Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンとは?配信開始前に知っておくべき基礎知識

更新日: 2025.11.19

デマンドジェネレーションキャンペーンとは?配信開始前に知っておくべき基礎知識

デマンドジェネレーションキャンペーンはGoogleのAIを活用し、幅広い掲載面やオーディエンスに広告を配信することができるキャンペーンです。この記事では、デマンドジェネレーションキャンペーンの特徴や配信方法、導入前に知っておくべき注意点を解説していきます。

 

デマンドジェネレーションキャンペーンとは

デマンドジェネレーションキャンペーンはGoogleの機械学習を活用し、より広範囲のユーザーにアプローチ できる広告手法として設計されています。

デマンド ジェネレーション キャンペーンは、YouTube ショート、Discover、Gmail、Google 動画パートナーなど、YouTube 全体でエンゲージメントとアクションを獲得します。デマンド ジェネレーション キャンペーンは、あらゆる広告主様が利用可能な Google のインパクトの強いサーフェスに、視覚に訴えるマルチフォーマットの広告を配信したい場合に使われます。

引用:デマンド ジェネレーション キャンペーンについて – Google 広告 ヘルプ

デマンドジェネレーションキャンペーンの特徴

デマンドジェネレーションキャンペーンの特徴を一覧にまとめました。

デマンドジェネレーションキャンペーン
掲載面 ・YouTube(インストリーム、ショート動画含む)
・Discover
・Gmail
クリエイティブアセット ・画像
・カルーセル
・テキスト
・動画
入札 ・コンバージョン数
・コンバージョン値
・クリック数
オーディエンス ・Googleオーディエンス
・最適化されたターゲティング
・類似セグメント
レポート・測定 ・コンバージョン経由レポート
・データドリブンアトリビューション
・ブランドリフト
・コンバージョンリフト

デマンドジェネレーションキャンペーンはGoogleのAIを活用し、より幅広い掲載面やオーディエンスに広告を配信することができるキャンペーンと言えるでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンのメリット

デマンドジェネレーションキャンペーンを活用することで、広告運用を効率化することができます。デマンドジェネレーションキャンペーンのメリットとその効果的な活用方法をお伝えします。

新規顧客にアプローチできる

デマンドジェネレーションキャンペーンでは「類似セグメント」という機能を使うことができます。これは何でしょうか?簡単に言うと、あなたの既存顧客と似た興味や行動パターンを持つ新しいユーザーを自動的に見つけ出す機能です。

例えば、スポーツ用品店を経営しているとしましょう。これまでにランニングシューズを購入したお客様と似た興味を持つ人々に、ピンポイントで広告を届けることができるのです。このように広告がパーソナライズされることで、潜在顧客の興味を引きやすくなり、新規顧客獲得の効率が大幅に向上します。

認知拡大を期待できる

デマンドジェネレーションキャンペーンには「クリック数の最大化」という入札戦略があります。

この機能を使うと、システムが自動的に最適な入札単価を設定し、できるだけ多くのユーザーに広告を表示してクリック数を増やします。「コンバージョン獲得」だけでなく、「多くの人に知ってもらう」という認知拡大の目的にも活用できます。

さらに、YouTubeショート動画やインストリーム広告(動画を視聴する前に表示される広告)といった動画フォーマットにも対応しています。特に最近人気が急上昇しているショート動画に広告を出すことで、若年層を含む幅広いユーザーとの接点を増やすことができます。例えば、15秒のショート動画で商品の魅力を伝えることで、長い説明を読むことなく商品の特徴を理解してもらえるでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンを始める前に知っておくべき注意点

デマンドジェネレーションキャンペーンでの配信を検討している方に向けて、デマンドジェネレーションキャンペーンを始める前に押さえておくべきポイントについて詳しく解説していきます。

機械学習のデータ蓄積に成果が左右されやすい

ファインドキャンペーンからデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードする場合は、機械学習が安定するまでパフォーマンスの揺れが発生する可能性があります。正しいターゲットに適正なクリック単価で広告を配信していくためには、パフォーマンスの変動を細かく確認し、設定の微調整を行いましょう。

クリエイティブのリソース確保

デマンドジェネレーションキャンペーンは、クリエイティブがメインとなるキャンペーンです。画像や動画の見せ方、テキストの訴求内容、配置、サイズなどパターンの異なる複数のクリエイティブを用意してテストを行い、最適なクリエイティブで広告配信を行うことでより良い成果を得ることができるでしょう。

このように、デマンドジェネレーションキャンペーンで成果を上げるには、複数のクリエイティブの作成や動画の作成が重要となります。そのため、クリエイティブ作成のリソース確保を行い、自動アップグレードまで余裕を持ってクリエイティブ制作を進めましょう。

動画クリエイティブのセーフゾーンを確認する

動画クリエイティブを作成する場合は、配信するプラットフォームや広告スペースにおけるセーフゾーンを確認しましょう。例えば、YouTubeショートに出稿する際は、画面右側のいいねボタンやコメントボタンと動画クリエイティブが被っていないか注意しましょう。

クリエイティブが正しく表示されないと、訴求内容の理解や視覚的な印象が損なわれる可能性があります。動画広告の最適な形式や寸法について理解し、セーフゾーン内でのクリエイティブ制作を心掛けましょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンの始め方

下記にデマンドジェネレーションキャンペーンで広告配信を始める方法をお伝えします。

デマンドジェネレーションキャンペーンを作成する

①キャンペーンを作成する

Google広告管理画面のキャンペーンページから「新しいキャンペーン」をクリックして、キャンペーンの新規作成に進みます。キャンペーン作成画面

②キャンペーンの目標とキャンペーンタイプを選択

デマンドジェネレーションを選択できるキャンペーン目標は下記となっています。キャンペーン目標によって選択できるキャンペーンが異なりますので、注意しましょう。

  • 販売促進
  • 見込み顧客の獲得
  • WEBサイトのトラフィック
  • ブランド認知度と比較検討

キャンペーン目標画面

③キャンペーンタイプを選択

「デマンドジェネレーション」を選択してください。キャンペーン目標によってキャンペーンタイプの選択肢は異なります。キャンペーンタイプ画面

④キャンペーン設定

キャンペーン単位で設定できる項目は画像に示した通りです。
1日の広告予算は必須項目ですので、忘れずに設定しましょう。キャンペーン設定画面

⑤広告グループを作成する

広告グループ単位で設定できる項目は画像に示した通りです。
「最適化されたオーディエンス」にチェックを入れることで、LPや広告クリエイティブの情報を基に設定した目標を達成する可能性の高い新規ユーザーが自動的にターゲティングされます。広告グループ画面

⑥広告を作成する

作成する広告の種類を選択して、画像・テキスト・広告の遷移先など広告の内容を入力していきます。画像・ロゴ・広告見出し・説明文・遷移先URL・ビジネスの名前は、入力必須となりますので注意しましょう。広告を作成する画面

⑦広告審査

広告の入稿後、すぐに審査が始まります。審査が終了すると、すぐにでもキャンペーンを開始することができます。

デマンドジェネレーションキャンペーンのターゲティング戦略

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、さまざまなターゲティング手法を活用することで、広告の精度を高めることができます。特に 「類似セグメント」「カスタムセグメント」「デバイスターゲティング」 の3つは、効果的なターゲティングに欠かせません。

類似セグメントの活用

類似セグメントを利用すると、既存の顧客データを基に、興味関心が似た新規ユーザーに広告を配信できます。デマンドジェネレーションキャンペーンでは、以下の 3段階の類似度 を選択できます。

類似度 ターゲットの範囲 適した用途
2.5% 既存顧客と非常に近いユーザー 精度重視のコンバージョン獲得
5% バランスの取れたターゲット層 ブランド認知とコンバージョンの両立
10% 広範囲の潜在顧客 認知拡大と新規開拓

例えば、BtoB企業の場合、2.5%の類似セグメント で配信すると、自社サービスに関心を持ちやすい企業担当者に絞り込むことができます。一方で、 10%の類似セグメント では、これまでリーチできていなかった新規層へ訴求できます。

カスタムセグメントの活用

カスタムセグメントは、検索行動や競合サイト訪問歴をもとにターゲットを作成できる機能 です。例えば、以下のような設定が可能です。

  • 検索行動ベース:「Google広告 運用代行」「デジタルマーケティング 施策」を検索したユーザーをターゲット
  • 競合サイト訪問ベース:「競合A社・競合B社の公式サイトを訪問したユーザー」を対象に広告を配信

これにより、すでに購買意欲の高いユーザーにピンポイントで広告を届けることができます。

デバイスターゲティング

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、デバイスごとのターゲティングも可能です。例えば、以下のように使い分けることができます。

  • BtoB向けサービス → PC限定配信(業務時間中のリーチを強化)
  • アプリ広告 → モバイル・タブレットのみ(ダウンロード促進)
  • ECサイトのプロモーション → 全デバイス配信(購買チャネルの多様化)

適切なデバイスを選定することで、無駄な広告配信を減らし、ROI(投資対効果)を向上させることができます。

デマンドジェネレーションキャンペーンとP-MAX・ディスプレイ広告との違い

P-MAXとの違い

P-MAX(パフォーマンスマックス)キャンペーンとデマンドジェネレーションキャンペーンは、どちらもGoogleのAIを活用した広告キャンペーンですが、それぞれの特徴は大きく異なります。

デマンドジェネレーション P-MAX
配信先 YouTube、Gmail、Discover Google全ネットワーク(検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail など)
ターゲティング 手動設定(類似セグメント・カスタムセグメント可) AIによる自動最適化(オーディエンスシグナル活用)
レポート詳細度 クリエイティブ単位で成果分析可 どのクリエイティブが成果につながったかは不明確
運用の自由度 細かいターゲティング・配信面の調整可 Googleの自動最適化が強く、コントロールしにくい

P-MAXは「運用の手間を省きたい場合」に向いていますが、デマンドジェネレーションキャンペーンは ターゲティングを詳細に設定し、広告のコントロールを重視する場合 に最適です。

ディスプレイ広告(GDN)との違い

Googleディスプレイネットワーク(GDN)とデマンドジェネレーションキャンペーンの主な違いは、広告配信先とターゲティング方法 にあります。

デマンドジェネレーション GDN(ディスプレイ広告)
配信面 YouTube、Gmail、Discover Googleの提携サイト・アプリ
ターゲティング 検索履歴・カスタムセグメント・類似セグメント キーワード・トピック・プレースメント
広告フォーマット 画像・動画・カルーセル広告 画像広告が中心
目的 購買意欲の高いユーザーへのアプローチ 認知拡大・リマーケティング

デマンドジェネレーションキャンペーンは 購買意欲が高いユーザーに適した配信 を行えるため、GDAよりも「コンバージョン獲得」に強い傾向があります。

デマンドジェネレーションキャンペーンのまとめ

デマンドジェネレーションキャンペーンは、GoogleのAIを活用し、幅広い掲載面やオーディエンスに広告を配信することができるキャンペーンです。

本記事では、デマンドジェネレーションキャンペーンの概要から活用方法、注意点まで配信に必要な基礎知識をお伝えしてきました。

興味ある方はぜひセンタードまでお問い合わせ下さい。

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監修者プロフィール

平岡 悟

平岡 悟

株式会社センタード 代表取締役

WEBマーケティング歴25年。セプテーニとSBIホールディングスのJVでの金融広告事業をはじめ不動産・人材・旅行・化粧品等多業界広告での経験を経て2010年に株式会社センタードを設立。クライアントワークでWEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの改善設計まで、自社ではSFA/MAを活用したインバウンドマーケティングからインサイドセールスまでを統括。現在も実践の最前線でAIでWEBマーケティングを最適化しサービス強化。1,300社以上の実績と顧客満足度96%、顧客推奨度90%を実現。
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