Cookieを拒否するとどうなる?Google AnalyticsでのCookieの利用方法

更新日: 2024.11.01

Cookieを拒否するとどうなる?Google AnalyticsでのCookieの利用方法
WEBサイトを訪れると、「このサイトはCookieを使用しています」といったメッセージがよく目に入るかと思います。では、Cookieとは一体何でしょうか?Google Analyticsを使用したアクセス解析にとって、どんな役割があるのでしょうか。
今回の記事では、特にGoogle Analytics(GA)におけるCookieの利用とその影響について詳しく解説します。基本的な実装から高度な実装まで、どのようにCookieがGA計測に活用され、どんな影響が出るのかを理解することで、より効果的なWEB集客と解析が可能になります。

 

1. はじめに:Cookieとは何か?

Cookieは、簡単に言えば、WEBサイトがユーザーのコンピュータやスマートフォンに一時的に保存する小さなテキストファイルのことを指します。
Cookieの主な目的は、WEBサイトの利便性を高めることです。例えば、オンラインショッピングサイトでは、カートに入れた商品を記録しておくためにCookieが使われます。また、一度ログインしたWEBサイトに再度訪れたときに、ユーザー名やパスワードを毎回入力しなくても済むように、Cookieが活用される場合もあります。
その一方でCookieには、広告の配信やWEBサイトの訪問者数を解析する「トラッキング」といった使い方もあります。これには、Google Analytics(GA)などの解析ツールが一役買っています。

2. Google Analytics(GA)でのCookieの基本的な利用方法

Google Analytics(GA)は、WEBサイトの訪問者数や行動、成果(コンバージョン)などを測定するための無料の解析ツールです。GAを効果的に活用するためには、Cookieの基本的な利用方法を理解することが重要です。

2.1 Cookieの種類とGA計測

GAでは主に以下の二つのCookieが使用されています。

・ga Cookie: これは2年間有効なCookieで、ユーザーを一意に識別します。ユーザーがWEBサイトに複数回訪れる場合でも、このCookieによって同一ユーザーとして認識されます。
・gid Cookie: これは24時間有効なCookieで、ユーザーが同一のセッション内でどのような行動をとったかを記録します。

なお、これらのCookieの有効期限は、ユーザーが使用しているブラウザによって変化します。例えば、Chrome の場合は最大 400 日間、Safari の場合は最大 7 日間です、もしユーザーがこの期間内にサイトをもう一度訪問しなかった場合は、これらのCookieの有効期限が延長されることはありません。

関連記事:ブラウザとは?初心者のためのWebブラウザ完全ガイド

2.2 同意の有無で変わる計測方法

WEBサイトに訪問すると、しばしばユーザーに対して「このサイトはCookieを使用します、よろしいですか?」などといった同意を問うメッセージが表示されます。ユーザーがここで「同意する」を選ぶと、GAの全ての計測が通常通り行われます。
一方で、「拒否」を選んだ場合やユーザーが後からブラウザ設定でCookieを無効にした場合には、Cookieの利用が制限されることになります。通常の方法での計測ができなくなり、一部のデータの計測しかできなくなります。例えば、gid Cookieを制限された場合はユーザーの一連の行動を追えなくなるため、ユーザー属性にまつわるデータの取得が困難になったり、どのページを経由して目当てのページに到達したのかがわからなくなったりします。そしてga Cookieが制限されている場合は、新規と既存のユーザーの判別がつかなくなることがあります。

3. 高度な実装でのCookieとGA計測の活用法

ユーザーがCookieを拒否することで一部のデータが計測できなくなってしまいます。WEBサイトの解析はより高度になっていますが、そもそもデータがなければ意味を為しません。そこで、Google Analytics(GA)の高度な実装で「行動モデリング」を利用することで、欠けてしまったユーザーデータを把握することができます。

3.1 Googleタグの事前読み込み

一般的な実装では、Cookieの同意バナーが出る前にGoogleタグ(タグマネージャーなど)はブロックされ、ユーザーが「同意」の意志を示さなければブロックされたままです。しかし、高度な実装ではこのバナーが表示される前にGoogleタグが事前に読み込まれます。これによって、「同意」とも「拒否」ともアクションをしないユーザーに対して、最低限のデータ計測を行うことができ、欠落したデータの一部を埋めることができます。

3.2 行動モデリングの活用

ユーザーがCookieの利用を拒否した場合に、特に便利なのが、GA4(Google Analytics 4)に搭載されている「行動モデリング」機能です。この機能を用いると、Cookieを使用しない状態でも、集計されたデータを基に高度なユーザー行動の分析が可能となります。この行動モデリングは、Googleの機械学習を用いて、GAの Cookie を受け入れたユーザーの行動を基に、GAの Cookie を拒否したユーザーの行動をモデル化します。モデル化されたデータを使用することで、ユーザーのプライバシーを尊重しながら、有益な分析情報を補完することができます。
なお、この行動モデリングを利用するためにはいくつかの要件があります。例えば、モデル化には多くのデータを必要するため、「少なくとも7日間で1 日あたり 1,000 件以上のCookieを拒否したユーザーがいる」、「過去 28 日間のうち少なくとも 7 日間、1 日あたり 1,000 人以上のユーザーがCookieの利用を同意している」、などの要件があります。残念ながら、WEBサイトに一定以上の流入がなければこの「行動モデリング」を使用することはできません。

4.CookieとGA計測に関するよくある問題とその対策

プライバシーにまつわる懸念はますます関心を高めています。改正個人情報保護法やEU一般データ保護規則(GDPR)の施行など、Cookie利用への対応が求められる一方で、WEBサイトの解析もまた欠かせない要素です。ここでは、Cookieの制限とGA計測にまつわるよくある問題を紹介します。

GA4はCookieを使用しているの?

Google Analytics4は、主に個々のユーザーを区別するための「_ga」というファーストパーティCookie を使用しています。また24 時間単位で有効な「_gid」というCookieもユーザーを区別するために使用される場合があります。

ユーザーがCookieを拒否したらGA計測はどうなる?

Cookieを拒否されて無効化された状態では、特定のユーザー属性(年齢、性別、地理、デバイスタイプなど)が取得や、新規と既存のユーザーを識別することが困難になります。このような状況では、GA4の行動モデリングを活用することで、一定レベルの解析が可能です。

5.まとめ

CookieとGA計測には便利な側面が多い一方で、クッキーの拒否によるデータの欠落という問題点も無視できません。しかし、適切な対策とツールを活用することで、これらの問題を大いに軽減することが可能です。最新のGA4の機能を駆使し、賢くアクセス解析を行いましょう。

またセンタードは、WEBディレクター×WEBコンサルタントが連携し、『貴社のビジネスを成功に導く』サポートをします。
WEBの売上の作り方に関してお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

 

現在デジタルマーケティングにおいてお悩みがある方や、
課題を感じているがどうしていいかわからない方向けに
無料でご相談会を実施しております。

まずは自社の現状を知り、可能な改善施策はどういったものがあるのか、
スケジュール、予算感はどのようなものなのか等も含めて
ご説明しますので、お気軽にご相談ください。

ご相談はこちら

監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

関連記事

× サービス資料