- 業種
- データ販売
流入はあるのにCVが生まれない──写真・映像提供サービスが挑んだSEO再設計とCV率10%超の成果
提供サービス
- SEOコンサルティング
- 課 題
- サイトの本来の利用者が使用するキーワードによる流入を獲得できていない
- 適切でないキーワードからの流入が多い
- コンバージョン率(コンテンツの購入や会員登録)が低い
- 改善結果
- サービス関連のキーワードからの自然検索流入が前年比149%増加
- 平均セッション時間が5分24秒に延長
- CV率(注文完了)が向上
写真・映像を法人向けに提供するあるサービス企業は、豊富なコンテンツと高い専門性を武器に業界内で確かな実績を持っていました。しかし、その魅力がWeb上で正しく伝わっていないという課題を抱えていました。
実際のところ、Webサイトへの流入自体は一定数あったものの、その大半が「特定の著名人名」「一般消費者の興味検索」など、サービス本質とは無関係な検索キーワードによるもの。結果としてコンバージョン率(CVR)は低く、Webが十分な営業資産として機能していなかったのです。
私たちはこの状況を打破するため、「意図に合致した流入の創出」を軸に据えたSEO戦略を策定。キーワード設計から構造改善、UI/UX最適化まで、包括的な施策を段階的に展開していきました。
意図に沿わない流入の排除──キーワード戦略の再構築から着手
まず最初に取り組んだのは、既存の流入キーワードの徹底分析です。Google Search Consoleを用いて流入語句を解析したところ、CVに繋がっていないノイズ的な流入が大半を占めていることが判明しました。
そこで戦略を転換。「〇〇写真 購入」や「〇〇 映像 使用許諾」といった、法人ニーズに即したキーワードに焦点を当て、広告ではなくSEO経由で適切なユーザー層との接点を創出することに注力しました。加えて、ブランド名の表記揺れ(英語・カタカナ)にも対応したページ設計を実施。ユーザーの検索行動に合わせたきめ細やかな調整を行いました。
コンテンツ・メタタグ・構造の最適化──「サービスの本質」を正しく伝えるサイトへ
キーワード戦略に合わせ、titleタグやmetaディスクリプションを全面的に見直しました。単なるページ名ではなく、「何が提供され、どんな課題を解決できるのか」が瞬時に伝わる表現へと転換し、検索エンジンとユーザーの双方に対する訴求力を高めました。
また、サイト内コンテンツも再構成。「新着コンテンツ」や「今週の注目素材」といった動的セクションを導入し、サイト全体の鮮度と更新性をアピール。検索エンジンに対してサイトの活動性を示すとともに、ユーザーの興味を喚起する設計としました。
画像SEOとリンク構造の見直し──画像中心サイトならではの対策強化
写真・映像サービスという特性上、画像ファイルが多数掲載されているため、画像SEOも欠かせません。全画像に対してAlt属性を設定し、内容を的確に記述することで、Google画像検索経由の流入も増加しました。
同時に、コンテンツ同士の関連性を活かした内部リンクの強化を実施。テーマ別、被写体別、用途別などで自然なクロスリンクを設け、ユーザーの回遊性を向上させるとともに、サイト内の滞在時間を長く保つ設計へと最適化しました。
ユーザー体験の改善──非会員への訴求強化とCV導線の最適化
サイト構造の改善に加え、UX(ユーザーエクスペリエンス)の最適化にも注力しました。特に、非会員状態でも一定レベルのプレビューが可能になるよう設計を変更し、導入前の「検討→離脱」の流れを「検討→体験→会員登録」へと転換する施策を導入。
関連コンテンツへの動線設計、モバイル閲覧時の視認性向上、CV導線の再配置など、CV率に直結するUI要素の改善を進めました。
成果:表示回数149%増、平均滞在時間5分超、CV率10.5%達成
施策実施後、Google Search Consoleの表示回数は前年比149%増加し、検索流入の質も大幅に向上。Google Analyticsでも、平均セッション時間は5分24秒へと伸長(前年比568%増)し、ユーザーの深い関与が確認されました。
なかでも注目すべきは、会員登録から実利用に至るCV率の向上です。新規会員登録のCVRは0.41%、さらに最終的な有料利用へと至るCVRは10.50%に到達。明確な検索意図に応えるサイト構造が、確かな成果へと結びついたことを示しています。
検索意図とユーザー体験の両立こそ、SEO成功の鍵
本事例は、検索ボリュームやアクセス数だけでなく、「誰が・なぜ訪れるか」という検索意図に焦点を当てることの重要性を示しています。SEOは単なる流入増加施策ではなく、見込み顧客とWeb上での接点をつくり、信頼形成とコンバージョンを導く仕組みです。
今後も同社とは、コンテンツの継続的改善とLTV最大化に向けた施策を展開し、Web経由のビジネス拡大を支えてまいります。