- 業種
- 金融
「親会社の知名度」と「サービスの実績」が一致しない──高齢者向け金融サービスが再成長を遂げるまで
提供サービス
- WEB広告運用代行
- SEOコンサルティング
- ホームページ制作
- 課 題
- サイトへの流入数が少ない
- ブランドが認知されていない
- コンバージョン数が伸びない
- 改善結果
- 流入数380%増加
- CV数85%増加
- PV数330%増加
ある日、私たちのもとに相談が寄せられました。相談主は、誰もが知る大手企業を親会社に持つ金融系企業。高齢者を主なターゲットとした金融商品を提供していましたが、「Webからの流入が伸びない」「サービスの知名度が浸透しない」という深刻な課題を抱えていました。
アクセス解析を行ってみると、その原因は明らかでした。サイト自体が、ターゲットである高齢者層の視点をまったく考慮していない設計になっていたのです。
フォントは小さく、導線は不明瞭──ターゲットとの“距離”を生む旧サイト
旧サイトは視認性に乏しく、特に高齢者にとって重要な「読みやすさ」「わかりやすさ」が欠けていました。フォントサイズが小さいことに加え、目的別のページ導線が整理されておらず、サービスの全体像もつかみにくい構造でした。
また、問い合わせや資料請求への導線が希薄で、せっかく訪れたユーザーを適切に案内できていないという致命的なUX上の問題も浮き彫りに。これではどれだけ広告投下を行っても、CVにはつながらないことは明白でした。
私たちはまず、「情報をわかりやすく・使いやすく届ける」ことを最優先に、サイト全体のUI/UXを再設計するところからスタートしました。
UI/UXリニューアルと同時に、CVにつながるオウンドメディアを戦略的に導入
サイトリニューアルにあたり、まずは高齢者に配慮したデザイン指針を徹底しました。大きめのフォント、明確なコントラスト設計、ボタンのサイズや位置にも配慮し、ユーザーが「迷わない」「探さなくていい」構造を重視。
しかし、それだけでは限界があります。潜在層へのアプローチと自然検索流入を強化するため、私たちは同時にオウンドメディアの新規立ち上げを提案しました。
当初は6記事からスタートしたオウンドメディアですが、ユーザーの検索意図を捉えたキーワード設計と丁寧な記事制作により、1年後には約40記事に拡充。セッション数も1,000から16,000へと大幅に伸び、問い合わせや資料請求などのCV数も6倍へと成長しました。
コンテンツSEOの積み重ねが、サイト全体の流入を2倍に押し上げた
オウンドメディアの構築と並行し、サービスページにもSEO施策を展開。ターゲットキーワードを下層ページに丁寧に落とし込み、meta情報の最適化や構造化マークアップも実装しました。
その結果、自然検索からのサイト全体流入は1年で約2倍に。単に記事を増やすだけでなく、「誰に・何を届けるか」を明確にしたコンテンツ構成が、流入とCVの両面で効果を発揮しました。
3年間で流入数は380%、CV数は85%増加──“積み重ねるWeb戦略”の実践
最初のリニューアルから3年。結果として、流入数は380%増加、CV数も85%の増加を記録。即効性よりも「中長期で持続的に成果を出せる構造」を重視した戦略が、着実に成果へとつながりました。
特にオウンドメディアは、単なる集客のための手段ではなく、サービス理解を促進し、信頼を構築し、最終的な問い合わせにつながる設計としたことで、流入数とCV数の両立を可能にしました。
この事例が示すように、親会社の知名度に頼らず、独自のWeb戦略を構築・運用することが、商材単体の価値を適切に市場へ伝える鍵になります。