拡張コンバージョンとは?仕組みと導入方法を解説

公開日: 2026.02.05

近年、広告効果の測定が年々難しくなってきていると感じていませんか?サードパーティCookieの制限強化により、これまで取得できていたコンバージョンデータが正確に把握できなくなり、広告施策の最適化に支障をきたしている企業が増えています。

このような状況を背景に注目されているのが、Google広告で提供されている「拡張コンバージョン(Enhanced Conversions)」という機能です。従来のトラッキング手法とは異なり、ファーストパーティデータを活用して計測精度を補完するこの技術は、Cookieレス時代における広告計測の新たな選択肢となっています。

本記事では、拡張コンバージョンの仕組みから導入方法、メリット、設定時の注意点まで、初めての方にも分かりやすく解説します。実務での活用方法も踏まえて詳しく紹介するため、この記事を読むことで、貴社の広告施策の精度と効果を確実に高めるヒントが得られるはずです。

目次

拡張コンバージョンとは?

広告運用において「拡張コンバージョン(Enhanced Conversions)」とは、Google広告で提供されている新しいコンバージョン計測手法です。主に、サードパーティCookieの規制により従来のコンバージョン計測が困難になる中で、ファーストパーティデータを活用して測定精度を補完することを目的としています。

通常のコンバージョン測定では、Cookieを通じてユーザーの行動を追跡し、広告経由で発生した成果(購入や問い合わせなど)を記録してきました。しかし、ユーザーのプライバシー保護が強化される現在では、これらのCookieがブロックされたり、有効期間が短縮されたりすることで、正確なデータが取得できなくなるケースが増えています。結果として、広告経由のコンバージョンの一部が「未計測」となり、実際よりも効果が低く見えてしまう問題が発生しています。

そこで登場したのが拡張コンバージョンです。この機能では、ユーザーがフォームに入力した「氏名」「メールアドレス」「電話番号」などのファーストパーティデータを暗号化(SHA256ハッシュ化)し、Googleに安全に送信。Googleはそのデータをもとにユーザーとコンバージョンの関連性を高い精度で照合することで、Cookieが使用できない環境でも成果を正確に測定できるようになります。

さらに、拡張コンバージョンはGoogle広告の自動入札や機械学習の最適化にも活用されるため、導入することで広告配信の精度や効果を高めることにもつながります。

つまり、拡張コンバージョンとは、Cookieに依存しない形で広告効果を正しく計測し、最適な広告運用を実現するための「次世代の計測技術」と言えるのです。

参照:ファーストパーティ データとサードパーティ データとは

関連記事:Cookieとは?仕組みと同意バナーの必要性をわかりやすく解説

拡張コンバージョンの仕組みをやさしく解説

拡張コンバージョンは、ユーザーのファーストパーティデータを用いて広告経由のコンバージョンを高精度に補足する仕組みです。ここではそのプロセスを、技術に詳しくない方でも理解できるようにやさしく解説します。

ファーストパーティデータの活用

拡張コンバージョンでは、ユーザーがフォームや購入画面で入力した「氏名」「メールアドレス」「電話番号」「住所」などのファーストパーティデータを利用します。これらは、ユーザー自身が直接サイトに入力する情報であり、広告主自身が収集・管理できる点が特徴です。

Googleは、このファーストパーティデータを用いて、広告クリックとコンバージョン(例えば購入)との関連性を強化し、計測の精度を向上させます。

SHA256によるデータのハッシュ化

プライバシー保護の観点から、この個人情報はそのまま送信されるわけではありません。Google広告では、送信前にデータをSHA256という暗号化アルゴリズムでハッシュ化することで、安全な状態に変換します。

ハッシュ化とは、特定の数式によって元のデータを不可逆な形式に変換する技術です。一方向性が強く、Googleが元のメールアドレスや電話番号を取得・復元することはできません。この処理により、個人情報を保護しつつ、必要なマッチングが可能となります。

Googleによる照合とマッチング

ハッシュ化されたデータは、Google広告のサーバーへ送信されます。Googleはそのデータを、ユーザーがGoogleアカウントでログインしている他のデバイスや行動履歴と照合し、広告との関連性を解析します。

例えば、ユーザーがスマートフォンで広告をクリックし、その後パソコンで商品を購入した場合、従来のCookieでは追跡が困難でした。しかし拡張コンバージョンを利用すれば、デバイスをまたいだ動きでも、ファーストパーティデータのマッチングによって成果として計測できるのです。

このように、拡張コンバージョンはクロスデバイスやCookieブロック環境下でもコンバージョンを正確に捉えることができます。

リアルタイムの活用と広告最適化

拡張コンバージョンで取得されたデータは、Google広告の機械学習にも活用されます。これにより、自動入札の最適化が進み、クリック率やコンバージョン率の向上にも寄与します。

また、広告配信の対象となるユーザー像(オーディエンス)をより正確に把握できるため、無駄な広告費の削減にもつながります。

拡張コンバージョンは、単なる計測補助ツールではなく、広告効果の底上げを実現するマーケティングインフラとも言える存在です。技術の裏側を正しく理解し、安全かつ効果的に活用することが、今後の広告運用には欠かせません。

拡張コンバージョン導入のメリット

拡張コンバージョンは、広告効果の計測を強化するだけでなく、ビジネス全体の広告パフォーマンス向上にも直結する数多くのメリットを持っています。ここでは、導入によって得られる主な利点を3つの視点から解説します。

コンバージョン計測の精度向上

最大のメリットは、計測精度の改善です。特に、サードパーティCookieの規制が進む現在では、従来のトラッキングだけでは成果を正確に捉えられない場面が増えています。

たとえば、iOS端末ではITP(Intelligent Tracking Prevention)の影響でCookieが制限され、広告クリックから数時間後に発生したコンバージョンが計測できないケースもあります。こうした「計測漏れ」は、成果を過小評価する原因となり、広告運用において見過ごせない損失です。

拡張コンバージョンを導入すれば、Cookieが使用できない環境でも、ユーザーが入力したファーストパーティデータをもとに成果を補完できるため、より正確なレポートが可能になります

自動入札の最適化とパフォーマンス改善

Google広告では、広告配信の多くが「自動入札」によって最適化されています。この自動入札は、機械学習アルゴリズムにより、過去の成果データを元にクリック単価(CPC)や入札戦略を調整しています。

しかし、コンバージョンが正しく測定されていないと、Googleのアルゴリズムに正確な情報が届かず、最適な配信判断ができなくなる可能性があります。

拡張コンバージョンによって測定精度が高まれば、アルゴリズムが正確に学習し、次回以降の広告配信で成果の出やすいユーザー層にリーチしやすくなるという好循環が生まれます。結果として、CPA(獲得単価)の改善やROAS(広告費用対効果)の向上が期待できます。

関連記事:ROAS(ロアス)とは?計算式や改善方法や注意点を詳しく解説

計測環境の変化に強くなる

広告主にとって不確実性の高いポイントは、「今後の計測環境の変化にどう備えるか」です。ブラウザ側の仕様変更や法規制によって、いつ従来の計測方法が使えなくなるかわかりません。

拡張コンバージョンは、Googleが提唱するプライバシー重視の新しい計測基盤の一部であり、今後の進化にも対応できる柔軟性があります。例えば、Googleが推進する「Consent Mode」や「GA4」とも高い互換性を持っており、今後の環境変化に対応しやすい仕組みになっています。

このように、拡張コンバージョンを導入しておくことは、単なる計測精度の向上にとどまらず、広告運用全体の安定性と持続可能性を高めるうえでも大きな意味を持ちます。

拡張コンバージョンは、今後の広告運用において「導入すべきかどうか」ではなく、「どのように活用するか」が問われる時代に入っています。計測精度、最適化、将来対応という3つの視点から、貴社のマーケティング施策に大きなプラスをもたらすはずです。

関連記事:【初心者向け】Googleアナリティクス(GA4)の基本的な見方と使い方を徹底解説!

拡張コンバージョンが効果を発揮するケース

拡張コンバージョンはすべての広告主にとって有効な手法ですが、特に効果を発揮しやすいユースケースがあります。ここでは、どのような業種・目的・サイト構成で導入効果が出やすいのかを具体的に解説します。

リード獲得型のビジネス(BtoB・不動産・教育など)

リード獲得型のサイトでは、問い合わせフォームや資料請求などをコンバージョンとするケースが多く、ユーザーが個人情報(氏名・メールアドレス・電話番号)を入力する機会があるため、ファーストパーティデータの取得がしやすいという特徴があります。

このようなサイトでは、拡張コンバージョンの仕組みを活用しやすく、測定漏れの補完精度も高くなります。さらに、リード拡張コンバージョンを活用すれば、オンラインで得た顧客情報と、オフラインでの営業成果とを紐づけて測定することも可能です。

購入型ECサイト(通販・D2Cなど)

ECサイトでは購入が明確なコンバージョンポイントとなるため、拡張コンバージョンとの親和性が高い傾向があります。購入時に入力されるメールアドレスや電話番号は、Googleによるマッチングに利用されやすい情報です。

特に、スマートフォンからの購入が多いサイトや、複数デバイスをまたいだ行動が見られる場合、拡張コンバージョンによってクロスデバイスの測定が可能になり、より正確な成果把握が実現します。

オフライン成果と連携が必要なケース

資料請求やセミナー申込のように、オンラインで得た情報を営業部門が引き継ぎ、後日商談・契約に至るようなビジネスでは、「最終成果」が広告では追えないことが課題です。

このようなケースでは、オフラインコンバージョンと連携するための拡張コンバージョン(リード拡張コンバージョン)が有効です。ユーザー情報と広告クリック情報を突合し、後から発生した成果も広告経由と紐づけることで、正確なCPA評価やLTV分析が可能になります。

コンバージョン数が少なく効果が測定しにくい場合

拡張コンバージョンは、少ないデータでもコンバージョン補完の精度が高いため、少量のコンバージョンでも効果検証しやすいのが特長です。CPAが高く、1件の成約価値が大きい業種(例:高額商品、保険、士業など)にも適しています。

このように、拡張コンバージョンは「フォーム経由で個人情報を取得できるサイト」や「オフラインと連携が必要な商材」に特に相性が良く、導入によって正確な広告評価が可能になります。

拡張コンバージョンの設定方法(完全ガイド)

拡張コンバージョンの導入には、正確な設定と適切な準備が不可欠です。ここでは、導入前に必要な準備から、Googleタグマネージャー(GTM)を使った設定方法、実装パターンの選び方までを詳しく解説します。

導入前に準備すべきこと

拡張コンバージョンの設定を行う前に、以下の3つの準備を行っておくことが重要です。

① プライバシーポリシーの整備

ユーザーから取得する個人情報を広告目的で利用する以上、プライバシーポリシーへの記載が必須です。Googleは、拡張コンバージョンを利用する広告主に対し、明確な同意と適切な情報開示を求めています。

② ユーザー同意の取得(Consent)

取得するデータが個人識別可能な情報(PII)であるため、Cookieバナーや同意管理プラットフォーム(CMP)を活用して、ユーザーからの同意を確実に得る仕組みを整えておきましょう。

③ データ取得ポイントの確認

どのページ・フォームでメールアドレスや電話番号を取得しているかを洗い出し、どのページで拡張コンバージョンを発火させるかを事前に設計しておく必要があります。

Googleタグマネージャー(GTM)での設定手順

拡張コンバージョンの設定は、主にGTMを使って行うのが一般的です。以下に設定のステップを紹介します。

ステップ1:Google広告タグの設置

すでに基本のコンバージョンタグが設置されていない場合は、まずGTMを使ってGoogle広告のコンバージョンタグを実装してください。

ステップ2:データレイヤーの設定

拡張コンバージョンに必要なメールアドレスや電話番号などのデータを、データレイヤーに含めるようにします。

dataLayer.push({
  'conversion_email': 'test@example.com'
});

ステップ3:タグに拡張コンバージョンの変数を追加

Google広告のコンバージョンタグ内で「拡張コンバージョンを有効にする」を選択し、変数として設定したデータをマッピングします。

  • メール:{{conversion_email}}
  • 電話番号:{{conversion_phone}} など

ステップ4:GTMプレビューとテスト

GTMのプレビューモードで動作確認を行い、データが正しく送信されているか、タグが発火しているかを確認します。

ステップ5:Google広告管理画面での確認

Google広告側でも拡張コンバージョンが有効になっていることを確認し、タグのステータスが「記録中」または「受信済み」になっているかをチェックしてください。

手動設定と自動設定の選び方

拡張コンバージョンには大きく分けて「自動設定」と「手動設定」の2つの方法があります。

自動設定(Googleタグ利用)

Googleタグ(gtag.js)をサイトに直接実装している場合は、Google側で自動的に拡張コンバージョンを補完してくれる機能があります。この場合、追加設定は不要で、Google広告側でオプションをONにするだけで済みます。

  • メリット:設定が簡単で工数が少ない
  • デメリット:フォーム構造やサイトによっては適用できない

手動設定(GTMまたはAPI連携)

自動設定が難しい場合や、カスタム変数で細かく制御したい場合は、手動での設定(タグ+データレイヤー構築)を行います。特に、リード型のサイトや独自CMSを利用している場合は手動設定が推奨されます。

  • メリット:自由度が高く、精度の高い計測が可能
  • デメリット:設定工数がかかり、ミスが起きやすい

適切な設定方法を選択することで、精度の高い拡張コンバージョンの導入が可能になります。実装前の準備とテストを怠らず、確実な導入を目指しましょう。

拡張コンバージョンの確認・テスト方法

拡張コンバージョンを設定した後は、正しく動作しているかを必ず検証する必要があります。タグが発火していなかったり、データが正常に送信されていなければ、意図した効果が得られません。ここでは、導入後の確認手順とテスト方法を段階的に解説します。

Googleタグマネージャーのプレビューモードで確認

GTMで実装した場合、まず最初に行うべきなのが「プレビューモード」による確認です。
タグが設定通りのページで発火しているか、変数(例:メールアドレス)が正しく取得できているかをチェックします。

  • プレビューツールのURLにアクセス
  • 対象のコンバージョンページを開く
  • 発火したタグと変数の中身を確認

変数が空欄だったり、意図しない値が入っていた場合は、フォーム構造や変数設定に問題がある可能性があります。 Google広告の管理画面でステータス確認

GTMでタグが正常に動作していても、Google広告側で受信できていない場合は、データとして認識されません。Google広告の管理画面にある「拡張コンバージョン」のステータス表示を確認しましょう。

  • ステータスが「記録中」または「受信済み」になっていれば問題なし
  • 「データが確認できません」と出ている場合は、変数・送信設定を見直す必要があります

また、拡張コンバージョンが有効になってから実際のデータが反映されるまでに数日~1週間ほどのラグがある点にも注意が必要です。

マッチ率レポートの活用

Google広告では、拡張コンバージョンの「マッチ率」を確認できるレポート機能があります。これは、送信されたハッシュデータがGoogleユーザーと一致した割合を示す指標です。

  • マッチ率が低い:メールアドレスの取得が不完全/形式が不適切/ユーザー同意が不十分などの可能性
  • マッチ率が高い:精度の高い計測が行われている状態

マッチ率が50%未満の場合は、入力項目の見直しや同意取得の設計変更を検討するとよいでしょう。

よくある設定ミスと対処法

拡張コンバージョンでは、以下のようなミスがよく発生します。

ミスの内容原因対処法
タグが発火しないトリガー条件の設定漏れ発火条件の見直し
データが送信されないデータレイヤーの記述ミスJSの記述チェック
ステータスが「未受信」拡張コンバージョンの有効化忘れGoogle広告側の設定確認
マッチ率が極端に低い入力データの整合性不足フォーム構造やバリデーションの見直し

これらを1つずつ潰すことで、精度の高い拡張コンバージョンの計測が実現できます。

拡張コンバージョンは設定するだけで完了ではなく、運用の中で「計測→確認→改善」のループを継続的に回すことが重要です。導入直後こそ、意識的にテストと確認を行い、データの信頼性を確保しておきましょう。

導入時の注意点とリスク管理

拡張コンバージョンは広告効果の可視化に非常に有効な手法ですが、ユーザーの個人情報を扱う仕組みである以上、慎重な設計と運用が求められます。ここでは、導入時に特に注意すべきポイントと、リスクを最小限に抑えるための対応策を解説します。

ユーザー同意を取得していないまま導入しない

拡張コンバージョンでは、ユーザーがフォームで入力した「メールアドレス」「電話番号」「氏名」などの情報を元にデータを送信します。そのため、あらかじめユーザーからの明示的な同意を得ることが必須です。

Googleも公式に、「プライバシーポリシーへの記載」「同意管理バナーの設置」「利用目的の明示」などを推奨しています。同意がないままデータを収集・送信することは、個人情報保護法やGDPRなどの各種法令に抵触する恐れがあり、大きなリスクにつながります

プライバシーポリシーの見直しと明記

従来の広告タグだけを使用していた場合、プライバシーポリシーが拡張コンバージョンの仕様に対応していない可能性があります。以下のような記載を追加することが推奨されます。

  • 取得する情報の種類(メールアドレス・電話番号など)
  • 利用目的(広告効果測定・最適化のため)
  • 第三者(Google)への提供があること
  • データがハッシュ化されて安全に送信される仕組み

わかりやすく、具体的に記載することが信頼構築にもつながります。

セキュリティ面での対応

ハッシュ化されたデータはGoogleに送信される前に不可逆変換されており、元の情報に戻すことはできません。ただし、それでもセキュリティリスクをゼロにすることはできないため、送信前のデータ取り扱いや保管環境には十分配慮が必要です。

  • サイト上に生データが残らないよう実装を工夫する
  • JavaScriptによる変数の取り扱いに注意する
  • 開発者や外部パートナーとのデータ管理ルールを明確にする

特に、データレイヤーで一時的に表示される値がコンソールなどで覗ける状態になっていないか確認しておきましょう。

自社の業種・サイト構造への適合性を確認する

業種によっては、取得する個人情報の種類や量が限定的であり、十分なマッチ率が得られないケースもあります。また、フォーム構造が複雑でJavaScriptでのデータ取得が難しい場合、実装コストが高くなることもあります。

導入前には、自社のフォーム設計・入力項目・送信タイミングなどを確認し、導入の妥当性やコスト対効果を事前に見極めておくことが重要です。

拡張コンバージョンは強力な機能である一方、個人情報と密接に関わる技術です。正しい理解と準備をもって導入すれば、リスクを最小限に抑えつつ、大きな成果を得ることができます。

拡張コンバージョン活用のベストプラクティス

拡張コンバージョンをただ導入するだけでは、そのポテンシャルを最大限に活かすことはできません。広告効果を高めるためには、データの取得精度・設計・運用の最適化が不可欠です。ここでは、実務で成果を最大化するための活用のベストプラクティスを紹介します。

入力フォームの最適化でマッチ率を高める

拡張コンバージョンの精度は、ユーザーがフォームに入力する情報の質と量に大きく左右されます。特に、メールアドレスや電話番号の正確性と取得率がマッチ率に直結します。

以下のような工夫をすることで、マッチ率を高めることが可能です

  • 入力エラーを防ぐためのリアルタイムバリデーション
  • フォーム項目の明確化(例:「携帯番号」と「自宅番号」を分ける)
  • 必須入力項目の見直しと簡略化(離脱防止とのバランスを考慮)

フォームの構造や送信タイミングによって、GTMから正しくデータが取得できない場合があるため、開発段階からマーケティング担当と連携し、計測視点を盛り込むことが重要です。

拡張コンバージョンの発火ポイントを最適化する

タグを発火させるタイミングは、ユーザーが実際にコンバージョンした直後(=データが揃う瞬間)が最も望ましいです。例えば

  • サンクスページがある場合 → サンクスページで発火
  • サンクスページがない単一ページフォーム → フォーム送信後、JavaScriptでイベントトリガーを設定

発火のタイミングが早すぎると、データが未取得のまま送信されてしまう可能性があります。逆に遅すぎると、ユーザー離脱やタグ発火漏れが発生するため、適切なトリガー設計が重要です。

定期的にマッチ率とデータ精度をモニタリングする

導入直後は正常に動いていても、フォームの改修やサイトのアップデートによって、拡張コンバージョンの計測が停止することがあります。これを防ぐために、以下のような運用体制を整えておきましょう。

  • 月次でマッチ率レポートを確認
  • GTMプレビューでのテストを定期実施
  • サイト改修時のタグ・データレイヤー確認をルール化

「タグは動いているはず」と思い込まず、継続的なチェック体制を持つことが成果維持の鍵になります。

自社の目標に応じて活用戦略を調整する

拡張コンバージョンの導入目的は企業ごとに異なります。以下のように、自社のマーケティング戦略に合わせた運用が効果的です。

目的活用のポイント
リード獲得マッチ率向上とオフライン連携
ECでの売上向上クロスデバイス計測による正確なCV評価
広告最適化自動入札戦略への反映強化
企業内提案・レポート強化CV測定の信頼性向上による説得力のある数値提示

導入後の“運用最適化”こそが、拡張コンバージョンの真価を引き出すカギです。形式的な設定にとどまらず、マーケティング施策全体に活かす視点で活用することが、成果を最大化する近道です。

今後の広告計測はどう変わるのか

拡張コンバージョンは、現時点での広告計測を補完する重要な手法ですが、この流れは一過性ではなく、広告測定の本質的な変化の一部です。今後数年にわたって、広告業界全体がどのように変化していくのか、その方向性を整理します。

Cookieレス計測が標準に

Google Chromeを含む主要ブラウザでは、サードパーティCookieの廃止が確実視されており、今後はCookieに依存しない計測が標準となっていきます。これにより、以下のような変化が進むでしょう。

  • ユーザー追跡ではなく、イベントベースの測定が主流に
  • ファーストパーティデータの活用がますます重要に
  • 広告のパフォーマンスは“モデル化されたデータ”で評価される時代へ

拡張コンバージョンは、その過渡期において広告主が精度を保つための現実的な解決策として機能しています。

Consent ModeやGA4との連携が前提に

Googleは、プライバシーに配慮した新たな計測基盤としてConsent Mode(同意モード)GA4(Google Analytics 4)の活用を強く推奨しています。

  • Consent Mode:ユーザーの同意状況に応じてデータ収集を動的に調整
  • GA4:イベント単位の柔軟なトラッキングと機械学習による予測が可能

これらは拡張コンバージョンと連携して使用することで、より網羅的で持続可能な広告計測の基盤を構築できます。

プライバシーと成果の両立が必須に

今後の広告測定では、成果を上げるだけでなく、「どれだけユーザーの信頼を損なわずに成果を出せるか」が大きな評価軸になります。データの扱い方、透明性、適切な同意取得は、ブランド価値にも直結するようになっていくでしょう。

広告測定は今、技術・法律・ユーザー意識の3つの変化の交差点にあります。拡張コンバージョンの導入は、その変化に先手を打つ第一歩であり、未来の広告計測の土台を築く重要な施策と言えます。

まとめ:拡張コンバージョンの価値と導入のすすめ

拡張コンバージョンは、Cookie規制が進む現代の広告運用において、正確な成果計測と効果的な入札最適化を実現するための非常に重要な技術です。従来の手法では取りこぼしていたコンバージョンデータを、ファーストパーティデータを活用して補完することで、広告配信の判断精度を大きく高めることができます。

また、単に計測の精度を向上させるだけでなく、拡張コンバージョンで取得された情報は、Googleの機械学習に活用され、より効果的な広告配信や予算配分にも貢献します。

導入にあたっては、プライバシーポリシーの見直しや同意取得の仕組み整備など、いくつかの注意点がありますが、正しく設計すればリスクは最小限に抑えることが可能です。

今後、広告測定の環境はさらに大きく変化していきます。拡張コンバージョンは、そうした変化に先手を打つための有力なソリューションです。まずは小規模な導入からでも構いませんので、一歩踏み出すことで確実に成果を積み重ねることができるでしょう

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監修者プロフィール

平岡 悟

平岡 悟

株式会社センタード 代表取締役

WEBマーケティング歴25年。セプテーニとSBIホールディングスのJVでの金融広告事業をはじめ不動産・人材・旅行・化粧品等多業界広告での経験を経て2010年に株式会社センタードを設立。クライアントワークでWEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの改善設計まで、自社ではSFA/MAを活用したインバウンドマーケティングからインサイドセールスまでを統括。現在も実践の最前線でAIでWEBマーケティングを最適化しサービス強化。1,300社以上の実績と顧客満足度96%、顧客推奨度90%を実現。
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よくある質問

  • Q1自社開発のCMSでも導入できますか?

    A.はい。Googleタグマネージャー(GTM)や手動実装によって、ほとんどのCMSや独自サイトにも対応可能です。構造が特殊な場合は実装の工夫が必要です。

  • Q2拡張コンバージョンの設定には技術的な知識が必要ですか?

    A.一定のタグ実装やデータレイヤーの知識は求められます。マーケ担当とエンジニアが連携できる体制が望ましく、難しい場合は外部パートナーの活用も選択肢です。

  • Q3導入前に社内で確認すべきことはありますか?

    A.プライバシーポリシーの記載内容、同意取得の方法、対象フォームの構造などを事前に精査する必要があります。また、データ管理体制やセキュリティ対応も確認しましょう。

  • Q4ユーザーからの同意がないと導入できませんか?

    A.はい。同意は必須です。Cookieバナーやポップアップでの同意取得、プライバシーポリシーでの明示が必要です。同意がない場合はデータを送信すべきではありません。

  • Q5導入を外部に依頼する場合、どこまで任せられますか?

    A.タグの設計・実装・検証、プライバシー対応、GTM設定、広告管理画面の設定代行など一括で対応可能な業者もあります。自社の技術力と照らして委託範囲を検討すると良いでしょう。

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