公開日: 2025.10.02
リスティング広告を運用している中で「RLSA」という言葉を耳にしたことはありませんか?
一度自社サイトを訪れたことのあるユーザーに、再び広告を届けることができるこの機能は、見込み顧客へのアプローチ精度を大幅に高める手法として注目されています。
しかし、「設定が複雑そう」「通常のリマーケティングと何が違うのか分からない」と感じ、導入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、RLSA(検索広告向けリマーケティング)の基本から、Google広告・Yahoo広告それぞれの設定方法、活用シーン、導入時の注意点までを体系的に解説します。さらに、CVR改善や広告費の最適化といった効果を最大化するための具体的な施策にも触れていきます。
目次
RLSAとは「Remarketing Lists for Search Ads(検索広告向けリマーケティング)」の略称で、Google広告やYahoo!広告などの検索広告において、過去に自社のWEBサイトやアプリを訪れたユーザー(リマーケティングリスト)を対象に、広告の表示や入札単価、訴求内容を調整できる機能です。
通常の検索広告では、キーワードに反応して誰にでも広告が表示されますが、RLSAを活用すれば「一度でも接点を持った見込み顧客」に対して、より最適化された広告を配信できます。その結果、広告費を効率的に使いながら、コンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。
一般的なリマーケティングはディスプレイ広告に多く使われ、サイト訪問者に対してバナー広告などで再アプローチするのが主な手法です。一方、RLSAは検索広告にリマーケティングの概念を応用したもので、以下のような違いがあります。
項目 | リマーケティング広告 | RLSA(検索広告) |
---|---|---|
表示媒体 | ディスプレイ広告(GDN等) | 検索連動型広告(SERPs) |
ターゲティング条件 | サイト訪問履歴のみ | サイト訪問履歴+検索キーワード |
活用目的 | 再認知・再訪誘導 | CV獲得・確度高い層への集中訴求 |
つまりRLSAは、「検索意図 × 過去行動」という2軸を活用できるため、広告の精度を格段に高められるのが特徴です。
RLSAを効果的に活用するには、適切なユーザーリストを作成・活用することが不可欠です。ユーザーリストとは、サイトやアプリの訪問履歴などに基づいて作成される「広告の配信対象者リスト」のことを指します。RLSAでは、特定の条件を満たすユーザーに対してのみ検索広告を出し分けるため、このリストの精度が広告成果に直結します。
RLSA機能は、Google広告では「検索広告向けリマーケティング」、Yahoo広告では「サイトリターゲティング」と呼ばれています。どちらも基本的な機能は共通していますが、対応するユーザーリストの種類に違いがあります。
リストの種類 | Google広告 | Yahoo広告 |
---|---|---|
標準のリマーケティングリスト | ○ | ○ |
アプリのリマーケティングリスト | ○ | ○ |
YouTubeのリマーケティングリスト | ○ | × |
Googleアナリティクス連携リスト | ○ | × |
顧客データ(メールなど) | ○ | × |
最適化リスト(自動生成) | ○ | × |
Google広告のほうが利用可能なリストの幅が広く、特にYouTube視聴者やGA連携によるセッション情報を使ったターゲティングが可能です。Yahoo広告はよりシンプルな構造ですが、基本的なサイト訪問ベースのターゲティングには十分対応できます。
標準のリマーケティングリスト
サイト訪問履歴に基づく基本的なリスト。例:商品ページ訪問者。
アプリユーザーリスト
自社アプリ内の行動に基づくリスト。例:ログイン・登録済みユーザー。
YouTubeリスト(Google限定)
自社YouTubeチャンネル視聴者。例:動画視聴完了者に再アプローチ。
GA4連携リスト(Google限定)
セッション時間やページ閲覧数などを条件に作成可能。
顧客データベース(カスタマーマッチ)
メールや電話番号からアップロードするユーザーリスト。
Google最適化リスト
複数のソースを統合した自動生成リスト。
これらのリストを組み合わせることで、より精度の高い広告配信が可能となります。
RLSAは、検索広告におけるターゲティング精度を格段に高め、広告効果を最大化できる機能です。ここでは、RLSAを導入することで得られる代表的な3つのメリットを解説します。
RLSAの最大の利点は、見込み度の高いユーザーだけに広告を届けられることです。過去に自社サイトを訪れたという事実は、そのユーザーが既に一定の興味関心を持っていることを意味します。そのようなユーザーが再び関連キーワードで検索を行うタイミングは、購買・申込みといったアクションに至る可能性が非常に高いと考えられます。
この「検索意図」と「訪問履歴」の両方を満たすユーザーにだけ広告を表示できる点が、CVR(コンバージョン率)の高さにつながるのです。
RLSAでは、リマーケティングリストに基づいて入札単価を個別に調整することが可能です。たとえば、カート離脱者や購入経験者といったリストに対しては、通常より高めの単価で入札することで、検索結果の上位に広告を表示しやすくなります。
逆に、コンバージョン可能性が低いユーザーや除外対象に対しては、入札を控えたり除外設定することもできるため、広告費を無駄なく配分できます。限られた広告予算の中で最大の成果を狙う場合に、非常に効果的な機能です。
もうひとつの大きなメリットは、ユーザーの属性に応じた広告文やランディングページ(LP)の出し分けができる点です。たとえば、以下のような切り口でメッセージを最適化できます。
このように、ユーザーの検討段階に応じた適切なクリエイティブを届けることで、クリック率やCVRのさらなる向上が期待できます。
RLSAは高精度なターゲティングと広告最適化が可能な強力な機能ですが、活用にあたっては注意すべきポイントも存在します。ここでは、代表的な2つのデメリットとその対策について解説します。
RLSAを利用するには、対象ユーザーをまとめた「リマーケティングリスト」が必要ですが、このリストが一定のボリュームを満たしていない場合、広告配信そのものが行えません。
Google広告・Yahoo広告ともに、検索広告向けリマーケティングを実行するためには、過去30日間でアクティブなユーザーが1,000人以上という条件があります。つまり、アクセス数の少ないサイトや新規立ち上げサイトでは、リストが条件を満たさず配信できない可能性が高いということです。
対策としては、以下のような工夫が有効です。
作成したリマーケティングリストは無期限に使えるわけではなく、保有期間の上限があります。
特に長期的な商材やBtoBなど、検討期間が長いビジネスモデルの場合、リストの更新を怠ると機会損失につながる恐れがあります。
定期的なリストメンテナンス、または期間更新の自動化などの対策を行い、重要な見込み顧客をリストから外さないように注意が必要です。
RLSAは「強いが万能ではない」機能です。活用する際は、リストのサイズや質、保有期限を把握した上で、常に広告配信の状況をモニタリングしながら運用していくことが求められます。
RLSAは非常に効果的な広告手法ですが、あらゆる状況で成果を発揮するわけではありません。広告の効果を最大限に引き出すには、適した条件下で導入・運用することが重要です。ここでは、RLSAが特に効果を発揮しやすい3つの状況を解説します。
広告のクリックは発生しているものの、コンバージョン率(CVR)が思うように伸びないケースでは、RLSAの導入が非常に有効です。
RLSAでは「過去に接点のあったユーザー」に対して広告を再表示するため、検討意欲の高い層へのアプローチが可能になります。これにより、通常の検索広告よりもCVRが高くなる傾向があり、既存の広告施策では取りこぼしていた層を刈り取ることができます。
RLSAの活用にはある程度の入札強化が必要になるため、CPC(クリック単価)がすでに高騰しているキーワード領域では非効率になることがあります。
一方、CPCが比較的安価なキーワード群では、予算に余裕を持った運用が可能になり、リスト対象者へのリーチ精度を高めつつ、広告費の浪費も抑えることができます。
低CPC領域かつCVが取りづらい場面では、RLSAによる「選別表示」が効果を発揮しやすくなります。
前述のとおり、RLSAはリストサイズ(最低1,000人)が活用条件になります。したがって、ある程度以上のトラフィックが確保できているサイトでこそ、RLSAは真価を発揮します。
特に月間で数千~1万セッション以上があるサイトでは、以下のような高度な施策が可能になります。
アクセスのボリュームが多いほど、リストの細分化と高度な戦略実行が可能になるため、RLSAのROIが大きく向上します。
RLSAは、母数・関心度・単価のバランスが取れた状態で導入することで、最大の成果を発揮します。導入前に自社の状況がこれらの条件に当てはまっているかを冷静に見極めましょう。
RLSAは、単に過去の訪問者に広告を出すだけではなく、検索意図やユーザーの行動履歴に合わせて多様な使い方ができるのが特徴です。ここでは、代表的な活用シーンと効果が出やすい成功パターンを具体的に紹介します。
RLSAは、新規獲得だけでなく、既存顧客との継続的な関係構築にも有効です。たとえば、以下のような使い方が可能です。
このように、RLSAはLTV(顧客生涯価値)を向上させる戦略的手段としても活用されており、特にECやサブスクリプション系ビジネスにおいて有効性が高いとされています。
RLSAは、一見コンバージョンに直結しづらいキーワードにも、戦略的に広告を出すことができます。
たとえば「浴衣を販売するECサイト」のケースでは、通常の検索広告では「浴衣 通販」などの商標系・購買意図の高いキーワードに絞って出稿するのが一般的です。
しかし、RLSAを活用すれば、以下のような関連シーンのキーワードにも広告配信を広げることが可能です。
これらの検索をしている人の中に、過去に自社の浴衣商品を閲覧したユーザーがいれば、そのユーザーに向けて広告を表示することで、高い確度でCVにつなげられます。
このように、RLSAは「検討ステージに合った柔軟なキーワード戦略」を実現できる点が強みです。
不動産、保険、BtoBサービスなど、1クリックあたりのコストが高い領域では、無駄クリックを最小限に抑えることが非常に重要です。
RLSAを使えば、以下のような戦略が可能です。
これにより、CPA(顧客獲得単価)を抑えながら、高確度なユーザーとの接点を増やすことができます。
RLSAの活用は、「誰に」「いつ」「どんなキーワードで」「どんな広告を届けるか」という検索広告の本質に、リマーケティングという精度の高い視点を組み合わせる戦略です。業種・商材を問わず、使い方次第で大きな成果を生む可能性を持っています。
Google広告におけるRLSAの設定は、ユーザーリストの作成と、それを検索広告キャンペーンや広告グループに適用するという2段階で構成されます。ここでは、具体的な手順をステップごとに解説します。
まずは、広告を配信したい対象となるユーザーリストを作成します。主なリスト作成方法は以下の通りです。
Google広告管理画面の「ツールと設定」>「共有ライブラリ」>「オーディエンスマネージャー」から、各種リストの作成・管理が可能です。
リストは過去30日間で1,000人以上のアクティブユーザーが必要となるため、十分なトラフィックがあることを確認してから進めましょう。
リストが準備できたら、該当の検索広告キャンペーンまたは広告グループに対してオーディエンス設定を行います。
手順
ここで重要なのが、「ターゲティング」と「モニタリング」の違いです。
設定 | 説明 | 主な目的 |
---|---|---|
ターゲティング | 選択したユーザーリストのみに広告を表示 | 絞り込み配信・CV集中 |
モニタリング | 全ユーザーに配信しつつ、リストの効果を分析 | 効果測定・入札調整 |
初期段階では「モニタリング」を選んでデータ収集し、後に「ターゲティング」へ切り替える運用も効果的です。
ユーザーリストに基づいて、以下のようなカスタマイズも可能です。
これにより、見込みの高いユーザー層へ広告費を集中し、成果の最大化を図れます。
Google広告のRLSAは設定の自由度が高く、使いこなすことで極めて高精度な検索広告配信が実現します。まずは小規模なリストから始めて、段階的に最適化していくのが重要です。
Yahoo広告におけるRLSA(検索広告向けリマーケティング)は、「サイトリターゲティング」という名称で提供されています。Google広告に比べて機能はシンプルですが、基本的なターゲティングの流れは同様で、過去のサイト訪問者を対象に検索広告の表示や入札調整を行うことが可能です。
以下では、Yahoo広告でのRLSA設定方法をステップごとに解説します。
まず最初に、Yahoo広告の管理画面から「サイトリターゲティングタグ」を取得し、自社サイト全体に設置します。
手順
これにより、訪問ユーザーの行動履歴が記録され、リスト化されます。
タグ設置後、具体的なターゲットリストを作成します。たとえば以下のような条件でリストを作成できます。
また、リストには過去30日間で1,000人以上のユーザーが必要です。リストボリュームが足りない場合は広告配信ができないため、早めにタグを設置し、ユーザーの蓄積を始めましょう。
作成したリストは、検索広告キャンペーンや広告グループに適用できます。
設定手順
Google広告同様、「モニタリング」は全体配信+効果測定、「ターゲティング」はリスト対象ユーザーのみに広告を出す設定です。
Yahoo広告においても、Google広告と同様にRLSA(サイトリターゲティング)を活用することができます。ただし、設定の呼称や操作手順に違いがあるため、Yahoo独自の仕様に沿った設定方法を理解しておくことが重要です。
Yahoo広告でRLSAを活用するには、まず「サイトリターゲティングタグ(リターゲティングタグ)」の設置が必要です。
手順
このタグによって、サイト訪問者のCookie情報が蓄積され、リスト化が可能になります。
タグを設置後、「ターゲットリスト(ユーザーリスト)」を作成します。作成時には、以下の条件設定が可能です。
Yahoo広告では、リストの蓄積が1,000件以上(検索広告で使用可)にならないと配信できない点はGoogleと同様です。
作成したターゲットリストは、検索広告キャンペーンまたは広告グループに紐づけて利用します。
設定手順
これにより、リスト対象者に対してのみ広告を表示したり、効果分析を行ったりできます。
Yahoo広告のRLSAは、基本的な構造はGoogleと似ていますが、管理画面の用語や操作感が異なるため、初めての方は慣れるまで注意が必要です。特にタグの設置・管理やリスト条件の設計において、自社サイトの構造をよく理解したうえで設定を行うことが重要となります。
RLSAを設定する際に必ず出てくるのが「モニタリング」と「ターゲティング」の選択肢です。これはGoogle広告・Yahoo広告のどちらにおいても共通する概念であり、広告の配信範囲と目的が大きく異なるため、正しく理解して使い分けることが重要です。
モニタリングは、すべての検索ユーザーに対して広告を配信しながら、リスト該当者のデータを分析できる設定です。
この設定を選ぶと、広告配信そのものは通常通り広範囲に行われ、ユーザーリストに属する人が広告をクリックした場合に、その成果(クリック率・CVRなど)を「セグメント別」に確認できるようになります。
また、モニタリングではリストごとに入札単価を個別調整することも可能で、成果の良いリストには入札を強化するなど、柔軟な運用が可能です。
ターゲティングは、ユーザーリストに該当するユーザーのみに広告を表示する設定です。
つまり、「過去にサイトを訪れたユーザーが、特定のキーワードで検索したときにだけ広告が表示される」という、絞り込み型の配信となります。
この設定を使うことで、広告費を見込み度の高いユーザー層だけに集中させることができる一方、リストが小さいと配信ボリュームが著しく減るというリスクもあります。
観点 | モニタリング | ターゲティング |
---|---|---|
配信対象 | 全ユーザー | リスト該当者のみ |
データ分析 | ○(効果を比較可能) | △(対象限定) |
配信ボリューム | 多い | 少ない(リスト依存) |
活用目的 | 効果測定・単価調整 | CV特化・効率重視 |
まずはモニタリングで効果を観察し、成果が確認できたらターゲティングに移行するというステップが、最も安全かつ効果的な運用方法です。
RLSAの効果を最大化するためには、単にユーザーリストを作成するだけでなく、その「精度」を高める工夫が重要です。精度の高いリストとは、広告の目的に対してコンバージョン見込みが高いユーザー層を的確に抽出したリストのことです。ここでは、精度を高めるための2つの実践的アプローチをご紹介します。
まず、リストを作成する際には「すべての訪問者を対象にする」のではなく、目的に応じたセグメントを設けることが重要です。以下は一例です。
このように、訪問履歴や行動指標に応じてユーザーを分類することで、一人ひとりの意図に合った広告表示が可能になります。
もう一つの重要な視点は、「あえて広告を見せない対象」を設定することです。これが除外リストの活用です。
代表的な除外対象は以下の通りです。
除外設定を行うことで、広告費のムダ打ちを防ぎ、広告配信の精度と効率を向上させることができます。特にCPAの高い商材では、この設定がROIに大きく影響します。
ユーザーリストの設計は、RLSAの成否を大きく左右する要素です。目的に合わせた「対象の精密化」と「除外の最適化」によって、無駄のないピンポイントな広告運用が可能になります。
RLSAは強力な広告手法である一方、誤った設定や戦略によって期待した効果が得られないケースも少なくありません。ここでは、RLSA運用においてよくある失敗と、その具体的な回避策について解説します。
最もよくある失敗が、「リストの規模が小さすぎて広告がほとんど配信されない」というケースです。RLSAでは、検索広告への配信には最低1,000件以上のアクティブユーザーが必要とされます。ニッチなページや条件が厳しすぎると、リストが成立しない恐れがあります。
回避策
ユーザー行動を精密に捉えようとしすぎて、リストを細分化しすぎるケースも見受けられます。たとえば、「特定商品ページを3回以上閲覧かつカート離脱」など、条件が複雑すぎると対象者が極端に限定されてしまい、配信や検証が難しくなります。
回避策
モニタリング設定でユーザーリストのパフォーマンスを確認する際、数値の解釈を誤ってしまうケースもあります。たとえば、リスト外のユーザーと比べてCTRやCVRが高いのは自然な傾向であり、必ずしもRLSAそのものの成功とは限りません。
回避策
RLSAの失敗は、「設定しさえすれば効果が出る」という思い込み」から生じることが多いです。重要なのは、リストの規模・精度・運用判断を適切にコントロールし、段階的に最適化していく姿勢です。
Google広告とGoogleアナリティクス4(GA4)を連携することで、RLSAのユーザーリスト作成がより柔軟かつ高精度になります。従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なり、GA4ではイベントベースでの行動トラッキングが可能になっているため、詳細なユーザー分析とリスト設計が実現します。
GA4を使うことで、サイト訪問者の行動に応じたきめ細やかな条件指定が可能です。たとえば、以下のようなリストが作成できます。
これにより、「なんとなく来訪しただけ」のユーザーではなく、しっかりと情報収集を行っている本気度の高いユーザーをターゲットにでき、広告の無駄打ちを防ぐことができます。
GA4側でオーディエンスを作成し、Google広告とリンクしておけば、Google広告側で自動的にそのリストを利用可能になります。
主な手順
この設定により、高度なセグメンテーションを広告配信に活用できるようになります。
GA4と連携したRLSA運用は、ユーザーの行動理解に基づいたターゲティングを可能にし、「誰に広告を見せるべきか」という意思決定の質を大きく高めることができます。データドリブンな広告運用を目指すなら、GA4との連携はもはや必須と言えるでしょう。
RLSAを含むリマーケティング広告は、ユーザーの行動データを蓄積・識別するためにCookie(クッキー)を利用しています。しかし、近年ではプライバシー保護の観点からCookie規制が加速しており、今後の広告運用に影響を及ぼすと予想されています。ここでは、Cookie制限の現状と、RLSAに与える影響、今後の対応策について解説します。
Safari(Apple):ITP(Intelligent Tracking Prevention)により、サードパーティCookieは完全ブロック済。ファーストパーティCookieも一定期間で削除されます。
Chrome(Google):2024年以降、段階的にサードパーティCookieのサポートを終了予定(Privacy Sandboxへの移行を進行中)。
この流れにより、従来のCookieベースのリマーケティング手法には制限がかかる・精度が落ちる可能性があります。RLSAも例外ではなく、リストの規模や精度に影響するリスクが高まっています。
Cookie規制に対応するには、広告主自身が保有するファーストパーティデータの活用が不可欠です。具体的には以下のようなデータが該当します。
Google広告では「カスタマーマッチ」機能を通じて、これらのデータをもとにリマーケティングが可能です。これはCookieに依存しないターゲティング手法として、今後ますます重要性が高まるでしょう。
Cookieレス時代の到来に備え、RLSAも含めた広告戦略は**「匿名情報」から「自社データ」中心の設計**へとシフトしていく必要があります。変化に対応するためには、今のうちからファーストパーティデータの整備と活用体制の構築を進めておくことが重要です。
RLSAは高い効果が期待できる施策ですが、適切なステップを踏まずに導入してしまうと、十分な成果を得ることができません。ここでは、初めてRLSAを導入する広告運用者向けに、具体的なステップと注意点を整理したロードマップを提示します。
まずはGoogle広告やYahoo広告でリマーケティングタグを取得し、自社サイト全体に適切に設置することから始めます。その後、訪問履歴をもとにユーザーリストを作成し、配信可能な1,000人以上の規模を目指します。
※Googleアナリティクス4(GA4)やYouTubeとの連携も並行して行うと、リストの多様性が広がります。
次に、既存の検索キャンペーンに対して、ユーザーリストを「モニタリング」設定で追加します。これにより、リスト内ユーザーとそれ以外のユーザーとの反応差(クリック率、CVRなど)を把握できます。
この段階で成果の高いリストが見つかれば、次の段階へと移行します。
モニタリング結果を踏まえて、リスト該当者のみに広告を配信する「ターゲティング」設定に切り替えます。あわせて、入札単価や広告文、ランディングページもユーザー属性に応じて最適化しましょう。
この時点で、広告配信の効率とCVRが大きく改善する可能性が高まります。
運用開始後は、リストの内容・粒度・除外条件の見直しを定期的に実施します。また、ターゲットごとに広告文や訴求軸を変えるA/Bテストを行い、成果を分析しながら運用の精度を高めていきましょう。
RLSAの導入は、「準備 → 試行 → 分析 → 最適化」のサイクルを着実に回すことが重要です。手順を踏めば、無理なく高精度な広告配信が実現できます。
RLSA(検索広告向けリマーケティング)は、検索広告におけるターゲティング精度と広告効果を大きく高めることができる強力な手法です。過去に自社サイトを訪れたユーザーが、再び検索行動を起こしたタイミングに広告を表示できるため、コンバージョンの可能性が非常に高い層に絞って訴求できます。
本記事では、RLSAの基本的な仕組みから、Google広告・Yahoo広告での具体的な設定方法、効果を発揮する条件、活用シーン、ユーザーリスト精度の高め方、Cookie制限への対応まで、幅広く解説しました。
RLSAは「誰に、どのタイミングで、どんな広告を見せるか」を高度に設計できるため、単なる広告配信から一歩踏み込んだマーケティング施策として活用できます。
まだ導入していない方は、まずはモニタリング設定から小さくテストを始めてみることをおすすめします。そして、段階的にリストやクリエイティブの最適化を進め、限られた広告予算を最大限に活かせる運用体制を築いていきましょう。
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まずは自社の現状を知り、可能な改善施策はどういったものがあるのか、
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ご説明しますので、お気軽にご相談ください。
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