるごとに課金される仕組みで、検索されたキーワードに関連する商品やサービスに興味関心があるユーザーへアプローチできるのが特徴です。

たとえばGoogle検索で「東京 英会話」と検索すると、下記画像の赤枠部分のようなリスティング広告が表示されます。
広告の仕様
リスティング広告は通常の検索結果(オーガニック検索)と区別するために、見出し文の左側に「広告」(または「スポンサー」)というマークが付いています。通常の検索結果よりも上部に表示されるため、ユーザーが検索した際に一番上に見える部分に広告を設置できる点が特徴です。
リスティング広告の別名称としてサーチキーワード、検索連動型、ペイドリスティングなどがあります。ただし、これらは全て同じリスティング広告という括りです。名称が違うのみで、広告としての機能に違いはないので混同しないよう注意してください。

リスティング広告が掲載される媒体の種類について

リスティング広告の媒体としては「Google」「Yahoo!」がメインになります。日本における9割以上のユーザーがGoogle・Yahoo!の2つの検索エンジンを使用しています。そのため、リスティング広告を運用する場合は、Google・Yahoo!のいずれかの媒体を利用するのがおすすめです。ただし、Google・Yahoo!の検索エンジンには、それぞれ特徴があります。各検索エンジンの特徴は下記の通りです。

<Googleの特徴>
・20代~30代のユーザーが比較的多い
・スマホユーザーが多い
・検索エンジンにおける利用シェアNo.1

<Yahoo!の特徴>
・40代~50代のユーザーが比較的多い
・日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」からの流入が期待できる

Googleの場合は、20代~30代のユーザーが比較的多いです。またAndroidスマホにGoogleが標準搭載されていることもあり、スマホユーザーが多い点もGoogleの特徴になります。若いユーザーで、かつスマホ利用者をターゲットに広告配信したい際にGoogleは特におすすめです。

これに対してYahoo!のユーザーは40代〜50代が比較的多いです。これは現在の40代〜50代が若い時に利用していた検索エンジンがYahoo!である点が背景にあります。40代以上の年齢層をターゲットに広告配信したい際はYahoo!の方が良いでしょう。またYahoo!では日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営しています。Yahoo! JAPANのトップページにYahoo!に検索エンジンが搭載されているので、Yahoo! JAPANからのユーザー流入も狙いやすいです。

また、近年ではMicrosoft社が運営するbingに関してもシェアが国内にて多少の上昇傾向があるため、上記で成果が上限に達した場合に検討するとよいでしょう。

理解必須の基本用語

リスティング広告を理解し運用していくためには専門用語の理解が必要です。
まずは基本的な7つの専門用語を理解しましょう。

Impression

広告が表示された回数。リスティング広告では検索結果画面に広告が表示された回数のことを指します。

Click

広告がクリックされた回数。

CTR(Click Through Rate)

クリック率を表す。広告が表示された回数に対してクリックされた割合のことで以下の計算式で算出されます。

クリック数÷表示回数(Impression)=CTR

CPC(Cost Per Click)

クリック単価を表す。1クリックに対してどの程度の費用が発生しているのかを把握するための指標で以下の計算式で算出されます。
費用÷クリック数=CPC

CV(コンバージョン)

目標として設定しているゴール、成果のこと。お問合せや資料ダウンロードなど、成果となる指標は広告主によって様々なものがあります。

CVR(コンバージョンRate)

コンバージョン率を表す。広告がクリックされた回数に対してCVが発生した割合のことで以下の計算式で算出されます。
CV数÷クリック数=CVR

CPA(Cost Per Action)

獲得単価を表す。1件のCVを獲得するのにかかった費用のこと。以下の計算式で算出されます。
費用÷CV数=CPA

専門用語の理解が進むと、各指標を読み解くことでわかる気づきが多くなり広告運用改善の第一歩になります。

覚えるのが苦手な方は用語として捉えるのではなく、概念として捉える事で意味を理解しながら覚えていきましょう。

メリット・デメリット

リスティング広告のメリット・デメリット

リスティング広告にはメリット・デメリットがそれぞれ存在します。

<メリット>
・キーワードに対して入札できる
・興味関心や悩みの強い人たちに広告を配信できる
・低予算で広告を出稿できる
・PDCAサイクルが回りやすい(分析・改善がしやすい)

<デメリット>
・潜在層へのアプローチには向かない(認知拡大には不向き)
・キーワードによってはクリック単価が高い
・避けられてしまう可能性がある

それぞれ詳しく見ていきます。

メリット①:キーワードに対して入札できる

リスティング広告は表示するキーワードに対して入札できます。たとえば「横浜 英会話」という検索キーワードが検索された際に広告を表示したい場合、「横浜 英会話」のキーワードに対してのみ広告枠を入札可能です。

配信したいキーワードに絞って入札できる分、広告費も節約しやすいです。費用対効果の高い広告運用を行いたい場合にリスティング広告は最適といえるでしょう。

メリット②:興味関心や悩みの強い人たちに広告を配信できる

リスティング広告は商品・サービスに興味・関心が強い人、また悩みを抱えている人たちにも広告を配信可能です。リスティング広告には「ターゲティング機能」と呼ばれる配信機能が搭載されています。

ターゲティング機能では各種興味・関心の項目やユーザーの年齢・職業・住居などの基本情報などを設定して広告配信先の設定を行えます。ターゲティング機能を活用することで商品・サービスのターゲット層に合わせてダイレクトに広告を配信可能です。無造作に広告配信するよりも、広告内容に興味・関心を抱いてくれやすいユーザーに広告配信した方が広告効果を高めやすいですね。

メリット③:低予算で広告を出稿できる

リスティング広告のメリットとして、低予算で広告出稿できる点も挙げられます。月額で数千円〜数万円ほどの予算でも広告出稿できるので、広告予算が限られている場合でも無理なく広告運用が可能です。

リスティング広告の予算は広告主が自由に設定できます。1日単位で予算設定することもできるので、広告予算の分配も行いやすいです。期間ごとに広告予算を多くかけて配信頻度を増やすことも可能です。

メディアや雑誌への広告出稿の場合だと、月額数十万円〜数百万円以上の広告費がかかるケースが多いですが、リスティング広告であれば広告費を抑えてプロモーションできます。広告運用の費用対効果という面でもリスティング広告は優秀であるといえるでしょう。

メリット④:PDCAサイクルが回りやすい(分析・改善がしやすい)

リスティング広告はPDCAサイクルを回しやすい(分析・改善がしやすい)点もメリットです。

リスティング広告の運用効果はリアルタイムで確認できます。このため早いサイクルで分析・改善を実施可能です。

広告配信の期間も自由に決められるので、運用サイクルを無理なく設定できる点もリスティング広告の強みといえるでしょう。

デメリット①:潜在層へのアプローチには向かない(認知拡大には不向き)

リスティング広告のデメリットとして、潜在層へのアプローチには向かない(認知拡大には不向き)点が挙げられます。

検索ユーザーはキーワードに関連する何らかの顕在的ニーズを抱えている可能性が高いです。たとえば「東京 広告代理店」というキーワードを検索したユーザーは「東京の広告代理店」について知りたい可能性が高いでしょう。これに対して潜在的なニーズを抱えているユーザーは、検索エンジンで関連情報を探す可能性が低いです。このため潜在層へアプローチしたい際はリスティング広告だと費用対効果が悪くなります。

デメリット②:キーワードによってはクリック単価が高い

リスティング広告を配信するキーワードによってはクリック単価が高くなります。たとえば「プログラミングスクール」というキーワードで検索をかけると、プログラミングスクールの広告が多く出てきます。掲載される広告数が多いキーワードはクリック単価が高いと考えられます。

クリック単価の相場を知りたい場合は、Google広告の管理画面に表示されている「Googleキーワードプランナー」を利用しましょう。Googleキーワードプランナーを利用することで、キーワードごとの平均クリック単価を把握可能です。

Googleキーワードプランナーの利用手順は下記の通りです。

①Google広告の管理画面を開き、右上の「ツールと設定」をクリック

キーワードプランナーの使用手順

②展開されたタブの中から「プランニング」をクリックして、表示された「キーワードプランナー」をクリックする

キーワードプランナーの使用手順

③右側に表示された「検索ボリュームと予測のデータを確認する」をクリックする

キーワードプランナーの使用手順

④クリック単価を確認したいキーワードを検索欄に入力して「開始する」のボタンをクリックする

キーワードプランナーの使用手順

⑤入力したキーワードのクリック単価の予測数値が表示される

キーワードプランナーを利用するためにはGoogle広告のアカウントが必要になります。キーワードプランナーを利用したい際は、事前にGoogle広告のアカウントを開設しておきましょう。

デメリット③:避けられてしまう可能性がある

リスティング広告が避けられてしまう可能性もゼロではありません。ユーザーの中には広告に対して嫌悪感を抱く人も少なからず存在します。広告配信によって、商品・サービスの印象が悪くなってしまうリスクも生じるでしょう。

ただ一定数のユーザーに避けられてしまうのは仕方がない部分もあります。ユーザーに嫌悪感を抱かれないためにも、広告期間の調整や誇大な宣伝表現を控えるなど、可能な限り商品・サービスの広告色を抑えていきましょう。

 

 

広告の費用・予算について

リスティング広告の仕組みリスティング広告は、広告主が特定のキーワードに関連するユーザーの検索意図に対応した広告を効果的に表示し、ターゲットとなるオーディエンスにリーチすることができるため、コンバージョン獲得を目的とした広告配信に効果的です。

そのリスティング広告の課金方法や広告が表示される形式について、以下では詳細に解説していきます。

リスティング広告の課金方法

リスティング広告の課金方式はクリック課金となります。

クリック課金は、広告がクリックされた場合にのみ広告主が料金を支払う課金方法です。つまり、広告が表示されるだけでは費用が発生せず、実際にユーザーが広告をクリックした際にのみ料金が発生します。

広告がクリックされた場合にのみ支払いが発生することから、広告主は広告が実際にユーザーによって見られた場合にのみ広告費用を支払います。そのため、コンバージョン獲得を追求する広告配信に適した課金方式と言えます。

リスティング広告の費用に関してより詳しく知りたい方は、「リスティング広告の費用及び相場と運用金額のポイントについて解説」も併せてご覧ください。

リスティング広告の表示形式

リスティング広告の表示形式は、一般的にオークション方式が採用されています。

オークション方式では、広告主が特定のキーワードに関連した広告を掲載するために入札を行い、掲載順位を決める指標である「広告ランク」が最も高い広告が表示される仕組みとなっています。

リスティング広告のオークションはユーザーが検索行動を行う度に行われ、広告の表示順位はその都度競合状況に応じて変化します。このため、同じキーワードに対しても時間帯や地域によって広告の掲載順位が異なることがあります。

リスティング広告の掲載順位

リスティング広告の掲載順位リスティング広告の掲載順位が高くなると、広告がより多くのユーザーに表示され、クリックされる可能性が高まります。しかし、その掲載順位は単純なランダムではなく、広告媒体独自のアルゴリズムに基づいて決定されます。

リスティング広告の掲載順位の決まり方や掲載順位の上げ方について、詳しく説明していきます。

掲載順位の決まり方

リスティング広告の掲載順位は、先述した通り「広告ランク」によって決定します。
※Yahooでは「オークションランク」の名称で同様の指標があります。この記事では、Googleでの名称をメインに解説していきますが、掲載順位が決まる仕組みとしては同様となります。

広告ランクとは、「広告が検索結果に掲載されるかどうか」、そして掲載される場合には「どの位置に表示されるか」を決定するための指標です。

広告ランクのスコアは主に「入札単価」「品質スコア」に基づいて決定されます。

・入札単価
広告主が特定のキーワードに対して設定する1クリックあたりのクリック単価です。入札額が高いほど広告ランクにプラスの影響を与えます。
・品質スコア
広告やキーワード、ランディングページの品質を表す指標です。品質スコアが高くなるほど、広告ランクにプラスの影響を与えます。

また、広告媒体は常に質の高い広告を掲載するため、表示される広告が満たすべき最低限の基準を定めています。そのため、広告ランクが下限値未満になると、広告は検索結果に表示されなくなります。具体的な下限値は、検索クエリや競合状況によって異なります。

広告主は広告の品質スコアや入札額を向上させることで広告ランクを高め、広告が表示される機会を増やすよう努力する必要があります。

掲載順位を上げるには?

入札単価の引き上げは掲載順位を上げるために即効性のある方法ですが、掲載順位決定には品質スコアも考慮されるため、単純に入札額を上げるだけでは十分ではありません。

品質スコアを改善することで、入札単価を抑えた広告配信を行うことも可能です。品質スコアは、「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3要素で構成されているため、それぞれの要素を改善するには、以下の方法が効果的です。

推定クリック率

広告のメッセージやコンテンツが、ターゲットとなるユーザーのニーズや関心に合ったものであるか確認しましょう。ユーザーが広告を見た際に、自分のニーズに関連する情報や提案が表示されることで、クリック率が高まります。

広告の関連性

入稿キーワードを広告見出しや説明文に適切に使用しましょう。キーワードが広告内で自然に組み込まれていることで関連性が高まります。

ランディングページの利便性

広告文とランディングページの内容が一貫しており、ユーザーが広告をクリックしてランディングページに遷移した際に、ユーザーが求めている情報やサービスを提供していることが重要です。

また、ランディングページの読み込み速度やモバイルフレンドリーなど、UI/UXを向上させる要素を改善しましょう。

SEOとの違い

リスティング広告とSEOの違い

SEOとの違い

リスティング広告とSEOの違いは、主に下記の点になります。

・検索結果へ表示される仕組み
・メディア(コンテンツ拡充)の必要性
・上位表示までの必要期間・労力

SEOでは検索エンジンのアルゴリズムに評価されたサイトが上位に表示されます。他サイトからの被リンクを多く獲得しているサイト、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを継続的に発信しているサイトなどが上位に表示されやすいです。そのためSEOで上位表示を実現するためには半年〜1年以上の期間がかかるのが一般的です。

リスティング広告の場合、広告費さえ支払えばメディア拡充を進めなくてもすぐに上位表示を実現できます。短期間で検索結果の上位に表示させたい場合は、リスティング広告の方が向いているといえるでしょう。

リスティング広告と組み合わせると効果的

SEOとリスティング広告はそれぞれ異なる利点とアプローチをもつため、組み合わせることで相乗効果を生み出すことができます。

SEOとリスティング広告を併用するメリットとしては下記が考えられます。

トラフィックの増加

リスティング広告はトラフィックを増やすために即時性がある手法ですが、広告の掲載が停止されるとトラフィックも減少します。一方、SEOは成果が出るまでに時間がかかる場合がありますが、一度掲載順位が上がると持続的なトラフィック源となります。

トラフィックが安定する

Googleは定期的なアルゴリズムのアップデートを行い、検索結果の順位付けに関するユーザビリティの向上を目指しています。そのため、SEOだけに注力している場合、急なアップデートによってウェブサイトの順位が下落する可能性があります。

リスティング広告についても、競合が配信を強めることで入札単価が高騰するなど、外部要因の影響を受けて成果が悪化するケースが見られます。

単一のトラフィック源に依存せず、SEOとリスティング広告を併用することでリスクを分散させることで、安定したトラフィックを担保することができます。

効果的なキーワード選定

リスティング広告のデータを活用すれば、短期間でユーザーのニーズや反応を把握することができます。その情報をもとにニーズのあるキーワードやコンテンツを選定することで、より効果的なSEO施策を展開することが可能です。

SEOとリスティング広告の違いについては、「SEOとリスティング広告の違いは?リスティング広告を選ぶ理由」もご参照ください。

リスティング広告が向いている・向いていないケース

リスティング広告に適している場合」リスティング広告が向いているケース・向いていないケースについてそれぞれ確認しましょう。向いている・向いていないケースの具体例は下記の通りです。

<向いている>
・検索ニーズが明確である
・検索エンジンのユーザー層を狙う
・競合他社がリスティングを出稿している

<向いていない>
・ニーズが明確でない
・画像・動画の活用が向いている
・認知拡大が目的

向いているケース①:検索ニーズが明確である

リスティング広告の利用が向いているケースとして、検索ニーズが明確であるケースが挙げられます。

ユーザーのニーズが顕在化していれば、広告の訴求効果を効率よく高めやすいです。広告に対するユーザーの反応を高めることで、広告の費用対効果の向上にも繋げられるでしょう。

向いているケース②:検索エンジンのユーザー層を狙う

Google・Yahoo!など検索エンジンのユーザー層を狙う際にもリスティング広告はおすすめです。

特に20代〜30代のネット利用に慣れているユーザー層は検索エンジンを頻繁に使用します。このため雑誌広告や看板広告など実物の広告を使うよりも効果的です。

向いているケース③:競合他社がリスティングを出稿している

競合他社がリスティングを出稿している場合もリスティング広告の利用がおすすめです。競合他社がリスティングを出稿するということは、それだけリスティング広告によって獲得できる利益が大きいと推測できます。

特に多数の競合他社がリスティング広告を利用している場合は、利益獲得の可能性が高いです。自社でリスティング広告を運用する前に、競合他社がリスティング広告を出稿しているかどうか確認しておきましょう。

向いていないケース①:ニーズが明確でない

リスティング広告の利用が向いていないケースとして、ターゲットユーザーのニーズが明確でないケースが挙げられます。

ユーザーのニーズが顕在化していないと、検索エンジンでキーワード検索する可能性が低いです。ニーズが顕在化していないユーザーをターゲットにする場合は、ディスプレイ広告などキーワード検索に左右されないWEB広告を利用しましょう。

向いていないケース②:画像・動画の活用が向いている

画像・動画の活用が向いている場合もリスティング広告は不向きです。

リスティング広告でも一部画像を表示できますが、テキストが占める部分と比べると画像部分は一部にとどまります。バナーを活用したい際は、SNS広告・ディスプレイ広告など画像・動画掲載に対応した広告媒体を活用しましょう。

向いていないケース③:認知拡大が目的

認知拡大が目的の場合も向いていません。リスティング広告は対象のキーワード以外では広告が配信されません。

このため広告を不特定多数のユーザーに対して配信したい場合だと、リスティング広告では十分な効果が得られない可能性があります。認知拡大を目的に広告配信したい際は、リスティング広告以外のWEB広告を利用した方が良いです。

下記の記事も合わせてお読みください

リスティング広告の配信方法

リスティング広告の内製・外注リスティング広告を配信する場合には、「内製」または「外注」という2つの選択肢があります。

広告運用の内製・外注については、良し悪しを一概に判断することはできません。それぞれの特徴を理解した上で、自社の状況や目的にあった方法を選択する事が重要です。下記で詳しく解説していきます。

また、配信方法を決めるための判断基準についてより詳しく知りたい方は、「WEB広告の運用は内製?外注?それぞれのメリット・デメリットを徹底解説!」のセミナーも合わせてご覧ください。

内製で配信する場合

内製でリスティング広告を配信する場合、社内のマーケティングチームや広告運用チームが広告アカウントの設計、運用、最適化を行っていくことになります。そのため、自社の状況やリソースを把握した上で、目標に合わせて適切な判断を行うことが重要です。

リスティング広告を内製する場合のメリット・デメリットは下記の通りです。内製での配信を検討する際は、ぜひ参考にしてください。

メリット

・企業独自の知識やブランド理解を活かせる
・運用代行費をかからないため、広告コストを節約できる

デメリット

・成果を出すには専門知識と運用経験が必要
・時間とリソースの負担が大きい
・トレンドの移り変わりや広告媒体の仕様変更など変化が早いため、常に情報のキャッチアップが必要

広告代理店に外注する場合

「リスティング広告を始めたいが内製を行う体制が整っていない」という場合は、外部の広告代理店に広告運用業務を外注することも選択肢の一つです。

ただし、外注する際には、外注先の信頼性や実績、サービスの提供内容などを検討する必要があります。また、コミュニケーションや連携がスムーズに行えるかどうかも重要です。適切なタイミングでの報告や相談、問題解決ができるかどうかを確認しましょう。

広告運用を外注するメリットとデメリットを考慮したうえで、企業のニーズや目標に合った最適な外注先を選定しましょう。

メリット

・専門知識と運用経験を活用し、効果の高い広告運用を行う
・最新情報のキャッチアップが早い
・運用事例やノウハウを活かした運用を行う
・社内リソースの削減

デメリット

・運用代行手数料がかかる
・外注先によっては対応スピードが遅い場合がある
・最低契約期間や最低出稿金額が設定されている場合がある

リスティング広告配信の始め方

リスティング広告を配信するまでの流れは大まかに下記のようになります。

WEB広告は審査が完了すればすぐに広告配信をスタートすることができるため、スムーズに進めばアカウント解説から配信開始まで1日で行うことも可能です。

ただし、リスティング広告で成果を出すには配信条件や広告文・キーワード作成など思考する工程に時間をかけることが重要です。

リスティング広告の配信開始までの詳しい流れについて下記で説明していきますので、流れを把握した上で余裕を持って準備を進めましょう。

この項目では広告管理画面へ入稿する前段階で必要な設計を解説します。

①検索キーワード設計

検索キーワードはユーザーがどのようなキーワードで検索したときに広告を表示させるかという、リスティング広告において非常に重要な要素です。

商品やサービスに関連する検索キーワードを設定することはもちろんですが、「メイン」と「サブ」の2軸から設計することで網羅的な設計が出来ます。

例えば、あなたがWEBサイトの制作会社でお問合せの獲得を目的としている場合、メインは「WEBサイト」、サブは「制作、外注、費用、実績、効果」などの軸を中心に細かいサブキーワードを抽出し、最終的に「WEBサイト 制作」や「WEBサイト 費用」などのキーワード群を設計する運びとなります
いきなり広告管理画面に入力するのではなく、Excelやスプレッドシートなどで設計すると追加修正が楽になります。

②キャンペーン、広告グループ設計

検索キーワード設計が完了後は出来上がったキーワード群をキャンペーン、広告グループ別に分類していきます。
最終的には広告管理画面上で設定することになりますが、関係者間で確認し把握出来るよう表にまとめておきましょう。
すでに設計したキーワード群を入れ子構造にするだけですので、難しい作業は発生しません。
予め分類しておくことで広告文設計がしやすい環境を整えておきます。

③広告文設計

広告グループ別に広告文を設計します。
キーワード群ごとにユーザーのニーズは異なりますので、広告文で訴求する切り口が変わる点に注意しましょう。
広告文はタイトルと説明文から構成され、最近ではレスポンシブ検索広告と呼ばれる手法が主流になっています。
レスポンシブ検索広告とは複数のタイトルと複数の説明文をまとめて入稿し配信することで、自動的に効率の良い組み合わせの広告セット(タイトル+説明文)を配信できる手法です。

実際の表のサンプル

実際の表のサンプル

また、より詳しく知りたい方は、「リスティング広告の運用の流れと、実施時に成果を高めるためのポイントについて」も併せてご覧ください。

広告出稿する媒体の選定

商品やサービスのターゲット層に合わせて広告媒体を決定します。
リスティング広告では主に、GoogleやYahoo!へ出稿することになります。

GoogleとYahooのロゴ

アカウントを開設する

広告を出稿する媒体にて、広告アカウントを開設します。
Google広告の場合はGoogleアカウントが必要で、下記情報の入力が求められます。
・タイムゾーン
・請求先住所の国
・通貨

アカウント構築

リスティング広告は複数の階層で構成されているため、階層ごとにグループ分けをすることで管理しやすく、効果的なリスティング広告を配信することができます。

アカウント構成

キャンペーンを作成する

アカウント構成をもとに、まずはキャンペーンを作成します。
キャンペーンの目標やキャンペーンタイプ、1日の予算、入札戦略などを設定します。

広告グループを作成する

広告グループを作成したいキャンペーンの配下に広告グループを作成します。
広告グループを作成したら、次に内包される広告やキーワードを作成していきます。

キーワードの選定・設定

リスティング広告を掲載するキーワードを作成し、設定します。
商品やサービスのターゲットが検索するであろうキーワードを推測する必要があります。

広告文の作成・設定

リスティング広告で実際に掲載される広告文を作成します。
広告文は、基本的に「タイトル」「説明文」「パス」から構成されています。

広告文の例

広告文の入稿

広告文を入稿すると、自動的に広告媒体側からの審査が始まります。
広告媒体によってそれぞれガイドラインが定められており、広告文や遷移先がそのガイドラインに沿っていると認められる必要があります。

広告出稿

広告文の審査が終われば、いつでも広告出稿することができます。
管理画面で広告のステータスを「有効」にすることで広告配信が始まります。

効果検証・改善

広告の配信が始まると、管理画面にて表示回数やクリック率など配信の成果をリアルタイムで確認することができます。
このデータを分析して、「今後どのような広告を配信していくのか」「どうすれば効率よく広告配信できるか」を考え、PDCAを回していくことになります。

 

 

成功のポイント

リスティング広告を成功させるポイント次にリスティング広告運用を成功させるポイントについて、下記の5つを取り上げて詳しく解説していきます。

・リスティング広告で狙うべきターゲット層を理解する
・競合他社が入稿していないキーワードを探す(自社と競合のマーケット状況理解)
・ユーザーを引き付ける広告文の作成
・除外キーワードの設定
・PDCAサイクルを回す

一つずつ詳しく解説していきます。

リスティング広告で狙うべきターゲット層を理解する

前提として、上記でも解説した通りリスティング広告では実際に検索しているユーザーに向けて広告を表示します。
すなわち、検索行動を行っているほどに関心度の高い「顕在層」「準顕在層」に向けてアプローチができます。

リスティング広告で狙うターゲット層

※弊社サービスページより引用

上記のようなリスティング広告が媒体として持つ特徴によって関心度の高いキーワードを設定することで、短期間で問い合わせ数を増加させることができます。
「顕在層」「準顕在層」へのアプローチ方法であることを理解した上で、日々の運用を行っていく必要があります。

ユーザー行動売買別でのリスティング広告運用の効果を最大発揮するポイント

※弊社サービスページより引用

競合他社が入稿していないキーワードを探す

リスティング運用で成功するためには他社が広告を出稿してない、もしくは広告出稿が少ないワードを探す必要があります。

競合が少ないキーワードでは、広告のクリック単価を抑えて配信頻度を確保しやすいです。自社と競合のマーケット状況を理解して「自社のターゲットユーザーが検索するキーワード」と「他社が入稿していないキーワード」を満たす検索キーワードを抽出していきましょう。

ユーザーを引き付ける広告文の作成

ユーザーを引き付ける広告文の作成も重要になります。

ユーザーが広告文を見た際に、如何に広告内容に興味・関心を持ってもらえるかが広告クリックの分かれ目です。簡潔な表現で広告文を作成するのがポイントになります。期間ごとに広告文を変更して、ユーザーの反応を分析するのもおすすめです。

除外キーワードの設定

リスティング広告では特定の検索キーワードで広告を表示しない除外キーワード」の設定ができます。

除外キーワードを設定することで広告配信先のユーザーをよりピンポイントに絞ることが可能です。自社商品・サービスのターゲットユーザーに合わせて、除外キーワードも合わせて設定しておきましょう。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルを回していくことも重要なポイントの一つです。リスティング広告は感覚的に運用しても中々成果が出にくいです。

クリック単価、ターゲットユーザー、配信期間などを明確にした上で広告運用を進める必要があります。また広告運用の進捗・結果を分析して改善点を見つけていくことも重要です。

リスティング広告の注意点

リスティング広告の注意点リスティング広告は確度の高いユーザーにアプローチできる効果的な広告手法ですが、配信を行う際に注意しなければいけないポイントがいくつかあります。

リスティング広告で成果を最大化するために、下記の点に注意を払って広告配信を行いましょう。

媒体の入稿規定を理解する

広告主とユーザーにとってより良い広告配信を提供するために、各広告媒体では広告の内容や形式に関する規定やガイドラインが決められています。

媒体によって細かい規定の違いはありますが、一般的には以下のような項目の入稿規定が決められています。規定に沿った広告を作成することで、審査をスムーズに通過させることができますので、広告配信を検討している方は事前に確認しましょう。

・広告フォーマット
・使用できる文字や表現の制限
・広告遷移先の規定
・法令や規制への遵守
・不実表示

広告媒体のガイドラインについてより詳しく確認したい方は、下記の媒体公式ページも併せてご確認ください。
Google広告:https://support.google.com/adspolicy/
Yahoo!広告:https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000044816?language=ja

商標登録されているキーワードに注意

一部のキーワードは商標登録されており、その商標を含む広告文やキーワードの使用は制限される場合があります。商標は特定の商品やサービスを識別するための標識であり、他者が無断で商標を使用することは商標権者の権利を侵害する可能性があります。

広告を作成する際には、商標登録されているキーワードを避けるか、商標権者から許可を得て使用する必要がありますので注意しましょう。

効果測定のためのタグ設定を正しく行う

広告の遷移先に正しくタグを設置することで、トラフィックやコンバージョンなどのデータを収集し、広告の効果を正しく評価することができます。

タグ設定のミスなどから誤ったデータを計測していた場合は、適切な施策や戦略の改善を行うことが難しくなります。そのため、タグ設置を行った後は正しくタグが機能しているかをテストを行い、計測ミスが起らないように注意しましょう。

まとめ

リスティング広告は、WEB上でターゲットユーザーを獲得するために効果的なマーケティング施策の一つです。

ただし、リスティング広告の効果最大化のためには、「慎重な戦略立案」「継続的なPDCAの遂行」が必要となります。

広告の媒体選定からアカウント構築・キーワード選定・広告文の作成・予算管理・競合分析・効果検証など様々な要素を考慮し、綿密な計画を立てることが成功への近道です。

リスティング広告を検討する際の参考となれば幸いです。

弊社では、リスティング広告についてのセミナーも開催しておりますので、「リスティング広告を始める前に押さえておきたい基礎知識」も併せてご覧ください!

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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