ゼロクリック検索とは?AI時代の検索変化とSEOの対応策

公開日: 2026.05.07

「検索順位は落ちていないのに、サイトへの流入が減っている」。Web担当者であれば、こうした現象に一度は頭を抱えた経験があるのではないでしょうか。実際に弊社(センタード)のサイトにおいても、2024年と2025年を比較したところ、検索結果への表示回数は13%増加したのに対し、クリック率(CTR)は31%減少していました。

「検索結果には出ているのに、クリックされない」。この現象は「ゼロクリック検索」と呼ばれ、検索エンジンのAI機能の普及とともに急速に拡大しています。

ただし、ゼロクリック検索が増加しているからといって、決して「SEOが終わった」わけではありません。影響を正しく測定し、対策が必要なクエリとそうでないクエリを見極めることで、検索経由の成果は十分に維持・向上させることが可能です。

本記事では、ゼロクリック検索の基本的な仕組みから、自社サイトへの影響をデータで確認する方法、そして実務で優先すべき対応策までをわかりやすく解説します。

ゼロクリック検索とは

ゼロクリック検索の定義と基本的な仕組み

ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力した後、検索結果ページ上で情報を得てしまい、どのWebサイトのリンクもクリックせずに検索行動を終える現象です。「ゼロクリックサーチ」や「ノークリック検索」とも呼ばれますが、指している内容は同じです。

たとえば「東京 天気」と検索すれば、検索結果の最上部に天気予報ウィジェットが表示されます。「1ドル 何円」と検索すれば、為替レートがそのまま画面に出ます。ユーザーはこれらの情報で十分と判断し、天気予報サイトや為替情報サイトにアクセスする必要がなくなっています

こうした現象が起きる直接的な原因は、Google側が検索結果ページ自体を「情報の到達点」として設計するようになったことです。Googleのミッションは「世界中の情報を整理し、誰もがアクセスできるようにする」であり、ユーザーを最短距離で回答に導く方向に検索体験を進化させてきました。その結果として、検索結果ページから外部サイトへの遷移が発生しないケースが増えています。

ゼロクリック検索を引き起こす検索結果の表示機能

ゼロクリック検索を引き起こしている主な表示機能は、大きく6つに分類できます。

表示機能 概要 ゼロクリックが起きやすいクエリ例
強調スニペット 検索クエリに対する回答を特定のページから抜粋し、最上部にボックス形式で表示 「〇〇とは」などの定義系
ナレッジパネル 企業名や著名人の情報を右側(モバイルでは上部)にまとめて表示 企業名・人名での検索
ダイレクトアンサー 天気・為替・計算結果などをGoogle自身が直接回答 「東京 天気」「1ドル 何円」
リッチリザルト FAQ・HowTo・レビューなどの構造化データに基づき、通常より多くの情報を表示 「〇〇 やり方」「〇〇 手順」
AI Overviews 生成AIが複数ページの情報を要約し、最上部に表示。2024年8月に日本で提供開始 比較・解説系の幅広いクエリ
AIモード 検索をAIとの対話形式に切り替える機能。検索結果ページを経由せず、AI内で完結する 複雑な質問・調査系のクエリ

 

このうち、特にゼロクリック検索を拡大させているのがAI OverviewsとAIモードです。AI Overviewsは複数のページを横断的に要約し、検索結果の最上部に表示するため、ユーザーが検索結果だけで情報収集を完結しやすくなっています。AIモードはさらに一歩進み、検索結果ページ自体を経由しない対話型の検索体験を提供します。AI Overviewsの仕組みや対策についてはAIOとは?対策方法を解説、AIモードの概要はGoogleのAIモードとは?で詳しく取り上げています。

ゼロクリック検索はどれくらい増えているのか

AI Overviewsの導入がゼロクリック率に与えた影響

ゼロクリック検索の拡大を最も強く後押ししているのが、GoogleのAI関連機能です。検索結果にどのAI機能が表示されるかで、ゼロクリック率は大きく変わります。

検索タイプ別のゼロクリック率を比較した棒グラフ。通常検索は約34%、AI Overviews表示ありは約43%、AIモードは約93%

AI機能なしの通常検索では約34%だったゼロクリック率が、AI Overviewsの表示で約43%、AIモードでは約93%まで跳ね上がります(Semrush, 2025年)。AI機能が高度になるほど、ユーザーが外部サイトに出てこなくなる構造です。

ただし、すべてのクエリが同じように影響を受けるわけではありません。「〇〇とは」のような情報検索型は影響が大きく、「〇〇 料金」「〇〇 申し込み」のように取引意図が明確なクエリは比較的影響が小さい傾向にあります。自社のどのクエリが影響を受けているかを見極めることが、対策の第一歩です。

自社サイトへの影響を確認する方法

GSC(サーチコンソール)で影響の出ているクエリを見つける

クエリ(キーワード)別で確認した場合、その影響をより可視化出来るようになります。

クエリ 順位 CTR(2024年12月〜) CTR(2025年12月〜) 変化
インスタ 広告 費用 3→4位 10.70% 0.56% -95%
ai overview 12→9位 1.67% 0.60% -64%
面白いサイト 1位 38.45% 30.84% -20%

弊社(センタード)の Googleサーチコンソールより(2025年12月〜2026年2月)

「インスタ 広告 費用」は掲載順位がほぼ変わっていないにもかかわらず、CTRが10.70%から0.56%へと、およそ20分の1にまで激減しています。まさにゼロクリック検索の影響が色濃く出ているクエリで、AI Overviewsが費用の目安を検索結果上で直接回答するようになり、ユーザーがわざわざページを開く必要がなくなっています。一方で、「面白いサイト」は「実際にサイトを見たい」というニーズがあるため、依然として3割強という高いCTRを維持しています。

こうしたパターンを自社サイトで見つけるには、GSC(Googleサーチコンソール)の「検索パフォーマンス」で前年同時期の比較を確認し、「表示回数が横ばい以上なのにクリック数が減っているクエリ」を探します。弊社では2024年12月〜2025年2月と2025年12月〜2026年2月を比較した結果、83件のクエリがこのパターンに該当していました。

ここで注意すべきなのは、表示回数もクリック数も両方減っているケースです。これはゼロクリックの影響ではなく、順位低下や検索ボリューム自体の減少の可能性があるため、原因の切り分けが必要です。

ゼロクリック検索時代のSEO対応策

まず「対策すべきクエリ」と「放置していいクエリ」を分ける

ゼロクリック検索対策で最初にやるべきことは、自社のクエリ全部に対策しようとしないことです。

弊社で抽出したゼロクリックパターン83件を、クエリの性質ごとに分類した結果が以下です。

クエリタイプ 該当件数 CTR変化(2024年12月〜 → 2025年12月〜) 対策の方向性
定義・事実確認系 25件 2.8%→0.5% 検索結果上での認知獲得に割り切る
比較・検討系 35件 10.5%→6.3% クリックしたくなるコンテンツ設計で差別化
取引・行動系 16件 3.4%→0.9% コンテンツ改善+広告との併用を検討
ブランド・指名系 7件 9.9%→5.8% 指名検索を増やす施策に注力

サーチコンソール上での弊社(センタード)のゼロクリッククエリ分類(2024年12月〜2025年2月 vs 2025年12月〜2026年2月)

 

定義・事実確認系はCTRが2.8%から0.5%へと、5分の1以下に激減しています。一方で、比較・検討系のCTRも10.5%から6.3%へと下がってはいるものの、「より深い情報を得てしっかりと比べたい」という検索意図を持つユーザーが中心となるため、CTRの減少幅は控えめにとどまっています。

検索結果上での認知を最大化する(定義・事実確認系への対応)

弊社のデータ分析では定義・事実確認系のCTRが大幅に落ちていたことが確認できました。一方、これらはGoogle仕様上の変化が主要因であり、クリック率の回復を期待するのは現実的ではありません。しかし、強調スニペットやAI Overviewsに引用されれば、クリックされなくても「どこが発信した情報か」が検索者の目に入ります。

つまり、ここでの目標は「クリックを取ること」ではなく「検索結果上で自社名を認知させること」にシフトします。

施策 具体的な対応
強調スニペット獲得 見出しを質問形式にし、直後に40〜60字の回答文を配置
構造化データ実装 FAQPage、HowToなどのSchema.orgマークアップを追加
著者情報の明示 記事に執筆者名・所属・専門領域を記載

 

弊社のデータでも、表示回数自体は前年比で増加しており、検索結果上での露出自体は失われていないということを意味しています。この露出をブランド認知として蓄積し、後から指名検索で回収するという考え方に切り替える必要があります。

クリックしたくなるコンテンツを作る(比較・検討系への対応)

比較・検討系のクエリは、AI検索の影響でCTRが低下傾向にあるものの、「より詳しく知りたい」「他としっかり比較したい」というユーザーニーズが強いため、依然として一定のクリックが見込める領域です。

弊社のデータにおいても、このカテゴリは他のクエリと比べて失われたクリックの絶対数が最も多い結果となりました。しかしこれは裏を返せば、この領域のコンテンツを重点的に改善することが、サイト全体への最も大きなインパクト(流入数の回復・向上)をもたらすということです。

クリックを発生させるには、「このページを開かないと得られない情報」を持たせる必要があります。たとえば、以下のような一次情報が挙げられます。

  • 自社で実施した独自の調査データ

  • クライアント支援から得た実務上の生きた知見

  • ツールの実操作画面(キャプチャ画像など)

  • 「実際にやってみた結果こうだった」という検証結果

AI Overviewsは複数のページを要約して回答を生成するのには長けていますが、こうした独自データや一次情報は要約しきれません。「検索結果の要約だけでは分からない詳しい情報がこのページにある」と読者に感じさせることが、クリックを生み出す唯一のカギとなります。

検索以外のタッチポイントを設計する

ゼロクリック検索が増え続ける以上、SEOによる検索流入だけに集客を依存するビジネスモデルは、ますますリスクが高くなっています。

ただし、これは決して「検索を捨てろ」という話ではありません。検索結果上で自社名を認知したユーザーを、別のチャネルへと誘導し、継続的な接点を持つための導線を作るということです。

たとえば、「検索で認知」→「後日の指名検索やSNSフォロー」→「メルマガ登録」→「コンバージョン」といった一連の流れを意識すれば、ゼロクリック検索を「単なる機会損失」ではなく、「新たな認知獲得の機会」として前向きに活用できます。

まずは自社がすでに持っている接点(メルマガ、LINE、SNSアカウント、ホワイトペーパーなど)を改めて棚卸しして、それらが検索からの導線として機能するように設計されているか、ぜひ確認してみてください。

ゼロクリック検索のよくある誤解と注意点

「SEOは終わった」は本当か

ゼロクリック検索の話題になると「SEOはもう意味がない」という極端な意見が出がちですが、これは正確ではありません。

弊社のGSCデータを見ても、2024年12月〜と2025年12月〜の比較で表示回数は13%増加しています。検索結果に表示される機会自体は減っていない。変わったのは「表示された後にクリックされるかどうか」です。検索というチャネル自体が消えたわけではなく、「検索後の行動」が変わったというのが正確な理解です。

必要なのは「順位を上げればアクセスが増える」という前提を修正し、「検索結果上での認知獲得」と「クリックが発生するクエリへの集中」を使い分けることです。

強調スニペット獲得が逆効果になるケース

強調スニペットに自社コンテンツが採用されると、検索結果上で目立つ反面、ユーザーがその要約だけで満足してクリックしなくなるリスクがあります。

特に「〇〇とは」系のクエリでは、強調スニペットに回答が表示されることで、むしろCTRが下がったという報告もあります。強調スニペットの獲得は「ブランド認知の手段」としては有効ですが、「クリック数を増やす手段」としては必ずしも機能しないことを理解しておく必要があります。

まとめ

ゼロクリック検索は、検索エンジンの進化に伴って今後も拡大していく避けられない構造的な変化です。ただし、すべてのクエリが等しく影響を受けるわけではなく、正しい状況把握とクエリの性質に合わせた対策を行えば、十分に対応が可能です。以下、本記事のまとめとなります。

  • ゼロクリック検索とは、検索結果上で情報が完結してしまい、サイトへのクリックが発生しない現象

  • 検索のAI機能が高度になるほどゼロクリック率は上昇する(通常34%→AIO 43%→AIモード93%)

  • 全クエリに一律で対策するのではなく、クエリの性質ごとにメリハリをつけて対応を変えることが重要

  • 「検索結果上での認知獲得」と、検索以外のチャネルとの組み合わせが鍵を握る

まずは自社のGSC(Googleサーチコンソール)を開いて、日本国内でAI Overviewsが導入された2024年8月以降、各クエリのCTRがどう変化しているかをチェックすることをおすすめいたします。

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監修者プロフィール

平岡 悟

平岡 悟

株式会社センタード 代表取締役

WEBマーケティング歴25年。セプテーニとSBIホールディングスのJVでの金融広告事業をはじめ不動産・人材・旅行・化粧品等多業界広告での経験を経て2010年に株式会社センタードを設立。クライアントワークでWEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの改善設計まで、自社ではSFA/MAを活用したインバウンドマーケティングからインサイドセールスまでを統括。現在も実践の最前線でAIでWEBマーケティングを最適化しサービス強化。1,300社以上の実績と顧客満足度96%、顧客推奨度90%を実現。
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