公開日: 2026.10.29
AIO対策を始めて数か月がたち、施策の効果を報告する時期になった。ところが手元にあるのは、生成AIに一度聞いて自社が出た・出なかったというメモだけで、前回と比べられる数字がありません。
AI回答の引用モニタリングは、同じ質問を同じ条件で繰り返して記録し、自社が引用された割合と推移で見るのが基本です。GoogleとBingには、公式のデータで確かめられる範囲もあります。本記事では、何を数えるかの決め方から、記録表の作り方、数字の見直し方、ツールを比べる観点までを順に説明します。
AI回答の引用モニタリングは、AIの回答の中で自社が言及・引用されているかを、同じ条件で繰り返し確かめ、割合と推移で見る取り組みです。続けて記録していないと、施策の効果を数字で説明しにくくなります。自社のページがほかのサイトに置き換わったことにも、気づくのが遅れかねません。
検索順位の計測では、キーワードごとに順位という1つの数字を追えます。AIの回答には順位のように決まった数字がなく、回答の内容や示されるリンクも条件によって変わることがあります。
そのため、AIでの可視性(AIの回答での見え方)を数字で示すには、何を数えるかを先に決め、割合で見るのが基本です。こうした取り組みは、AI引用モニタリングと呼ばれる場合もあります。
AIの回答で自社が扱われる形は、名前が出る「言及」と、出典として自社のURLが示される「引用」に分かれます。名前は出ても出典は他社のページという場合があるため、本記事では2つを分けて数えます。
本記事では、引用率を、同じ条件で実行した回数のうち、回答の出典リンクに自社のURLが入った回数の割合とします。言及率は、回答の本文に自社名が出た回数の割合です。1つの回答に自社のURLが複数あっても、1回と数えます。
資料やツールによって数え方が違う場合があるため、ほかの資料の数字と比べるときは、まず定義をそろえましょう。本記事で使う語の意味と、どこで見るかは次の表のとおりです。
| 語 | 本記事での |
どこで |
|---|---|---|
| 言及 | 回答の |
回答の |
| 引用 | 出典の |
回答の |
| 推薦 | 比較の |
比較の |
| 流入 | 回答の |
GA4などの |
AIの回答は、一度確かめた結果が次の確認でも同じになるとは限りません。Bingは、AIの回答は動的で、引用のパターンはモデルの変化などで変わりうると説明しています。
Googleによると、AIによる概要は、従来の検索結果に対して付加価値があるとシステムが判断した場合にのみ表示されます。ChatGPTは、最新の情報が役立つ質問では、ウェブ検索を自動で使う場合があります。
このため、1回聞いて出た・出なかったという結果だけで、選ばれている・いないとは言い切れません。次の章で紹介する公式のデータと、自分で取る記録を組み合わせて判断しましょう。
AIの回答に自社のページがどう出たかを公式のデータで見られるのは、確認できた範囲ではGoogleとBingです。Search Consoleでは、AIによる概要とAIモードでサイトへのリンクが表示された回数(インプレッション数)を見られます。
Bing Webmaster Toolsでは、CopilotなどのAIの回答で出典として示された数(Citations)を確かめられます。どちらもそのサービスの中の数字で、質問ごとの率は出ないため、ほかのAIサービスも含めて自分で記録します。

Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは、2026年8月31日に世界中のすべてのウェブサイトに提供されました。インプレッション数は、Google検索の生成AI機能でサイトへのリンクが表示された回数で、AIによる概要とAIモードの合計です。
グラフでは、同じ回答に自社の結果が2件出ても1回と数えるため、回答に出た自社のURLの本数と一致するとは限りません。また、生成AI機能でのインプレッション数が十分でないサイトでは、レポート自体が表示されない場合があります。
データは、ページ・国・日付・デバイスで分けて見られます。一方で、クエリ別に分けて見る方法や、AIによる概要とAIモードを機能別に分けて見る方法は、ヘルプに記載がありません。Search Labsの試験運用版のデータは、レポートの対象外です。
Google 検索セントラルの説明では、AI機能での表示は、通常のパフォーマンスレポートの検索タイプ「ウェブ」にも含まれています。継続して見るなら、同じページ・同じ長さの期間で推移を比べると、前回との違いを読み取れます。
参考:Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceは、2026年2月10日(米国時間)に公開プレビューとして発表されました。対象は、Microsoft Copilot、BingのAIによる要約、一部のパートナー連携です。
見られるのは、期間中に回答の出典として表示された引用の数(Total Citations)や、1日あたりの引用されたページ数の平均です。ページ単位の引用数と、サイト全体の引用の推移も確かめられますが、回答の中での位置や順位は示されません。
AIが内容を取得するときに使った語句(Grounding queries)も表示されますが、全体の一部のサンプルです。質問ごとに自社が引用されたかを、すべて確かめられるわけではありません。
Bingは2026年6月16日の公式ブログで、4つの機能をプレビューとして順次提供し始めると発表しました。対象はIntents・Topics・Citation Share・Compareです。2026年10月13日には、Topics Portfolioがベータとして発表されています。
Citation Shareは、同じ語句での全引用に占める自サイトの割合で、競合のドメインは示されません。本記事の引用率とは分母が違うため、同じ数字として比べないようにします。2026年10月時点でAI Performanceの一般提供の発表は見つからないため、本記事ではプレビューとして扱います。
参考:Bing Webmaster Blog「Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools Public Preview」
引用の回数とは別の数字として、GA4でAIサービスからの流入を見る方法もあります。GA4のデフォルト チャネル グループには「AI アシスタント」があり、ChatGPT、Gemini、Copilotなどから来た訪問がまとめられます。
サービスごとの内訳を自社で決めた条件で見たいときは、参照元で絞るセグメントも使えます。当社(センタード)では、セッションの参照元が次の正規表現に一致するセッションセグメントを使っています。
.*(chatgpt|openai|perplexity|gemini|copilot|claude).*
GA4の正規表現は初期設定では完全一致のため、前後に「.*」を付け、指定した文字列を含む参照元を拾うようにしています。文字列を含むかだけで判定する簡易的な方法のため、集計後に実際の参照元も確かめます。
どちらの方法でも、数えられるのは参照元からAIと分かる訪問だけで、AIの回答から来た訪問をすべて数えられるとは限りません。GoogleのAIによる概要・AIモードからの訪問は、どちらにも含まれない点にも注意します。
関連記事:【初心者向け】Googleアナリティクス(GA4)の基本的な見方と使い方を徹底解説!
Search Console・Bing Webmaster Tools・GA4は、見られる範囲がそれぞれ異なります。2026年10月時点で、それぞれの場所で分かることと分からないことは次のとおりです。
| 確かめる |
分かる |
分からない |
|---|---|---|
| Googleの |
AI機能 |
クエリ別・ |
| Bingの |
Copilot |
回答内の |
| GA4 | AIと |
引用数・ |
| 手動の |
質問ごとの |
利用者 |
比べられる数字を得る前提は、質問・条件・記録の形を最初に決め、途中で変えないことにあります。対策を始める前に一度記録を取り、その値を後で比べる基準にします。すでに対策を始めている場合は、最初に取った記録を基準にしましょう。
質問は、比べ続けるために最初にセットとして固定します。途中で文言を書き換えると前回と比べられなくなるため、直したいときは新しい質問として足していきます。最初から数を増やさず、続けられる数から始めるとよいでしょう。
自社名を入れない質問は、比較・検討や課題を調べる場面で自社が候補に入るか(最初の表の「推薦」)を見るためのもので、社内報告の中心にします。自社名を入れる質問は、自社の説明が正しいかを確かめる用途です。
分ける理由は、自社名を入れた質問では回答に自社名が出るのは当然に近く、言及の有無で比べる意味が薄いためです。報告の中心を自社名を入れない質問に置くのも、同じ理由によります。
質問の素材には、Search Consoleの検索クエリや、問い合わせ・商談でよく聞かれることが使えます。例えば、中小企業向けの会計ソフトを提供する会社なら、次のような質問が考えられます。
使うAIサービスは1つに絞らず、顧客が使いそうなものを複数選び、サービスごとに分けて記録します。1つのサービスの結果だけで、AI全体での見え方を判断しないためです。
ChatGPTは、設定によって過去の会話を回答の個人化に使い、メモリーがオンだと保存したメモリーを検索の語に使うことがあります。一時チャットでは、始めるたびに「Unpersonalized」を選ぶと、既存のメモリーなどを使わずに質問できます。
また、ChatGPTのウェブ検索を使った回答には引用が付く場合があり、検索は質問によって自動で使われることもあります。観測のときは検索を手動で指定し、条件をそろえます。
GoogleのAIモードでは、パーソナル インテリジェンス機能が過去の検索などを参照します。この個人化は設定でいつでも無効にできるため、観測では有効か無効かを決めて毎回そろえます。
Geminiは、ログインしていないと過去の会話による個人化ができません。観測ではログインするかどうかを先に決めて記録表にも残し、毎回同じ状態で質問するようにします。
観測の日時と、1つの質問を1回の観測で何回実行するかは、自社で決めて固定します。頻度は、例えば隔週のように、記録を続けられる間隔を目安に決めるとよいでしょう。AIサービス側で大きな変更が発表されたときは、決めた日以外に観測を足してもかまいません。
記録に残す条件は、AIサービス、検索や個人化の設定、実行日時、1回の観測での実行回数です。次の観測では、記録した条件と同じ設定で実行します。条件は、次に作る記録表のAIサービスの欄に書き添えるなどして残すと、条件の違いによる変化かを確かめられます。
記録表は、継続して使う列を軸に作ります。特に、質問番号・同時に引用された他社・施策や更新のメモの3列は、回を重ねて比べるときに役立ちます。列の並びは最初に決め、途中で変えないようにします。
質問文の一覧を別に作り、質問番号で対応させておけば、質問ごとの率を後から集計できます。同時に引用された他社を残すと、自社が外れた回にどのサイトが選ばれたかが分かります。施策や更新のメモは、数字の変化と並べて見るための列です。
記録表の列と、ChatGPTで質問を1回実行したときの記入例は次のとおりです。記入例の値はすべて架空で、1回の実行を1行として記録すると、後から回数を数えるときに迷いません。
| 列名 | 記入例 |
|---|---|
| 日付 | 2026年10月20日 |
| AI |
ChatGPT |
| 質問番号 | Q03 |
| 言及の |
あり |
| 引用の |
あり |
| 引用 |
自社の |
| 回答での |
誤り |
| 同時に |
A社・B社の |
| 施策・ |
10月15日に |
回答での扱われ方は、肯定・中立・否定のように区分を決め、説明に誤りがあれば「誤り」を付けて記入します。回答の画面はスクリーンショットで残し、保存先も記録表に書いておくと、後から中身を確かめられます。
集計では、質問ごと・AIサービスごとに引用率を出し、前回の値と比べます。全体の平均だけで判断すると、特定の質問やサービスでの変化を見落とします。実行回数が少ない間は1回の違いで率が大きく変わるため、率と一緒に回数も書いておきます。
例えば、1つの質問を1回の観測で3回ずつ実行し、隔週で3回観測して計9回のうち、自社のURLが引用されたのが3回なら、引用率は約33%とします。この数字は執筆側の作例で、一律の基準ではありません。
記録表の「同時に引用された他社」を数えれば、同じ質問で他社が引用された割合も同じ計算で出せます。自社の率が変わらなくても他社の率が上がっていれば、比較の質問での位置づけが変わり始めている可能性があります。
率が動いたら、記録表の施策・更新のメモと並べて見ます。Googleでは、再クロールに数日から数週間かかる場合があり、ページを直してから検索での表示に反映されるまでに時間差がありえます。反映されてもAIの回答で引用されるとは限らないため、直後の数字だけで効果を判断しないようにしましょう。
社内に報告するときは、数値・変化の理由として考えられること・次の行動の3つを示します。数値には、率と回数を並べて書きます。質問ごと・AIサービスごとに分けて書くと、どこで変化したかが伝わります。
例えば「自社名を入れない質問の引用率は、ChatGPTで、その前の3回の観測の約33%(9回中3回)から、直近3回の約22%(9回中2回)になった。差は1回分のため次の観測まで記録を続け、続けて下がれば観測の条件と、新たに引用された他社の比較記事を確かめる」のように、2〜3文でまとめます。
数字が動いたときは、原因を1つに決めつけず、記録の条件、ほかのサイト、自社ページの順に確かめます。判定と次の行動の対応は、観測を始める前に決めておくと迷いません。例えば、次のような対応が考えられます(執筆側の作例で、一律の基準ではありません)。
引用率が下がったときは、自社ページを直す前に、次の3つを順に確かめます。順番を決めておけば、自社とは関係のない変化に合わせて、ページを慌てて直すことを避けられます。
条件が変わっていれば、数字の変化は自社のページとは別の要因による可能性があります。ほかのサイトに変化があれば、そのサイトが新しく載せた情報がないかを見ます。自社ページを直す場合の考え方は、次の記事で解説しています。
関連記事:AIO(AI検索最適化)とは?対策方法と従来SEOとの違いを解説
自社名は回答に出るのに、出典は別のサイトという場合があります。このときは、質問の答えになる情報が自社サイトに書かれているかを確かめます。引用率と言及率を分けて記録していれば、この状態に気づけます。
例えば、料金や対応範囲を聞く質問で、その情報が自社サイトのどこにも書かれていなければ、まずは載せるところから検討します。すでに載せている場合は、質問への答えがはっきり書かれているか、情報が古くなっていないかを見直しましょう。答えになる書き方の考え方は、次の記事が参考になります。
関連記事:AEO対策とは?SEOとの違いと不要な施策・必要な施策
記録表で「誤り」を付けた回答は、集計とは別の作業として扱います。まず、自社サイトの該当する情報が正しく最新かを確かめます。古い料金や終了したサービスが載ったままのページがないかも見ます。
GoogleのAIによる概要、Perplexity、Microsoft Copilot Chatでは、回答ごとに低評価や報告ができると案内されています。Copilotは提供の形によって案内が異なる場合があるため、使っているサービスのヘルプで報告の方法を確かめます。
一方、サイト運営者が回答の訂正を求める専用の窓口は、公式の資料では見つかりませんでした。誤った回答は画面を保存し、報告できるサービスでは報告したうえで、次の観測で直っているかを確かめます。自社サイトの情報を直した場合は、記録表の施策・更新のメモにも書いておきます。
まずは手動で質問と記録の形を固め、続けられる量を超えたらツールを検討します。ツールを選ぶ前に比べる観点を決めておくと、自社の記録の形に合うかを判断しやすくなります。例えば、決めた日に全部の質問を回しきれない回が続くことが、ツールを検討する目安です。
記録の取り方は、手動・自作・ツールの3つに分けられます。どれか1つに決める必要はなく、質問の数や社内の体制に合わせて、段階ごとに切り替えたり組み合わせたりできます。
ツールを比べるときは、機能の多さより、自社の記録の形をそのまま移せるかを見ます。提供元への問い合わせや商談で使える質問例と、答えを比べる判断の目安は次の表のとおりです。
| 観点 | 質問例 | 判断の |
|---|---|---|
| 対象の |
どの |
顧客が |
| 日本語の |
日本語の |
自社の |
| 言及と |
言及と |
別の |
| 実行の |
1つの |
回数を |
| 記録の |
回答の |
書き出して |
| 他社との |
他社の |
比べる |
| 料金の |
質問数や |
費用の |
ツールが出す数字だけを見ても、自社が決めた言及と引用の数え方と合っているかまでは分かりません。試用できる場合は、次の4つの手順で、手動の記録と並べて見比べます。
社内で質問の設計や記録を続けられないときは、外部の支援を使う選択肢もあります。当社は、生成AIの回答で自社が正しく扱われるよう支援するLLMOコンサルティングを、AI検索への対応を進めたい企業に向けて提供しております。
コンサルティングの流れには、生成AIでの主要なプロンプト(質問)の整理、AI上での引用・参照状況の可視化、継続改善とLLMO状況のモニタリングが含まれています。比較・検討の場面で聞かれる質問の整理から、定点での確認までを支援します。
関連ページ:LLMOコンサルティング
AI回答の引用モニタリングは、質問と条件を固定し、言及と引用を分けて記録し、率と推移で読むことが土台です。そのうえで、Search ConsoleやBing Webmaster Toolsの公式データを補いとして使います。
最初の一歩は、自社名を入れない質問を数問決め、使うサービスと観測の条件を書き出してから記録を始めることです。対策の前に取った記録が、後で効果を説明するときの基準になります。記録の設計や継続が社内で難しい場合は、当社のLLMOコンサルティングなど、外部の支援を使う方法もあります。
現在デジタルマーケティングにおいてお悩みがある方や、
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まずは自社の現状を知り、可能な改善施策はどういったものがあるのか、
スケジュール、予算感はどのようなものなのか等も含めて
ご説明しますので、お気軽にご相談ください。
監修者プロフィール
A.Search Console、Bing Webmaster Tools、標準版のGoogle アナリティクス(GA4)は無料で使えます。GoogleとBingの公式データとGA4の流入を確かめたうえで、ほかのAIサービスを含む質問ごとの引用・言及は、手動の記録で補います。
A.引用されても、サイトへの訪問や問い合わせにつながるとは限りません。引用はAIの回答で自社が知られる段階の指標で、問い合わせにはサイト内の情報や導線など別の要因も関わります。引用率、AIからの流入、問い合わせを分けて並べ、どの段階で止まっているかを確かめましょう。
A.本記事の計算例の約33%は作例で、目安ではありません。自社の前回の値から上がっているか、同じ質問で競合がどの程度引用されているかと比べて判断します。回数が少ないうちは率が動きやすいため、何回中何回かも並べて見ます。
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