Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?特徴やメリット、始め方を解説

更新日: 2024.04.15

Microsoft広告とは?特徴やメリット、始め方を解説
日本におけるリスティング広告(検索連動型広告)といえば、Google広告やYahoo!広告を思い浮かべる方も多いかと思います。

しかし、いずれの広告媒体でもないMicrosoft広告(マイクロソフト広告)があるのをご存知でしょうか。WEB広告であるGoogle広告やYahoo!広告と比べてもMicrosoft広告は一線を画す存在と言えるでしょう。BingやYahooを含むMicrosoftの広告プラットフォームは、多くの企業にとって新しいビジネスチャンスを切り拓く窓口となっています。

今回は、Microsoft広告について、その基本からメリット、始め方まで解説します。

Microsoft広告とは?

Microsoft広告は、Microsoft社が提供するリスティング広告およびディスプレイ広告を配信できる広告媒体です。主にBingやYahoo!といった検索エンジンを含み、ブラウザのMicrosoft Edgeなどでも広告を表示することができます。Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告といった他の広告媒体とは異なる特徴を持っています。

配信面

Google広告の代表的な配信面はYouTubeやGmailなどが挙げられ、Google社の各種サービスへ広告を配信できます。一方で、Microsoft広告はBingやYahoo!を含むMicrosoftの広告ネットワーク、Microsoft Outlookなどに広告を配信します。これにより、Googleのみに頼ることなく、多岐にわたるオーディエンスにアプローチすることができます。

ターゲティング

Microsoft広告では、「企業・業界・業種」によるターゲティングが可能です。これは「LinkedIn(リンクトイン)」というビジネス特化型のSNSのプロフィール情報に基づいています。特定の企業・業界勤務のユーザーや、特定の職種のユーザーに対してターゲティングを行い、広告を配信することができます。

広告表示オプション

Microsoft広告では3つのユニークな広告表示オプションを使用することができます。検索広告の右側にユーザーへ行動を促すボタン(CTA)を設置する「行動喚起(CTA)表示オプション」、サイト内に掲載されている商品を価格やブランド、サイズなどのカテゴリーに分けてリンクを表示できる「フィルターリンク表示オプション」、検索広告の右側に動画を表示させる「動画表示オプション」があります。

入札戦略の仕様

Microsoft広告には、Google広告とYahoo!広告と同じ入札戦略がありますが、使用できるキャンペーンタイプが異なっています。例えば、「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価」はMicrosoft広告の場合、検索キャンペーンのみに使用することができます。

Microsoft広告の種類

Microsoft広告は多岐にわたる広告形式を提供しており、自社の目的やターゲットに合わせて効果的な広告を展開することができます。

リスティング広告

・拡張テキスト広告

通常のテキスト広告に比べて複数のタイトルやテキストを設定することが可能であり、より多くの情報をユーザーに提供できます。

※2023年2月以降サポート終了(新規作成、編集不可)

・レスポンシブ検索広告

最大で15個の見出しと4つの説明文を入力し、Microsoftが最適な組み合わせを自動的に選択することで、広告のクオリティを向上させます。各アセットのパフォーマンスを確認することが可能であり、主な4つの指標(表示回数、クリック数、クリック率、費用)も確認することができます。

・動的検索広告

ユーザーの検索クエリに基づいて広告のタイトルと説明が自動的に生成され、広告が配信されます。キーワードや広告タイトルなどを管理する必要がないため、広告配信の工数を減らすことができます。

・ショッピング広告

検索結果画面に表示される広告で、商品の情報や価格などを表示し、ユーザーが製品を直接検索結果から購入できる仕組みです。Yahoo!広告からの出稿はないため、競争率が低いという特徴もあります。

・バーティカル広告

特定の業界やカテゴリに特化したフィード広告で、検索キーワードに関連する広告が自動的に生成されます。自動車やクレジットカード、健康保険などの業種に対応しています。広告が縦に並ぶ形で表示されるため、ショッピング広告よりも得られる情報が多いところが特徴です。

 

ディスプレイ広告

・Microsoftオーディエンス広告

Google 広告、Yahoo!広告のレスポンシブディスプレイ広告よりも設定できる見出しや説明文は多いですが、基本機能としては同じです。Microsoft Audience Network(OutlookやMicrosoft Edge)やパートナーサイトに対して、ユーザーの興味関心に合わせて広告が配信されます。豊富なターゲティング機能を使用して、特定のユーザーに広告を配信することが可能です。

・マルチメディア広告

検索結果画面の右側に表示され、大きなビジュアルで視覚的なインパクトをユーザーに与えることができます。見出し、説明、画像、ロゴを登録することで最適な組み合わせを自動で広告として表示されます。

アプリインストール広告

・アプリインストール広告

アプリのダウンロード促進を目的とした広告形式で、アプリストアへの誘導が可能です。ディスプレイ広告枠はなく、Bingの検索結果画面のみに配信がされます。 ※日本では未対応

Microsoft広告のメリット

Microsoft広告は多くのメリットを広告主に提供し、効果的なマーケティング戦略の構築をサポートします。

企業に対してアプローチしやすい

日本ではWindows OSを利用しているユーザーが多く、企業では初期設定のまま変更せずにMicrosoft EdgeやOutlookを利用している企業も多くあります。これを抜きにしても、Microsoft製品はビジネスシーンでの利用が多いため、BtoB商材やサービスの広告を配信することでパフォーマンスが良くなる傾向にあります。企業向けの商材・サービスを取り扱っているのであれば、取り組みを検討するべき広告媒体の1つといえます。

Google広告などの内容をインポートできる

広告主はGoogle広告やMeta広告など、他のプラットフォームにおける広告設定をMicrosoft広告に簡単にインポートすることができます。これにより、広告配信開始に向けた設定ミスを防止しながら進めることが可能です。ただし、各広告媒体とは特徴が異なるため、入札単価や予算は個別に調整する必要があります。

少額から利用できる(他媒体よりCPCが低い)

Microsoft広告は他の主要な媒体に比べて入札競争が激化していないことからCPC(クリック単価)が低い傾向にあり、少額の広告予算から始めることができます。これは中小企業や新規参入企業にとっては魅力的なメリットといえます。また、GoogleとYahoo!でCPCが高騰している場合は、Microsoft広告の出稿も考えてみてはいかがでしょうか。

独自の広告フォーマットを利用できる

Microsoft広告は独自の広告フォーマットを提供しており、今後はMicrosoftのみで広告が出向できるようになる予定です。そのため、GoogleやYahoo!でアプローチできなかった層に配信をすることが可能になります。また、先述した独自の広告表示オプションや業界に特化したバーティカル広告など、ユニークな機能により、他媒体とは異なる訴求で広告を配信することができます。

Microsoft広告のポイントと注意点

Microsoft広告はその独自性を活かしたポイントが存在しますが、その分、他媒体とは異なる点もあるため注意が必要です。これらをしっかりと理解し、効果的なキャンペーンを展開するためのポイントをいくつかご紹介します。

検索広告がオーディエンス広告としても配信される

ショッピング広告などを含む検索広告は、オーディエンスネットワークへも広告が配信されます。関連性が高かったり、成果が見込める場合に配信されますが、配信可否は選択できない仕様となっています。

広告の配信量が少ない

Microsoft広告の競争がまだ激しくないことから、広告の配信数が他のプラットフォームに比べて少ない傾向があります。Bingの日本国内の検索エンジンシェアは2位(約18%)ですが、1位のGoogle(約71%)と比べると大きな差があります。※1 伸びてきているとはいえ、ユーザー数の母数に差があるため配信量を伸ばすのは難しいでしょう。しかし、他媒体と比べるとCPC(クリック単価)が安いというメリットがあります。 ※1 PCのみの数値

スマートフォンへの配信量が少ない

Microsoft広告はデスクトップ環境での利用が主体であり、スマートフォンへの広告配信数が他のプラットフォームに比べて少ない特徴があります。スマホにおけるシェアを見ると、GoogleとYahoo!が大半を占め、Bingは1%にも満たないシェアとなっています。そのため、ターゲットユーザーが主にデスクトップを利用する場合に効果を発揮する媒体といえます。

Microsoft広告の独自機能の利用

メリットでも解説した通り、Microsoft広告では、他のプラットフォームからは利用できない独自の機能が提供されています。これらを活かして広告を配信することで、他社との差別化を図りながらターゲットに訴求することが可能です。

Microsoft広告の始め方

Microsoft広告を活用するためには、アカウント作成からキャンペーンの作成まで行い初めて広告を配信することができます。アカウントの作成方法からタグ、コンバージョンの設定方法まで解説するので、参考にしていただければと思います。

Microsoftアカウントの作成

Microsoft広告を利用するには、Microsoftアカウントが必要です。アカウントを持っていない場合は、公式WEBウェブサイトからアカウントを作成します。下記サイトにアクセスし、「サインイン」→「アカウントの作成」をクリックし、メールアドレスでMicrosoftアカウントを作成します。      

Microsoft公式アカウント

Microsoft広告アカウントの作成

Microsoftアカウントを作成したら、広告アカウントを開設します。下記のMicrosoft広告のサイトにアクセスし、アカウントの新規作成を行います。                       

Microsoft広告公式アカウント

キャンペーンの設定

広告を配信するためには、まずキャンペーンを設定します。目的に合わせて適切なキャンペーンを選択し、基本的な情報を入力します。

広告グループの設定

キャンペーン設定が完了した後、次は広告グループの設定が必要です。広告グループを設定することで、特定のテーマやキーワードに対する広告をまとめて管理できます。「広告グループ名」「広告を表示するキーワード」「ターゲット」「広告のスケジュール」などを設定します。

クリエイティブの作成

続いて各種広告のクリエイティブを作成します。こちらで広告タイプを選ぶことができるので、配信したい広告タイプを選択し、各種設定を進めます。画像やテキストなどを組み合わせてユーザーに伝わりやすいクリエイティブを作成しましょう。

タグの設定

広告のパフォーマンスを追跡するためには、タグを設定する必要があります。コンバージョンやユーザーアクションなどを把握することができます。Microsoft広告のタグは「ユニバーサルイベントトラッキングタグ」といい、サイトへの反映は手動で行う必要があるため、GTM(Google Tag Manager)を使用したり、WEBサイトに直接設置し、サイト上でタグが機能するように設定しましょう。GTM(Google Tag Manager)では専用のタグ(Microsoft Advertising)が用意されています。

コンバージョンの設定

タグの設置が完了したら、管理画面でコンバージョンの設定を行います。管理画面の右上「ツール」から「コンバージョン目標」を選択し、設定画面に移ります。コンバージョンの目標の種類や詳細を設定し、完了になります。配信準備はここまでで完了です。広告の審査が完了次第、広告配信が開始されます。

まとめ

Microsoft広告は、企業がターゲットに向けたアプローチを行う上で優れたプラットフォームです。Google広告やYahoo!広告とは異なる特長を持ち、低いCPCや独自の広告フォーマットを提供しています。始めるためには、Microsoftアカウントの作成から始まり、キャンペーン設定、広告グループの設定、クリエイティブの制作など一連の手順が必要です。

Microsoft広告を有効に活用するためには、企業の特性や目標に応じて戦略を立てることが重要です。少額から始められ、柔軟なキャンペーン設定が可能なため、予算やニーズに合わせた効果的な広告を展開できます。是非、Microsoft広告を活かして効果的な広告を展開しましょう。

いかがでしたでしょうか?皆さんにとって有用なコンテンツとなっていれば嬉しいです。

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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