事例紹介 | 家具レンタル商材のWEB広告運用

公開日: 2024.03.27

今回は、家具のレンタル商材における広告運用の事例をもとにWEB広告を行う上でのポイントや改善施策をご紹介します。
数あるWEB集客の施策の中でも当商材は、どんな配信面、または誰に向けて配信するのが売上アップにつながるかなど詳しく解説していきます。

広告配信前の抑えておくべきポイントについて

商材の概要

今回の事例における企業の主な事業内容としては家具レンタルとなり、企業がイベントや総会、パーティーなどが催される際に椅子やソファ、テーブルなどのレンタルを行うことです。ここにおけるターゲットは主にBtoBとなります。

目的

当商材のWEB広告を配信するにあたって、下記を目的として広告配信を行いました。
カタログ請求の増加
見込み顧客からの受注数増加

ここで重要となるのは、ただカタログ請求を増加させるだけではなく、カタログ請求をしたユーザーに対して企業の社内担当者が後日連絡を取ることで、潜在層から見込み顧客へと繋いでいくことがあげられます。

配信媒体の選定

今回は、家具レンタルについて積極的に調べている、申込み意欲の高いユーザー(顕在層・準顕在層)をターゲットとしていること、またBtoB商材にも十分な配信ボリュームが担保できる媒体で行うべく、リスティング広告を選定しました。
他にも広告予算やユーザー属性にもよりますが、BtoB商材に比較的強いとされるFacebook広告やMicrosoft広告での配信も比較的相性が良いと言われています。

広告媒体の選び方について詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。

リスティング広告のキーワード選定について

次の項目では、実際にどんなキーワードで広告配信を行ったか見てみましょう。

指名系

指名系キーワードとは、特定のブランド名や製品名など、直接的に企業やそのサービス名などの固有名詞を指します。

指名系キーワードについては、下記の記事もおすすめです。

 

指名系のキーワードに広告を表示させることによって、広告表示の機会損失、また競合他社が出す広告への流入を防止することが出来ます。
また、広告配信を行う上でのポイントになりますが、指名系キーワードと一般系キーワードにてキャンペーンを分けることをおすすめします。

それぞれのキャンペーンでは出稿の目的が異なる点、また一般系キーワードの方がユーザーが検索する機会が多い点から同じキャンペーンの中へ入れてしまうと指名系のキーワードヘ予算が当たらなくなってしまう可能性があります。

そのため、予算を分けて配信することによって指名系のキーワードへ最適な予算を充てながら広告表示ができるようになります。

商材関連

当企業では、商材の種類が多いことが他企業と比べた際の強みでもあったことから
商材名や地域名との掛け合わせ、またレンタル家具を利用すると想定されるシーンや家具レンタルの類義語(リースや貸出しなど)などそれぞれを掛け合わせ最適なキーワードにて配信を行いました。

運用開始後の施策について

①時間帯別における広告配信の強化・抑制

前述したターゲットから事前分析を行ったところ、当企業はサイトへのアクセスも平日のビジネスタイムに集中していることから、
深夜2時〜朝7時までの広告配信を抑え、ターゲットユーザーが検索する時間帯へボリュームをもたせることで、予算消化の抑制をしながら、効率の良い配信を行いました。
このようにBtoB商材では、ターゲットとなるユーザーの営業時間によって問い合わせ件数が変動することから、営業時間外では獲得単価が高くなる場合もあります。そのため、消化金額が高くなってしまう際には、入札単価の調整を行ったり、獲得率の高い時間帯へ配信をよせることで成果改善を図りましょう。

②マイクロコンバージョンの設定

マイクロコンバージョンとは、最終的な目標コンバージョンよりも手前に設置する中間のゴール地点のことを指します。
今回、最終的な目標として設定したゴール地点は【お問い合わせ完了数】ですが、
マイクロコンバージョンとして2つを設定しました。
マイクロコンバージョンを設定することで、広告運用の初期や、コンバージョン数が少ない時などにコンバージョンの指標としてデータを補うことができます。
コンバージョンの獲得にできるだけ近しいとされるユーザーに向けて配信を行っていくためには非常に重要な指標となるため、早速見ていきましょう。

  • フォーム到達ユーザーの計測

  • 電話番号タップ

フォーム到達ユーザーの計測

実際のゴール地点がお問合せフォームの送信完了ページの場合、お問い合わせのフォームページへ到達したユーザーの数を中間のゴール地点として計測する方法があります。ここを計測することによって、フォームまで到達したユーザーの内、どれくらいがフォーム送信に至るまでに離脱したのかを把握することができます

電話番号タップ

スマートフォンなどのモバイルからLP(ランディングページ)へ訪れたユーザーがLP内に設置されている電話番号をタップした数を計測します。ここでは、実際の架電に至った件数の計測はできないものの、他のユーザー行動(画面のスクロールなど)に比べ、コンバージョンに近しい積極的なユーザーの可能性が高いため、実際に架電からのお問い合わせが多い案件の場合などは、特に追うべき重要な指標となります。

③広告文の固定機能の活用

今回行ったのは、指名キャンペーンの広告文における固定機能の活用です。
指名キャンペーンでは、既に当商材や企業名を知るユーザーが検索行動を起こした時に、よりユーザーの目に止まりやすくなるよう、広告見出しの固定機能を活用し、

「【公式】〇〇」や「【公式】株式会社〇〇」

のような企業名が入ることでクリック率の上昇を図りました。

広告見出しの固定方法については広告の階層>広告の編集をクリックして次の流れになります。

 

但し、現在Google広告などではレスポンシブ検索広告において自動最適化を推奨としているため、固定しすぎてしまうとユーザーの検索語句に応じて柔軟に見出しの組み合わせが表示できなくなります。そのため、固定機能を活用する際は意図を明確にした上で設定を行うことが大切です。

また、広告文はデバイスによって見出しの表示形式が変わりますが、見出しは2つ、説明文は1つまでが表示されることがほとんどのため、確実に訴求したい内容などがある場合にも固定機能を活用するのも1つの手です。
上記の施策については、大幅な改善が見られたので下図にて変更前と変更後の数値変化についてご紹介します。

④広告表示オプションの設定

ユーザーのクリック率を上昇させる施策の1つとして、広告表示オプションの設定を行いました。広告表示オプションを設定することで、ユーザーにより有益な情報を提供ができたり、画面占有率の拡大やニーズのあると思われるページへリンクを設けてユーザーが直接遷移することが出来るため、クリック率だけでなくコンバージョン率の増加も期待できます。
その中でも、商材別で訴求が異なる場合は、画像表示オプションの設定を行うことで検索語句に応じて異なる画像を表示することが出来るため、よりユーザーに関連性の高い広告を配信することが出来ます。

引用:Google広告ヘルプ

リスティング広告の広告表示オプションについて詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。

画像表示オプションの設定方法については次の流れになります。

⑤長期休暇期間中の配信について

商材の特性によって変わりますが、当商材はBtoB向けの商材ではあるものの、長期休暇期間内でもコンバージョンの発生が見られていたことから、獲得機会損失の防止、自動入札におけるデータ蓄積をストップさせないことを目的として、当期間内では日予算の抑制を行うことで効率良い配信を図りました。

まとめ

今回は実際の配信事例をもとに改善ポイントなどをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

BtoBやBtoCなど商材によって最適な媒体を選定するのは一見難しいかと思いますが、商材の特徴からどんな人に向けてどう訴求するかなど、ペルソナとなるターゲットを明確にすることがとても重要になります。

そのうえで、獲得効率や費用対効果を意識した配信ができるよう広告表示オプションの設定や時間帯、デバイスの調整を行い効率的な配信を目指していきましょう。

また、BtoB商材のリスティング広告については下記でも詳しく紹介しているため、チェックしてみてください。

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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