- 業種
- 海運業
情報設計とSEO改善で1.5倍の集客に成功──海運会社のWebサイト改革
提供サービス
- ホームページ制作
- 課 題
- ユーザーが求める情報が分かりにくく、問い合わせが多発
- スマートフォン対応が不十分で使いづらい
- 競合と比べ、自然検索からの集客が低迷
- 改善結果
- 日別ユーザー数が約3,400人から5,100人超に増加(50%増)
- 平均滞在時間が約2分から4分半以上に伸長(2倍以上)
- 自然検索流入が日別約3,200セッションから4,800超に増加
フェリーを中心とした海上輸送サービスを提供するある海運会社では、Webサイトの利便性と集客力の強化を目的に、全面的なリニューアルを実施しました。従来のサイトでは、ユーザーが求める情報にたどり着けない導線設計や、スマートフォン未対応の画面構成が原因で、問い合わせの増加と検索流入の低迷といった課題が顕在化していたのです。
とくに、「運賃がわかりづらい」「予約の方法が複雑」など、情報が分散して整理されていないことで、結果としてユーザーが離脱しやすくなり、企業としての接点機会を損なっていました。そこで私たちは、アクセス解析をもとに情報構造からUI/UX、SEO対策まで、サイト全体を根本から再設計する取り組みをスタートさせました。
「探しやすさ」を中心に据えた再設計──ユーザー導線の最適化で問い合わせ減
サイトリニューアルに際して最も重視したのは、情報設計と導線の再構築でした。まず、ユーザーが知りたい情報に最短で到達できるよう、全体のナビゲーションとページ構造を見直し。トップページではメインビジュアルを刷新し、代表的な利用シーンや目的別メニューへの直感的な導線を実現しました。
さらに、利用頻度の高い「料金案内」ページには表形式と料金シミュレーターを導入。ユーザーが自らの条件に合わせて料金を把握できる設計にすることで、従来は電話やメールで寄せられていた問い合わせを減少させる成果を上げました。また、「よくある質問」ページも大幅に整理し、問い合わせ前に自己解決できる環境を整えました。
こうした設計の改善により、ユーザーからの問い合わせ件数は目に見えて減少し、社内の対応負荷軽減にもつながる副次的効果を生み出しています。
モバイル対応とUI改善で回遊性アップ──滞在時間は2倍以上に
レスポンシブデザインの導入により、スマートフォンやタブレットからのアクセスにおいても快適な閲覧体験が可能となりました。とくに、モバイルユーザーが多いフェリー利用者にとっては、場所を問わずスムーズに情報が取得できる利便性の高さが評価されました。
加えて、サイト内の回遊性を高めるために、関連情報への内部リンクやフッターリンクを戦略的に設置。これにより、平均滞在時間はリニューアル前の約2分から4分30秒超へと、2倍以上の改善を記録しました。
これは、単に「離脱を防ぐ」だけでなく、「ユーザーが次の行動へ進む動機を生み出す」設計が功を奏した結果だといえます。
内部SEOとキーワード戦略で自然検索流入を最大化
検索エンジンからの流入に関しても、大幅な改善が見られました。リニューアル前は日別で約3,200セッションだった自然検索からの流入が、施策後は最大で4,800セッションを突破。全体流入のうち、約78%をorganic searchが占めるまでに成長しました。
この成果は、titleタグや見出し構造の最適化、URLの正規化、コンテンツボリュームの拡充といった基本に忠実なSEO施策の積み重ねによるものです。また、「フェリー 予約」などの狙ったキーワードにおいても着実に上位表示を獲得し、新規ユーザーの流入経路として大きな役割を果たしています。
リニューアルを通じて、サイト全体の検索流入は1.5倍に増加。ユーザーの情報取得を支援しながら、企業の集客機能を大きく底上げする結果となりました。
ユーザー視点と分析による設計が成果を生む──継続改善の基盤づくりへ
このリニューアル事例は、単なる見た目の刷新ではなく、データ分析に基づく構造設計とユーザー体験の改善が、いかに集客力とブランド信頼を高めるかを示した好例です。
今後はさらなるCV導線の設計や多言語対応、モバイルファーストでの機能追加といった拡張施策も視野に入れており、Webサイトを「情報提供の場」から「集客・販促の中核」へと進化させる取り組みを継続していく予定です。