更新日: 2025.10.17
Instagramを活用した広告は多くの企業で導入が進んでいますが、その中でも特に注目されているのが「フィード広告」です。
ユーザーが日常的に目にする投稿と同じ場所に表示されるため、自然な形で接触でき、高い視認性とエンゲージメントが期待されます。
しかし、初めて広告を出稿する方にとっては「フィード広告って何?」「出し方が複雑そう」「費用はどれくらいかかるの?」といった疑問や不安が多いのも事実です。
また、効果を最大化するには、適切なターゲティングやクリエイティブ設計が欠かせません。
本記事では、Instagramフィード広告の基本から具体的な出稿方法、成果を上げる運用のコツまで、初心者の方でもすぐに実践できるように丁寧に解説します。
すでに広告を運用している方にも役立つ改善ポイントや最新の仕様にも触れており、現場ですぐ使える知識が得られる内容になっています。
Instagramを活用して集客や売上を伸ばしたいと考えている方にとって、有益な情報を網羅的にお届けします。
目次
Instagram広告には主に以下のような種類があります。
フィード広告
ストーリーズ広告
リール広告
発見タブ広告(Explore)
ショッピング広告
この中で、フィード広告はInstagramの最も基本的な配信面であり、広告主が最初に試すことが多いフォーマットです。
ストーリーズやリールは動画中心で一時的な印象に強みがありますが、フィード広告は長期的な印象形成や詳細な訴求が可能な点で優れています。
関連記事:Instagram広告とは?特徴や種類、費用について解説
広告フォーマット | 表示位置 | 主な特徴 | 適した目的 |
---|---|---|---|
フィード広告 | タイムライン | 視認性高く自然に表示 | 認知〜CV全般 |
ストーリーズ広告 | ストーリーズ間 | 全画面表示・短時間訴求 | キャンペーン告知など |
リール広告 | リール内 | 動画中心・エンタメ性 | 若年層向け認知 |
探索タブ広告 | 検索タブ | 新規ユーザー接点 | 潜在層開拓 |
フィード広告は、ユーザーがタイムラインをスクロールしている際に表示されます。通常投稿の合間に“スポンサー”ラベル付きで表示され、ユーザー体験を損なうことなく訴求できるのが特徴です。
表示フォーマットには以下のようなバリエーションがあります。
画像広告:静止画1枚で構成される最もシンプルな広告形式。訴求ポイントを明確に伝えられる。
動画広告:15秒〜60秒程度の動画で、動的に商品やサービスを紹介可能。
カルーセル広告:複数の画像や動画をスワイプで切り替えて閲覧できる形式。複数商品や機能を紹介したいときに有効。
コレクション広告:画像や動画とカタログ形式の商品一覧を組み合わせた形式。EC系広告で活用されやすい。
ユーザーの目に自然に入り込むという特徴を活かし、違和感のないトーンやデザインで作成されたフィード広告は、高いエンゲージメントと成果に繋がります。
関連記事:Instagramリール広告とは?特徴やメリットなどを詳しく解説
Instagramは画像や動画中心のビジュアルSNSであるため、フィードに流れる広告も非常に目を引きやすい構造になっています。
特にフィード広告は、通常の投稿と同様にフルサイズの画像や動画が表示されるため、視覚的インパクトが強く、ユーザーの目に留まりやすいです。
また、スクロール中に自然に流れるため、広告と気づかれにくく、広告ストレスが少ない点も大きな強みです。
広告と気づかれても、スムーズにブランドの世界観や商品特徴を伝えることができます。
Instagram広告はFacebookと同じ「Meta広告マネージャー」を通じて配信されており、非常に細かいターゲティング設定が可能です。
具体的には以下のような条件でターゲットを絞ることができます。
年齢、性別、地域、言語
興味関心や行動履歴(例:美容、旅行、フィットネス)
自社の顧客データを元にしたカスタムオーディエンス
類似オーディエンス(Lookalike)
これにより、無駄な広告費を抑えながら見込み客に効率的にリーチすることが可能です。
Instagramフィード広告は、ユーザーの認知段階からコンバージョン(CV)段階まで幅広く対応できます。
たとえば、以下のような目的で使い分けが可能です。
認知目的:商品やサービスをまず知ってもらう
検討段階:詳細情報や複数画像で比較訴求
購入段階:リンク付きでECやLPに誘導
さらに、広告ごとに異なるCTA(例:「詳細はこちら」「今すぐ購入」)を設定できるため、ユーザーの行動を促す設計がしやすくなっています。
まず、Instagram広告を出すにはFacebookページとInstagramアカウントをMeta広告マネージャーに連携する必要があります。
その上で以下のステップに進みます。
Meta広告マネージャーにログイン
「キャンペーンを作成」をクリック
広告の目的を選択(例:トラフィック、コンバージョン、リーチなど)
広告アカウントの設定(地域、通貨、タイムゾーン)
目的によって設定項目は若干異なりますが、基本的な流れは同じです。
初めての方は「トラフィック」や「ブランド認知」など、比較的シンプルな目的から始めるのがおすすめです。
Meta広告マネージャーは3階層構造になっています。
キャンペーン:広告の目的(例:購入を促進)を設定する階層
広告セット:ターゲットや配信期間、予算、配置(Instagramのフィードなど)を決める階層
広告:実際に表示される画像や動画、テキストを設定する階層
Instagramフィード広告を出すには、配置の設定で「Instagramフィード」にチェックを入れます。
自動配置も選べますが、フィード広告に特化したい場合は手動で選択するとよいでしょう。
出稿までの流れをまとめると、以下の通りです。
Meta広告マネージャーで新規キャンペーンを作成
目的を選ぶ(例:トラフィック)
ターゲットの設定(年齢・性別・興味関心など)
配信面として「Instagramフィード」を選択
広告形式(画像・動画・カルーセルなど)を選ぶ
クリエイティブ素材とテキストをアップロード
CTAボタンやリンク先を設定
広告プレビューで確認し、「公開」で配信開始
設定ミスを防ぐためにも、事前に配信したい内容やターゲット像を明確にしておくことが成功の鍵となります。
関連記事:初めてのInstagram(インスタ)広告の出し方|出稿手順とコツ
ステップ | 内容 | 操作場所 |
---|---|---|
Step1 | 広告マネージャーにログイン | Meta広告マネージャー |
Step2 | 目的を選択(例:トラフィック) | キャンペーン作成 |
Step3 | 配信面を選択(Instagramフィード) | 広告セット |
Step4 | ターゲティング・予算設定 | 広告セット |
Step5 | クリエイティブを作成・アップロード | 広告作成画面 |
Instagramフィード広告には、推奨されるサイズや文字数のガイドラインがあります。
これを守らないと表示崩れや審査落ちの原因になります。
画像サイズ:1080×1080px(1:1の正方形が基本)
動画サイズ:最大4GB、長さは最大60秒、推奨は15秒〜30秒
ファイル形式:JPEG、PNG、MP4、MOVなど
テキストの量:画像内のテキストは画面の20%以内に抑えるのが理想
また、本文(キャプション)の文字数に制限はありませんが、冒頭の125文字以内で主旨が伝わるように構成するのが効果的です。
項目 | 推奨内容 | 備考 |
---|---|---|
画像サイズ | 1080×1080px | 正方形が基本 |
動画サイズ | 最大4GB / 推奨15〜30秒 | MP4, MOV形式対応 |
テキスト量 | 画像内は20%以内 | 多すぎると配信制限の可能性 |
キャプション | 125文字以内で要点を伝える | 冒頭が重要 |
Instagramはビジュアルが主役ですが、コピー(テキスト)の質も広告成果に直結します。
以下のポイントを意識すると効果的です。
最初の1文で興味を引く:「○○でお悩みの方へ」「今すぐ使える○○術」など
ベネフィットを強調:「たった5分で肌が変わる」など、読者にとっての価値を提示
CTA(行動喚起)を明確に:「詳しくはこちら」「今すぐチェック」など
感情に訴える表現や、緊急性・限定性を持たせたコピーはクリック率を上げる傾向にあります。
Instagram広告では、1枚の画像だけでなく「カルーセル広告」や「リール広告」も活用できます。
カルーセル広告:複数の画像や動画をスワイプして見せる形式。商品ラインナップの紹介や手順説明に最適。
リール広告:縦型のフルスクリーン動画。エンタメ性やインパクトを重視したいときに有効。
一方、フィード広告は“日常感”が出やすく、落ち着いたトーンやブランドの世界観を伝えるのに向いています。
商材や目的に応じて、広告フォーマットを使い分けることが重要です。
カスタムオーディエンスは、自社の保有データをもとに広告を配信する機能です。
たとえば以下のようなデータをアップロードして活用できます。
メールアドレスや電話番号(顧客リスト)
自社サイトの訪問者情報(ピクセル連携)
InstagramやFacebookのエンゲージメント履歴
これにより、既存顧客やサービスに興味を持ったユーザーに対してリマーケティング広告を配信することができ、CV率の高い広告配信が可能となります。
ターゲティング設定では、基本的な属性に加えてユーザーの興味関心や行動を指定できます。
たとえば次のようなセグメントが可能です。
地域:特定の都道府県・市区町村まで絞り込み可
年齢・性別:例えば20代女性だけに配信
興味関心:美容、旅行、アウトドア、子育てなど多岐にわたる
これにより、「見込みの高い層」だけに広告を届けられるため、費用対効果の高い運用につながります。
ターゲティング項目 | 具体的な設定例 | 活用場面 |
---|---|---|
地域 | 東京都、大阪市など市区町村単位 | 地域密着型ビジネス |
年齢 | 18〜24歳、25〜34歳など | 世代別商品訴求 |
興味関心 | 美容、旅行、子育てなど | 商品カテゴリ別で活用 |
カスタムオーディエンス | 自社サイト訪問者 | リマーケティング施策 |
広告配信では、**複数パターンを用意して効果を比較検証(A/Bテスト)**することが重要です。
例えば以下のような要素でテストが可能です。
画像A vs 画像B
コピー(文言)の違い
CTAの違い
ターゲット属性の違い
配信後は、Meta広告マネージャーのレポートでインプレッション、クリック率、CV数などを分析し、反応の良い要素を残して改善を繰り返しましょう。
Instagram広告では、以下の2つの課金方式が選べます。
クリック課金(CPC):広告がクリックされたときに課金される方式
インプレッション課金(CPM):広告が1,000回表示されるごとに課金される方式
目的が「サイト誘導」や「商品購入」であれば、**CPC(クリック課金)**が向いています。
一方、ブランド認知やイメージ訴求が目的の場合は、**CPM(インプレッション課金)**が適しています。
どちらの課金方式を選ぶかは、広告の目的とターゲットに合わせて選定しましょう。
関連記事:Instagram(インスタ)広告の費用相場を課金方式ごとに解説
課金方式 | 特徴 | 向いている目的 |
---|---|---|
CPC(クリック課金) | クリック時のみ課金 | 購入・資料請求などCV狙い |
CPM(インプレッション課金) | 1,000回表示ごとに課金 | ブランド認知拡大 |
Instagramフィード広告は1日数百円から出稿可能で、少額からスタートできるのが魅力です。
Metaの公式には明確な最低金額はありませんが、実務上は以下が目安です。
日額:500円〜1,000円
月額:15,000円〜30,000円(テスト運用の場合)
本格運用:50,000円〜数十万円(規模・目的により変動)
また、予算の上限は広告マネージャー上で自由に設定でき、超過することはありません。
最初は少額から試し、効果を見ながら段階的に予算を調整していくのが現実的な運用方法です。
関連記事:Instagram広告とは?特徴や種類、費用について解説
広告配信後は、Meta広告マネージャーでさまざまなパフォーマンス指標を確認できます。
代表的な指標は以下の通りです。
インプレッション数:広告が表示された回数
リーチ数:広告を見たユニークユーザー数
クリック数・CTR:リンクがクリックされた回数と率
CV数・CVR:コンバージョンの回数と率
エンゲージメント率:いいね・保存・コメントなどの反応率
これらを日別・週別に確認することで、効果の高い広告とそうでないものの違いが見えてきます。
指標名 | 意味 | 改善のポイント |
---|---|---|
インプレッション | 表示回数 | 配信量の把握に活用 |
リーチ | ユニークユーザー数 | 拡散力の目安 |
CTR | クリック率 | クリエイティブ改善指標 |
CVR | コンバージョン率 | LPや導線の改善に有効 |
コンバージョン率(CVR)を改善するためには、以下の3点を見直しましょう。
クリエイティブの訴求力
→ 画像や動画が目を引く内容になっているか?商品の魅力が伝わっているか?
コピーの明確さと行動喚起
→ メリットが具体的に書かれているか?「今すぐ申し込む」など行動を促しているか?
リンク先の最適化
→ LP(ランディングページ)がモバイルフレンドリーか?ページ読み込み速度は速いか?
クリエイティブだけでなく、リンク先との連動性も成果に大きく影響します。
広告を配信しても反応が少ない場合は、以下の原因が考えられます。
ターゲティングが広すぎる/狭すぎる
クリエイティブがユーザーに刺さっていない
配信時間や曜日が適切でない
CTAが不明確、または魅力が弱い
このような場合は、一つずつ仮説を立ててA/Bテストを実施し、PDCAを回すことが重要です。
最初から完璧な広告を作るのは困難なので、継続的な改善を前提に運用を行いましょう。
ある地域密着型の美容サロンでは、Instagramフィード広告を活用して新規顧客獲得数を2倍に増加させました。
その成功要因は以下の通りです。
20〜30代女性をターゲットに設定
サロンの施術風景を動画で掲載し、安心感と技術力を訴求
「〇〇エリア限定キャンペーン」など地元密着の訴求で反応を強化
また、予約フォームに直接リンクを設けることで、広告からの導線が明確になり、予約率が大幅に向上しました。
低予算でもターゲットと訴求が一致していれば、高い効果が期待できます。
大手コスメブランドでは、新商品発売のタイミングに合わせてInstagramフィード広告を展開し、キャンペーン期間中の売上が約1.6倍に増加しました。
この事例では以下の工夫がポイントでした。
高品質なビジュアルで世界観を統一
インフルエンサーの使用動画を活用して共感を醸成
「〇月〇日まで限定」「先着〇名」などの限定性で緊急性を演出
さらに、配信の最初の3日間で複数クリエイティブをA/Bテストし、反応の良いパターンを継続配信することで最適化を図りました。
このように、ビジュアル・ターゲティング・戦略的配信が揃えば、大企業だけでなく中小企業でも成功が可能です。
フィード広告:静止画・動画を正方形または縦型で表示。ユーザーがフィードをスクロールしている中で表示されるため、滞在時間は比較的長め。
ストーリーズ広告:スマートフォン画面いっぱいに縦型で表示。1枚あたり最大15秒で、数秒で自動的に切り替わる短時間接触型。
フィード広告:視認性が高く、詳細な説明や複数画像による比較など、じっくりと見せたい商品やサービスに向いています。
ストーリーズ広告:スピーディーな訴求が得意で、期間限定キャンペーンや新商品の告知など、即時性を重視する場合に有効です。
ストーリーズ広告はエンタメ要素が強く、ユーザーが気軽にスキップする傾向があります。
一方で、フィード広告は「保存」や「いいね」などの能動的なアクションが期待できるのも特徴です。
それぞれのフォーマットを理解し、広告の目的・訴求内容・ターゲットの行動特性に合わせて使い分けることが重要です。
関連記事:Instagramのストーリーズ広告とは?概要やポイント、配信方法を解説
Instagramフィード広告は、視覚的な訴求力と高精度なターゲティングを兼ね備えた広告手法です。
画像や動画を活用してユーザーの関心を引きつけながら、ブランド認知から購入促進まで幅広いマーケティング目的に対応できます。
初心者の方にとっては、出稿までの設定や広告設計に不安があるかもしれませんが、
Meta広告マネージャーの操作に慣れれば、少額から効率よく集客や売上アップが目指せます。
また、広告の効果は運用後の改善によって大きく変わるため、数値分析とテスト運用を繰り返す姿勢が重要です。
本記事で解説した内容を参考に、ぜひInstagramフィード広告にチャレンジしてみてください。
自社の商品やサービスに合った表現方法を見つけることで、SNS広告の可能性が大きく広がるはずです。
現在デジタルマーケティングにおいてお悩みがある方や、
課題を感じているがどうしていいかわからない方向けに
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まずは自社の現状を知り、可能な改善施策はどういったものがあるのか、
スケジュール、予算感はどのようなものなのか等も含めて
ご説明しますので、お気軽にご相談ください。
監修者プロフィール
A.いいえ、有料広告です。日額500円程度から出稿可能です。
A.通常は数時間以内に完了しますが、内容によっては24時間程度かかる場合もあります。
A.はい。Instagramで広告を出すにはビジネスアカウントとFacebookページが必要です。
A.はい。画像広告は基本フォーマットのひとつで、静止画だけでも出稿可能です。
A.業種や商品によりますが、テスト配信→分析→改善の流れで1〜2週間程度を見込んでください。
A.もちろん可能です。少額から運用できるため、個人でも十分活用できます。
A.ターゲットと商材によって異なりますが、ビジュアル訴求が強い商品との相性は非常に良いです。
A.はい。広告セット内で複数の広告を管理・運用可能です。
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